好きな人の前では、いつもの自分でいられない。
何を話したらいいかわからなくて、変なことを言ってしまいそうで、それで嫌われてしまったらどうしようと考えると、結局何も言えなくなってしまう。
LINEを送ろうとして、文章を何度も書き直しては削除して、結局送れずに時間だけが過ぎていく。
「嫌われるのが怖い」
この感情が、どれだけ多くの可能性を潰してしまったことだろう。
恐怖の正体
好きな人に嫌われるのが怖い理由は、単純に「その人を失いたくない」からだけではない。
もっと深いところにある恐怖は、「自分には価値がない」ということが証明されてしまうことへの恐れ。
もし好きな人に拒絶されたら、それは自分という人間そのものが否定されたような気持ちになる。だから、その可能性を避けるために、行動しないという選択をしてしまう。
でも考えてみてほしい。行動しないことで、実際には何を守れているのだろうか。
完璧でいなければならないという呪縛
好きな人の前では、完璧でいたいと思ってしまう。
失言をしてはいけない、つまらない人だと思われてはいけない、魅力的でない自分を見せてはいけない。
でも、完璧な人間なんて存在しない。そして、完璧を装っている自分は、本当の自分ではない。
私も大学時代、好きな人の前では「理想的な女性」を演じようとしていた。でもそれは疲れるし、何より本当の自分を知ってもらうことができない。もし相手がその演じている自分を好きになったとしても、それは本当に私を好きになったことにはならない。
嫌われることの意味
「嫌われる」ということの意味を、もう一度考えてみよう。
もし好きな人に嫌われたとして、それは本当に最悪の結果だろうか。
確かに悲しい。確かに辛い。でも、それは同時に「自分とは合わない人だった」ということを意味するかもしれない。
本当に自分と相性の良い人なら、ありのままの自分を受け入れてくれるはず。もし受け入れてもらえないなら、無理に合わせ続けても苦しいだけ。
小さな勇気から始める
いきなり大きな行動を取る必要はない。
まずは小さな勇気から始めてみよう。
いつもより少し長く目を合わせてみる。 「おはよう」の挨拶に、少しだけ笑顔を添えてみる。 相手が話していることに、自然に相づちを打ってみる。
これらの小さな行動でも、実は相手にとっては印象深いもの。そして何より、自分自身の自信につながる。
私も最初は、エレベーターで一緒になったときに「お疲れさまです」と声をかけることから始めた。それだけでも、心臓がドキドキした。でも相手が笑顔で返してくれたとき、小さな達成感を味わうことができた。
拒絶されることも一つの答え
もし行動して、結果的に思うような反応が得られなかったとしても、それも一つの大切な答え。
曖昧な状態でずっと悩み続けるよりも、はっきりとした答えを得る方が、最終的には楽になる。
拒絶されることは痛いけれど、それは同時に「新しいスタートを切る機会」でもある。その人に執着し続ける時間を、もっと自分らしく生きる時間に変えることができる。
自分を大切にする勇気
好きな人に嫌われるのが怖いのは、その人を大切に思っているから。でも、自分自身を大切にすることも忘れてはいけない。
嫌われることを恐れて自分を偽ったり、言いたいことを我慢し続けたりするのは、自分に対する裏切り。
本当の意味で誰かを愛するためには、まず自分を愛することが必要。自分を大切にしている人は、相手からも大切にされる。
恐怖と共に生きる
恐怖を完全に取り除く必要はない。
「嫌われるかもしれない」という不安があっても、それでも行動する勇気。それが本当の強さ。
完全に恐怖がなくなるまで待っていたら、一生行動できないかもしれない。恐怖があることを受け入れながら、それでも一歩を踏み出す。
私も今でも、好きな人には緊張する。でも、その緊張も含めて「自分らしさ」なのだと思うようになった。
あなたらしさが一番の魅力
結局のところ、一番の魅力は「あなたらしさ」。
完璧を装った自分よりも、少し不器用でも一生懸命な自分の方が、きっと相手の心に響く。
嫌われることを恐れて何もしないよりも、ありのままの自分で向き合って、もし受け入れてもらえなくても「それは仕方ない」と思える強さを身につけよう。
今日の小さな一歩
今日は、ほんの小さな一歩でいい。
好きな人に関する妄想をする時間を、少しだけ実際の行動に変えてみよう。
挨拶をする、笑顔を向ける、共通の話題について一言コメントする。どんなに小さなことでもいい。
その小さな行動の積み重ねが、やがて大きな変化を生む。そして何より、行動することで自分自身への信頼を取り戻すことができる。
嫌われることを恐れる気持ちは自然なもの。でも、その恐怖に支配されて何もしないことの方が、もしかしたら一番もったいないことかもしれない。
あなたの勇気を、ほんの少しだけ信じてみて。