本当の自分でいると、なぜか周りから浮いてしまう。
みんなが興味を持つ話題に、私はそれほど関心が持てない。みんなが楽しいと感じることに、私は心から楽しめない。みんなが当たり前だと思うことに、私は疑問を感じてしまう。
だから、自分らしくいると一人になってしまう。
でも、周りに合わせようとすると、今度は自分を見失ってしまう。
この矛盾に悩んでいるあなたへ
大学時代、私はこの矛盾に深く悩まされた。
コミュニケーション学を専攻していたにも関わらず、いや、だからこそ余計に、自分の「コミュニケーション不全」が気になって仕方なかった。
クラスメイトたちは効率よく友達を作り、グループを形成し、楽しそうに過ごしている。一方で私は、教科書で学んだ理論と現実のギャップに困惑し、うまく輪に入れずにいた。
「私が間違っているのだろうか」 「もっと努力すべきなのだろうか」 「普通になりたい」
そんなことを何度も考えた。
自分らしさの重さ
自分らしくいるということは、実はとても勇気のいることだと気づいた。
多数派に合わせることの方が、はるかに楽だ。話題を合わせ、笑うタイミングを合わせ、価値観を合わせる。そうすれば、とりあえず仲間はずれにはならない。
でも、そうやって作られた関係は、本当の意味でのつながりなのだろうか。
表面的な共通点だけでつながった関係は、どこか薄っぺらく感じる。本当の自分を隠しながら築いた友情は、いつか破綻してしまうような不安を抱える。
そして何より、自分を偽り続けることは、心をとても疲れさせる。
個性は罪ではない
私たちは知らず知らずのうちに、個性的であることを罪のように感じてしまうことがある。
「普通でない」ことが悪いことのように思えてしまう。でも本当は、一人ひとりが違うことこそが自然で、美しいこと。
あなたの感性、あなたの価値観、あなたの興味関心。それらはすべて、長い時間をかけて培われてきた、あなただけの宝物。
それを否定することは、自分自身を否定することと同じ。
少数派の孤独と強さ
確かに、少数派でいることは孤独だ。
周りと違う意見を持つこと、違う趣味を持つこと、違う価値観を持つこと。それらはときに、理解されない寂しさを感じさせる。
でも同時に、少数派でいることには特別な強さがある。
多数に流されない芯の強さ。 自分の判断を信じる勇気。 表面的な関係に満足しない深さを求める心。
これらは、決して弱さではない。むしろ、とても貴重な資質。
本当のつながりを求めて
自分らしくいることで一人になってしまうのは、実は悪いことではないかもしれない。
なぜなら、それは「本当のつながり」を求めているから。
表面的な関係で満足できないあなたは、きっと深いレベルでのつながりを求めている。お互いの本当の姿を受け入れ合える関係を。
そういう関係は確かに見つけにくい。でも、一度見つかったときの喜びは、何百の表面的な関係よりもずっと価値がある。
同じ悩みを持つ人たちがいる
実は、同じような悩みを抱えている人は、思っている以上にたくさんいる。
ただ、そういう人たちは目立たないところにいることが多い。グループの中心にいる人たちの陰で、静かに自分らしさを大切にしている人たち。
あなたと同じように、本当の自分でいることの大切さを知っている人たち。あなたと同じように、深いつながりを求めている人たち。
そういう人たちとの出会いは、確かに時間がかかるかもしれない。でも、必ずある。
一人の時間を大切にする
一人でいる時間を、寂しい時間だと思う必要はない。
その時間は、自分自身と向き合う貴重な時間。自分の本当の気持ちを確認し、自分の価値観を深め、自分らしさを育てる時間。
私も一人の時間が多かった時期がある。でもその時間があったからこそ、本をたくさん読み、映画をたくさん見て、自分なりの世界観を築くことができた。
そうやって培った内面の豊かさは、いつか必ず誰かの心に響く。
バランスを見つける
完全に自分らしくいることと、周りとの調和を保つこと。この両方を完璧にバランスさせる必要はない。
時には周りに合わせることも必要だし、時には自分らしさを貫くことも大切。
重要なのは、どちらも「選択」であるということ。状況に応じて、意識的に選び取ること。
そして、どんな選択をしたとしても、それを自分で責任を持つこと。
あなたらしさを待っている人がいる
自分らしくいることで一人になってしまうあなたへ。
その自分らしさこそが、誰かにとっては光になる。あなたの個性的な感性、あなたの深い思考、あなたの真摯な姿勢。
それらを理解し、大切にしてくれる人は、必ずいる。
時間はかかるかもしれない。でも、表面的な多くのつながりよりも、一つの深いつながりの方がずっと価値がある。
今日も自分らしく
今日も、自分らしくいることを恐れないで。
一人になったとしても、それはあなたが間違っているからではない。あなたが本当のつながりを求めているから。
そんな自分を誇りに思って、今日も自分らしく歩んでいこう。
あなたの自分らしさを愛してくれる人との出会いを信じて。