恋愛関係での自己主張ができない

恋愛関係での自己主張ができない

恋愛関係で自分の気持ちや意見を伝えることができず、いつも相手に合わせてしまう心理について

読了時間: 5分

「どこに行きたい?」と聞かれて、「どこでもいいよ」と答えてしまう。

本当はイタリアンが食べたかったのに、彼が中華を提案すると「それもいいね」と笑顔で応える。

映画の感想を求められても、「面白かったね」としか言えない。本当は複雑な気持ちだったのに。

恋愛関係になると、どうして自分の気持ちを素直に伝えられなくなってしまうのだろう。

嫌われるのが怖い

自己主張ができない理由の多くは、「嫌われたくない」という恐れから来ている。

特に恋愛関係では、その恐れはさらに強くなる。友達に嫌われるのも辛いけれど、好きな人に嫌われるのはもっと辛い。だから無意識のうちに、自分の本当の気持ちを隠してしまう。

でも考えてみてほしい。本当の自分を隠して築いた関係は、本当の関係と言えるのだろうか。

私も大学時代、ずっとこの問題に悩んでいた。コミュニケーション学で「アサーティブ・コミュニケーション」を学びながら、実際の恋愛ではそれが全くできない自分がいた。

「いい子」でいたい気持ち

多くの女性は、小さい頃から「いい子」であることを求められがち。

文句を言わず、わがままを言わず、相手のことを思いやる。それが女性らしさだと教えられることが多い。

でも恋愛関係で「いい子」でい続けることは、実は相手にとっても負担になることがある。本当の気持ちが分からないと、相手も困ってしまう。

「本当にそれでいいの?」「本当は何が食べたいの?」

そんな風に何度も確認されたことはないだろうか。それは相手が、あなたの本当の気持ちを知りたがっているサインかもしれない。

完璧な恋人でありたい願望

自己主張をしない背景には、「完璧な恋人でありたい」という願望もある。

相手の要求にすべて応え、いつも笑顔で、決して面倒をかけない。そんな理想的な恋人像を追い求めてしまう。

でも完璧な人間なんて存在しない。そして完璧な恋愛関係も存在しない。

時にはぶつかり合い、意見が違い、お互いの本音を伝え合う。そういう過程があってこそ、本当の信頼関係が築ける。

自分の気持ちがわからない

実は、自己主張ができない理由の一つに、「自分の気持ちがよくわからない」ということもある。

相手に合わせることに慣れすぎて、自分が本当は何を求めているのか、何を感じているのかが分からなくなってしまう。

「何が食べたい?」と聞かれても、本当に「どれでもいい」と感じてしまう。自分の欲求を感じ取る感覚が鈍ってしまっている。

これは決して珍しいことではない。多くの人が経験する感覚。

小さなステップから始めよう

いきなり大きな自己主張をする必要はない。まずは小さなことから始めてみよう。

「今日はカフェに行きたい気分」 「この曲、好きなんだ」 「少し疲れてるから、今度にしない?」

こんな小さな意見表明から始めてみる。きっと相手も、あなたの本当の気持ちを知ることができて嬉しいはず。

私も最初はとても勇気が必要だった。でも少しずつ練習していくうちに、自分の気持ちを伝えることが、関係をより良くすることに気づいた。

相手も安心する

実は、あなたが自己主張をすることで、相手も安心する。

いつも「どちらでもいい」と言われると、相手は責任を一人で背負うことになる。レストラン選びから、デートプランまで、すべて自分が決めなければならない。

でもあなたが「こっちがいい」「こうしたい」と言ってくれれば、相手も楽になる。そして何より、あなたの好みや価値観を知ることができて、より深いつながりを感じられる。

断ることも愛情表現

「NO」と言うことも、実は愛情表現の一つ。

本当は嫌なのに「YES」と言い続けていると、いつか限界が来る。そのときの爆発の方が、関係にとってダメージが大きい。

小さな「NO」を積み重ねることで、大きな破綻を防ぐことができる。

「今日は一人の時間が欲しい」 「その映画は苦手かも」 「今度は私の好きなお店に行きたい」

こんな風に、優しく、でもしっかりと自分の気持ちを伝えてみよう。

自分らしさを大切にする関係

本当に良い恋愛関係は、お互いが自分らしくいられる関係。

あなたが自分を偽って合わせている関係は、長続きしない。いつか疲れ果ててしまうから。

でも、お互いが本当の自分を出し合える関係は、時には大変でも、深い満足感がある。

練習が必要

自己主張は技術。だから練習が必要。

最初はうまくいかないかもしれない。言いたいことがうまく伝わらなかったり、相手を困らせてしまったり。

でも諦めないで。少しずつ上達していく。そして気づいたときには、自然に自分の気持ちを伝えられるようになっている。

あなたの気持ちは大切

あなたの気持ちは、相手の気持ちと同じくらい大切。

遠慮する必要はない。わがままを言っているわけではない。人間として当たり前の権利を使っているだけ。

今日から、少しずつでいい。自分の気持ちを大切にして、それを相手に伝えてみよう。

最初は怖いかもしれない。でもきっと、関係がより豊かになることに気づくはず。

あなたらしさを大切にできる関係こそが、本当の愛情に満ちた関係。そんな関係を築いていこう。