夜中にベッドで天井を見上げていると、ふと思う。
私の将来って、どうなるんだろう。
周りの友達は結婚したり、転職で成功したり、何かしら前に進んでいるように見える。でも私は、まるで霧の中にいるみたいに、自分がどこに向かっているのかが全然見えない。
このまま年を重ねていって、本当に大丈夫なのだろうか。
みんなは将来が見えているの?
SNSを見ていると、みんな自分の人生にとても確信を持っているように見える。
「5年後の目標」を語る人、「理想のライフプラン」を投稿する人、キラキラした将来設計を堂々と宣言する人。
でも本当に、みんなそんなにはっきりと将来が見えているのだろうか。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、面白いことを知った。人は他者に対して、実際よりもポジティブで確信に満ちた印象を与えようとする傾向があるということ。
つまり、表面上は自信満々に見える人も、内心では同じような不安を抱えているかもしれない。将来が見えないのは、決してあなただけではない。
将来が見えないのは悪いこと?
「将来が見えない」と聞くと、なんだかダメなことのように感じてしまう。
でも本当にそうだろうか。
将来が見えるということは、ある意味で可能性を限定することでもある。「こうなりたい」という明確なビジョンがあることは素晴らしいけれど、それ以外の可能性を見逃してしまうリスクもある。
将来が見えないということは、まだ多くの可能性が開かれているということ。これから出会う人、経験すること、学ぶこと、すべてが人生の方向を変える可能性を秘めている。
私も長い間、迷子だった
正直に言うと、私も長い間、自分の将来が全く見えなかった。
大学を卒業するとき、周りの同級生は明確な目標を持っているように見えた。でも私は、何がしたいのか、何になりたいのか、さっぱり分からなかった。
とりあえず就職したけれど、「これが本当に私のやりたいことなのか」という疑問はずっと心の中にあった。毎日が過ぎていくだけで、何のために働いているのか分からなくなることもあった。
でも今思えば、その迷いの時間も大切だった。いろいろなことを試して、いろいろな人に出会って、少しずつ自分らしい道を見つけていけた。
小さな「好き」を大切にしてみる
将来のビジョンが見えないときは、遠くを見ようとするのではなく、今の小さな「好き」に注目してみよう。
朝のコーヒーを飲む時間が好き。 本を読んでいるときの静かな時間が好き。 友達と他愛もない話をしているときが好き。 新しいカフェを見つけるのが好き。
こうした小さな「好き」が、実は将来への手がかりになる。今は点でしかない「好き」が、いつか線になり、面になり、あなたらしい人生の形を作っていく。
将来は作るものではなく、育てるもの
多くの人は、将来を「設計」しようとする。でも人生は建築物ではない。むしろ植物のように、少しずつ育てていくもの。
今日の小さな選択が、明日の自分を作る。 今週の小さな挑戦が、来月の可能性を広げる。 今月の小さな変化が、来年の景色を変える。
将来が見えないのは、まだ種を蒔いている段階だから。焦らずに、丁寧に、一つずつ育てていけばいい。
不安も大切な感情
将来への不安を感じることは、決して悪いことではない。
不安は、あなたが真剣に自分の人生と向き合っている証拠。現状に満足せず、より良い人生を求めている証拠。
その不安を否定するのではなく、「今の私は、未来への可能性を真剣に考えているんだ」と受け入れてみよう。
一人で抱え込まなくていい
将来への不安は、一人で抱え込む必要はない。
信頼できる友達や家族、時にはカウンセラーや先輩に相談してみよう。同じような経験をした人の話を聞くと、「みんな同じような道を通ってきたんだ」と安心できる。
私も長い間、「将来が見えない自分はダメなんだ」と一人で悩んでいた。でもいろいろな人と話すうちに、みんなそれぞれに迷いながら歩んできたことを知った。
今この瞬間も大切な将来の一部
将来のことばかり考えていると、今この瞬間を見失ってしまう。
でも今日のあなたの選択、今日のあなたの気持ち、今日のあなたの経験、すべてが将来のあなたを作っている。
将来が見えなくても、今日を大切に生きることはできる。今日を丁寧に過ごすことが、実は一番確実な未来への投資なのかもしれない。
あなたのペースで歩んでいい
みんなと同じペースで歩く必要はない。
早く答えを見つけられる人もいれば、ゆっくり時間をかけて見つける人もいる。どちらも正しい。
あなたはあなたのペースで、あなたらしい方法で、自分の道を見つけていけばいい。
将来は一つじゃない
最後に、大切なことを一つ。
将来は一つじゃない。人生には何度でも方向転換するチャンスがある。今決めた道が唯一の道ではない。
だから今、完璧な答えを見つけられなくても大丈夫。とりあえず一歩踏み出してみて、また考えればいい。歩きながら道を見つけていけばいい。
将来が見えない今のあなたも、きっと未来から振り返ったときには、大切な成長の時期だったと思えるはず。
焦らずに、自分を信じて、一歩ずつ歩んでいこう。