スマホを手に取って、また置く。メッセージを書いて、消す。
「今連絡したら重いかな」「でも連絡しないと冷たいと思われるかな」
この繰り返しで、もう何十分も経ってしまった。好きな人との連絡頻度って、本当に難しい。
正解のない悩み
恋愛関係での連絡頻度に「正解」はない、と頭では理解している。でも心は、どうしても「正しい答え」を求めてしまう。
毎日連絡するのが普通？ 返信はすぐにすべき？ 相手から来るまで待つべき？
インターネットで調べても、「適度に」「相手に合わせて」「自然に」といった曖昧な答えばかり。その「適度」がわからないから困っているのに。
私も大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、理論的にはコミュニケーションの頻度や方法について学んだ。でも実際の恋愛となると、理論なんて何の役にも立たなかった。
連絡したい気持ちと遠慮する気持ち
本当は毎日でも連絡したい。その人のことを考えない日なんてないから。
朝起きたとき、「おはよう」って送りたい。 何か面白いことがあったとき、すぐに共有したい。 夜寝る前に、「お疲れさま」って伝えたい。
でも、そんな気持ちにブレーキをかけてしまう。
「重いって思われたらどうしよう」 「束縛してるって思われたらどうしよう」 「面倒な人だって思われたらどうしよう」
そして結局、送りたい気持ちを我慢して、相手からの連絡を待つことになる。
相手からの連絡を分析してしまう
相手から連絡が来ないと、いろいろ考えてしまう。
「私のこと、もう好きじゃないのかな」 「他に気になる人ができたのかな」 「私が何か悪いことをしたのかな」
逆に連絡が来ると、今度はその内容や頻度を分析してしまう。
「前より短くなった気がする」 「絵文字が少ない」 「返信が遅くなった」
こんなに細かく分析している自分も嫌になる。でも、止められない。
相手に合わせすぎる危険性
「相手に合わせる」のは大切。でも、合わせすぎると自分を見失ってしまう。
相手がさっぱりしているタイプなら、自分も連絡を控える。 相手がマメなタイプなら、自分も頻繁に連絡する。
でも、それって本当の自分なのだろうか。自分の気持ちを押し殺してまで、相手に合わせる必要があるのだろうか。
私も以前、相手に合わせすぎて疲れ果てた経験がある。自分がどれくらい連絡したいのか、どんなコミュニケーションが心地よいのか、分からなくなってしまった。
「自然に」の難しさ
「自然に連絡すればいい」とよく言われる。でも、この「自然に」が一番難しい。
恋愛感情があると、どうしても「自然」ではいられなくなる。好きな人のことを考えすぎて、普段の自分ではなくなってしまう。
自然に振る舞いたいのに、どう振る舞うのが自然なのかわからない。この矛盾が、私たちを悩ませる。
連絡頻度以上に大切なこと
実は、連絡の頻度よりも大切なことがある。それは、連絡の「質」。
毎日連絡していても、義務的で中身のないやり取りでは意味がない。 逆に、たまにしか連絡しなくても、心のこもったメッセージなら相手の心に響く。
「今日は疲れたでしょう、お疲れさま」 「あの映画の件、どうだった？」 「体調崩してないかな、心配してます」
こういった、相手のことを思いやる気持ちが伝わる連絡なら、頻度は関係ない。
相手のペースを観察する
適切な連絡頻度を見つけるには、相手のペースを観察することが大切。
どれくらいのスパンで連絡してくるか。 どの時間帯によく返信するか。 どんな内容の時に返信が早いか、遅いか。
でも、これは探偵のように監視するということではない。自然な関係の中で、相手の特徴を理解するということ。
自分の気持ちも大切に
相手に合わせることも大切だけれど、自分の気持ちも同じくらい大切。
連絡したいときは、素直にその気持ちを表現していい。 寂しいときは、「寂しい」と言っていい。 会いたいときは、「会いたい」と伝えていい。
ただし、相手の都合や気持ちも考慮しながら。一方的にならないように。
試行錯誤しながら見つける
適切な連絡頻度は、一度に見つかるものではない。お互いのことを知りながら、少しずつ調整していくもの。
最初は少し遠慮がちでもいい。 慣れてきたら、もう少し頻繁に連絡してみる。 相手の反応を見ながら、微調整する。
この過程も、関係を育んでいく大切な時間。完璧を求めずに、お互いを理解していく過程を楽しもう。
信頼関係があれば大丈夫
最終的に、連絡頻度で悩まなくなるのは、信頼関係ができたとき。
お互いを理解し、受け入れ合えるようになったとき、連絡頻度は自然と適切になる。
「この人は私を大切に思ってくれている」という信頼があれば、連絡が少し途絶えても不安にならない。
「この人は私のことを理解してくれている」という安心感があれば、素直に気持ちを表現できる。
今のあなたのペースで大丈夫
連絡頻度に悩んでいるということは、その人のことを大切に思っているということ。その気持ち自体が、とても素晴らしいこと。
完璧な連絡頻度なんて存在しない。大切なのは、相手を思いやる気持ちを持ちながら、自分らしさも忘れないこと。
今日も、あなたらしく、あなたのペースで。きっと相手にも、あなたの優しさは伝わっている。