また同じパターンだった。
仲良くなって、楽しく話せるようになって、一緒にいる時間も増えて。でも気がつくと、いつの間にか「いい友達」のポジションに落ち着いている。
恋愛に発展することはない。
「なんで私はいつも友達止まりなんだろう」
そんな疑問が頭の中でぐるぐると回る。
安全な距離を保ってしまう
友達関係は、ある意味とても安全。
傷つくリスクが少ないし、拒絶される可能性も低い。お互いに適度な距離を保ちながら、心地よい関係を続けることができる。
でも、恋愛関係になるためには、その安全な距離を超える必要がある。もう一歩踏み込んで、リスクを取る必要がある。
私も長い間、この安全圏から出ることができなかった。傷つくのが怖くて、拒絶されるのが怖くて、いつも一歩手前で止まってしまう。
大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、人間関係には「親密さのレベル」があることを知った。表面的な会話から、少しずつ深いところまで自分をさらけ出していく段階的なプロセス。
でも私は、いつも途中で止まってしまっていた。
「いい人」でいることの安心感
友達として好かれることは、確実で安心感がある。
相手にとって負担にならない程度に優しくて、聞き上手で、いつも笑顔で。そうやって「いい人」でいれば、少なくとも嫌われることはない。
でも恋愛関係は、もっと複雑で、もっと不安定で、もっと情熱的なもの。時には感情的になったり、嫉妬したり、わがままを言ったり。そんな人間らしい一面も含めて愛し合うもの。
「いい人」のままでいては、そこまで踏み込むことはできない。
恋愛対象として見られない自分
なぜ恋愛対象として見てもらえないのだろう。
外見? 性格? それとも何か根本的に足りないものがあるのだろうか。
でも気づいたことがある。恋愛対象として見られるかどうかは、必ずしも外見や性格の良さだけで決まるわけではない。
むしろ、その人から発せられる「恋愛的な雰囲気」や「女性らしい魅力」、そして何より「恋愛をしたいという意思」が重要なのかもしれない。
私は長い間、無意識のうちに「友達でいよう」というメッセージを発していたのかもしれない。
感情を表に出すことの難しさ
友達関係では、感情をコントロールしやすい。
でも恋愛関係では、もっと生々しい感情が動く。好きという気持ち、寂しさ、不安、嫉妬、そして時には怒りも。
私は昔から感情を表に出すのが苦手だった。泣いているところを見られるのも恥ずかしいし、怒っている姿を見せるのも嫌だった。
でも、そうやって感情を隠し続けていては、相手にとって私は「安全で予測可能な存在」にしかならない。恋愛には、もう少しの不確実性やドキドキ感が必要なのかもしれない。
自分から壁を作ってしまう
実は、友達以上になれない一番の理由は、自分自身が壁を作ってしまうことかもしれない。
「どうせ私なんて」「恋愛なんてうまくいかない」「傷つくのは嫌」
そんな思いが心の奥にあって、無意識のうちに相手との距離を調整してしまう。近づきすぎないように、期待しすぎないように。
でも、その壁が相手にも伝わってしまう。「この人は恋愛を求めていない」「友達でいることを望んでいる」というメッセージとして。
タイミングという名の運命
恋愛は、タイミングがすべてということもある。
どんなに素敵な人でも、相手にすでに恋人がいたり、恋愛する気分ではなかったり、仕事が忙しすぎたり。様々な要因が重なって、友達関係に落ち着いてしまうことがある。
これは決してあなたに魅力がないからではない。単純に、恋愛に発展するタイミングではなかっただけ。
私も何度か、後になって「あの時、もう少しタイミングが違えば」と思うことがあった。
友達から始まる恋愛の可能性
でも、すべてが無駄だったわけではない。
友達関係から始まる恋愛もある。時間をかけてお互いを知り合い、信頼関係を築いてから、恋愛関係に発展することも。
友達期間があったからこそ、相手の本当の魅力を知ることができたし、自分の気持ちもゆっくりと確認することができた。
急いで恋愛関係になろうとして失敗するよりも、しっかりとした土台を築いてから発展する方が、長続きする関係になることもある。
少しだけ勇気を出してみる
もし友達関係から一歩進みたいと思うなら、少しだけ勇気を出してみよう。
いつもより少し長く目を合わせてみたり、軽くボディタッチをしてみたり、「今度二人で」と誘ってみたり。
小さな変化でも、相手に「もしかして?」と思わせることができるかもしれない。
でも、うまくいかなくても自分を責める必要はない。恋愛は一人でするものではないから。
友達関係の価値も認めよう
そして、友達関係にも大きな価値がある。
恋愛関係は終わってしまうことがあるけれど、友達関係は長く続くことが多い。人生の様々な場面で支え合い、共に成長していける存在。
恋愛だけが人間関係のゴールではない。友達として大切にしてくれる人がいることも、十分に幸せなこと。
あなたらしい恋愛のタイミング
焦る必要はない。
あなたにはあなたのペースがある。友達関係を大切にしながら、ゆっくりと相手を知り、自分の気持ちも確認していく。そんなあなたらしい恋愛の仕方があってもいい。
いつか、友達を超えた特別な関係を築ける人との出会いが待っている。その時まで、今の関係も大切にしながら、自分らしく歩んでいこう。
友達以上になれないのは、あなたに魅力がないからではない。ただ、まだその時ではないだけ。