友達といるときは普通に話せるのに、好きな人の前に立つと急に言葉が出てこなくなる。
いつものように笑えない。いつものように冗談も言えない。まるで別人になってしまったかのように、ぎこちない自分がそこにいる。
後で一人になって「なんであんな風になってしまうんだろう」と落ち込む。本当の私はもっと面白い人なのに、そのことを知ってもらえない。
完璧でいたい気持ち
好きな人の前では、いつも以上に「完璧でいたい」という気持ちが強くなる。
変なことを言って嫌われたくない。 つまらない人だと思われたくない。 恥ずかしい姿を見せたくない。
そんな思いが強すぎて、結果的にいつもの自分らしさを見失ってしまう。
私も大学時代、好きな先輩がいたとき、その人の前だけ急におとなしくなってしまった。普段は友達と笑い合っているのに、その人がいると急に静かになる。友達から「どうしたの?いつもと全然違う」と言われて、初めて気づいた。
本当はもっと楽しい会話がしたいのに、安全な話題しか選べない。本当はもっと自分の気持ちを伝えたいのに、当たり障りのない返事しかできない。
拒絶されることへの恐怖
自然体でいられない理由の一つは、「本当の自分を見せて嫌われたらどうしよう」という恐怖。
今の関係を壊したくない。せめて今の距離感は保ちたい。だから、少しでもリスクのありそうな自分の部分は隠してしまう。
でも考えてみて。その人が本当にあなたに合う人なら、あなたの自然体を受け入れてくれるはず。もし自然体のあなたを受け入れてくれないなら、その関係は最初から続かないもの。
私は長い間このことが理解できなかった。でも今なら分かる。本当の自分を隠し続けて築いた関係は、いつか必ず行き詰まる。
相手を特別視しすぎてしまう
好きな人を「特別な存在」として見すぎることも、自然体でいられない原因の一つ。
その人だけが違う、その人だけが特別、その人の前では完璧でいなければ。そんな風に思うほど、プレッシャーは大きくなる。
でも、その人も同じ人間。きっと失敗もするし、悩みもある。完璧ではないし、完璧な人を求めているわけでもない。
相手を神格化しすぎることで、自分を小さく見せてしまうことがある。
自分の価値を疑ってしまう
「こんな自分で本当に良いのだろうか」
好きな人の前にいると、そんな疑問が頭をもたげる。
もっと面白くて、もっと魅力的で、もっと完璧な人がたくさんいるのに、なぜ私なのか。そんな風に考えてしまう。
でも待って。その人があなたに興味を持ってくれたのは、今のあなたに何かしらの魅力を感じたから。完璧になったあなたではなく、今のあなたに。
自分の価値を疑う気持ちは分かる。でも、その疑いが自然体のあなたを隠してしまっては本末転倒。
失敗を恐れすぎない
自然体でいるということは、時には失敗することも含めて「自分らしくいる」ということ。
完璧な会話、完璧な笑顔、完璧な反応。そんなものを求めすぎると、かえって不自然になってしまう。
友達といるとき、あなたは完璧だろうか。きっと違う。時には変なことを言うし、時にはちょっと恥ずかしい失敗もする。でも、それも含めてあなたらしさ。
好きな人の前でも、同じで良い。
小さな一歩から始めよう
いきなり完全に自然体になるのは難しい。でも、少しずつなら変われる。
まずは、いつもの自分の小さな部分を見せることから。
好きな食べ物の話をしてみる。 最近見た映画の感想を言ってみる。 少しだけ、いつもの口調で話してみる。
そうやって少しずつ自分を開いていくうちに、相手もあなたの本当の魅力に気づいてくれる。
相手も緊張しているかもしれない
実は、相手もあなたと同じように緊張しているかもしれない。
あなたが「自然体でいられない」と思っているとき、相手も「何を話したらいいか分からない」と思っているかもしれない。
お互いに完璧でいようとしすぎて、ぎこちない会話になってしまうことがある。でも、どちらかが少し肩の力を抜くだけで、雰囲気は変わる。
あなたらしさこそが魅力
好きな人に見せたい自分と、本当のあなたは、実は同じはず。
友達が愛してくれるあなたらしさ、家族が大切に思ってくれるあなたらしさ。それこそが、あなたの真の魅力。
作った自分ではなく、ありのままの自分を愛してもらえたとき、その関係は本物になる。
今日から少しずつ
今度好きな人と話すとき、少しだけ意識してみて。
「完璧でいなければ」ではなく、「自分らしくいよう」と。
失敗してもいい。ちょっと恥ずかしい思いをしてもいい。それも含めて、あなたらしさ。
その自然体のあなたを愛してくれる人こそが、本当にあなたに合う人。
深呼吸をして、肩の力を抜いて。いつものあなたで、その人と向き合ってみよう。
きっと、今まで見えなかった新しい可能性が見えてくる。