相手の気持ちを確かめるのが怖い

相手の気持ちを確かめるのが怖い

好きな人の気持ちを知りたいけれど、確かめることで関係が壊れてしまうのではないかという恐れについて

読了時間: 5分

スマホの画面を見つめながら、何度もメッセージを打っては消している。

「今度、二人で会いませんか?」

たったそれだけの言葉なのに、送信ボタンを押すことができない。

もしも断られたら。もしも迷惑そうな顔をされたら。今の関係すら失ってしまうかもしれない。

相手の気持ちを確かめたいのに、確かめるのが怖い。この矛盾した感情に、もう何か月も悩まされている。

曖昧な関係の居心地の良さと不安

今の関係は悪くない。

職場や学校で話すときは楽しいし、相手も笑ってくれる。LINEの返事もちゃんと来るし、時には相手から話しかけてくれることもある。

でも、それが友達としての好意なのか、それとも恋愛感情なのかは分からない。

この曖昧さが、時には心地よく感じることもある。可能性が残されている限り、希望を抱き続けることができる。でも同時に、この不安定さが心を蝕んでいく。

私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、人間関係における「不確実性削減理論」というものを学んだ。人は不確実な状況に不安を感じ、その不安を解消するために情報を求める、という理論。

でも恋愛においては、この情報収集がとても難しい。そして時には、知らない方が良いこともある。

拒絶されることの恐れ

何が一番怖いかって、やっぱり拒絶されることだと思う。

「ごめん、あなたのことはそういう風に見ていない」 「友達としてしか考えられない」

そんな言葉を想像するだけで、胸が締め付けられる。

でも本当に怖いのは、拒絶されることそのものではなくて、拒絶された後の関係の変化かもしれない。

今まで普通に話していたのに、急によそよそしくなったり、気を遣われるようになったり。そうなったら、今の関係すら失ってしまう。

それなら、このまま何も言わないでいる方がマシなのかもしれない。

期待することの怖さ

相手の気持ちを確かめることは、同時に期待することでもある。

期待すれば、裏切られる可能性も生まれる。期待が大きければ大きいほど、失望も大きくなる。

だから時には、期待しないでいる方が楽に感じることもある。期待しなければ、裏切られることもない。傷つくこともない。

でも、期待しないということは、幸せになる可能性も諦めるということ。この矛盾が、また私たちを苦しめる。

自分に自信がないから

正直に言えば、自分に自信がないというのも大きな理由だと思う。

「私なんかが好かれるはずがない」 「もっと魅力的な人がいるはず」 「勘違いだったら恥ずかしい」

そんな気持ちが、行動を起こすことを妨げている。

でも考えてみてほしい。相手があなたとの時間を大切にしてくれているなら、あなたにはきっと魅力がある。それに気づいているのは、あなた以外のみんなかもしれない。

完璧なタイミングなんて存在しない

「もう少し関係が深まってから」 「もっと確信が持てるようになってから」 「完璧なタイミングで」

そうやって理由をつけて、先延ばしにしてしまうことがある。

でも、完璧なタイミングなんて存在しない。どんなときに言っても、リスクはある。確信が100%になることも、多分ない。

私も長い間、完璧なタイミングを待ち続けていた。でも結局、そのタイミングは来なかった。そして気がついたときには、相手に恋人ができていた。

その時初めて、「確かめる勇気」よりも「確かめない後悔」の方が大きいことに気づいた。

小さな一歩から始める

いきなり「好きです」と言う必要はない。

「今度、一緒にカフェに行きませんか?」 「良かったら、今度の休みに映画を見に行きませんか?」

そんな小さな提案から始めてもいい。

相手の反応を見て、少しずつ距離を縮めていく。これなら、たとえ断られても「友達として誘っただけ」と言い訳できる。

そうやって小さなステップを踏みながら、相手の気持ちを探っていけばいい。

答えが「NO」でも世界は終わらない

どんなに怖くても、覚えておいてほしいことがある。

相手の答えが「NO」だったとしても、世界は終わらない。

確かに落ち込むだろう。しばらくは辛いかもしれない。でも、それは一時的なもの。時間が経てば、必ず立ち直ることができる。

そして何より、確かめることで得られるものもある。諦めがつくかもしれないし、意外な答えが返ってくるかもしれない。

確かめないまま過ごす日々の方が、実は心に負担をかけている。

あなたの気持ちは尊い

相手を好きになることは、決して恥ずかしいことではない。

その気持ちを大切にして、相手に伝えたいと思うことも、とても自然なこと。

たとえ結果がどうであれ、誰かを好きになれる自分を誇りに思ってほしい。その純粋な気持ちこそが、あなたの魅力の一部なのだから。

今日という日を大切に

今日も、相手の気持ちを確かめることができなかった。

それでもいい。焦る必要はない。

でも、いつかは勇気を出す日が来る。その日が明日かもしれないし、来週かもしれない。いつであっても、あなたのタイミングで大丈夫。

大切なのは、その時が来たら、自分の気持ちに嘘をつかないこと。

あなたの純粋な気持ちは、きっと相手に届く。たとえ結果がどうであれ、伝えることに意味がある。

その勇気を、あなたはきっと見つけることができる。