ランチタイムになると、自然と始まる恋愛話。
「昨日彼とこんなことがあって」「この間の合コンでさ」「マッチングアプリで知り合った人が」
みんな楽しそうに話している。私も輪に入って聞いているけれど、何かコメントを求められると、いつも言葉に詰まってしまう。
「どう思う?」と振られても、経験がないから具体的なアドバイスができない。適当に相づちを打つだけで、だんだん会話の外に置いてかれていく感覚になる。
取り残される感覚
恋愛話が始まると、なんとなく疎外感を感じてしまう。
みんなが共有している「共通言語」に、私だけついていけない。彼氏の愚痴も、恋愛の悩みも、デートの話も、すべてが私には縁遠い世界の出来事に聞こえる。
「私の話つまらないよね、ごめん」なんて言われると、「そんなことないよ」と答えるけれど、心の中では「確かに分からない」と思ってしまう自分がいる。
そんな自分が嫌になる。友達の幸せを素直に喜べない自分が、情けなく感じる。
経験がないことの劣等感
大学でコミュニケーション学を学んでいた時、人間関係における「共通体験」の重要性について学んだ。共通の体験や経験があることで、人はより深いつながりを感じられる。
でも、恋愛経験が少ない私には、その「共通体験」が圧倒的に不足している。
「初デートの緊張感」も「付き合い始めのドキドキ感」も「カップルの些細な喧嘩」も、頭では理解できても、肌感覚では分からない。
その分からなさが、自分を余計に孤独にしているような気がする。
「普通」から外れている不安
「みんな恋愛してるのに、私だけしていない」
そんな思いが、友達の恋愛話を聞くたびに強くなる。
20代になれば恋愛するのが「普通」。恋人がいるのが「普通」。恋愛経験があるのが「普通」。
でも私は、その「普通」から外れている。それが恥ずかしくて、時には友達との時間が苦痛に感じることもある。
「私だけ子どもみたい」「私だけ置いてかれてる」
そんな気持ちが心の奥で渦巻いている。
聞き役に徹する辛さ
恋愛経験がないから、いつも聞き役に回る。
「うんうん、それで?」「大変だったね」「よかったじゃん」
そんな相づちと共感の言葉ばかり。時々、もっと具体的なアドバイスを求められると、「う〜ん、どうなんだろうね」と曖昧にごまかすしかない。
聞き役も大切な役割だと分かっている。でも時には、自分の経験談も話したい。自分の恋愛の悩みも相談したい。
でも、そんな話はない。だからいつも一方的に聞くばかりで、なんだか不平等な関係のような気がしてしまう。
友達を失うかもしれない恐怖
一番怖いのは、このままでは友達との距離が開いてしまうかもしれないということ。
恋愛話についていけない私と一緒にいても、つまらないだろう。もっと恋愛経験豊富で、有益なアドバイスをくれる人と一緒にいた方が楽しいだろう。
そんな風に考えると、今ある友情も失ってしまうのではないかと不安になる。
恋愛経験がないだけで、人間関係まで失うなんて、そんなのおかしいと思う。でも、実際にそうなってしまう可能性もあるような気がして、怖い。
でも、あなたには別の価値がある
恋愛話についていけないからといって、あなたの価値が下がるわけではない。
恋愛経験がない分、あなたには別の経験がある。本をたくさん読んでいるかもしれない。趣味に没頭しているかもしれない。仕事や勉強に集中しているかもしれない。
そして何より、恋愛経験がないからこそ持っている「客観的な視点」がある。恋愛に夢中になっていない分、冷静に物事を見ることができる。時にはそれが、友達にとって必要なアドバイスになることもある。
違う話題を提案してみる
恋愛話ばかりが友情ではない。
映画の話、本の話、仕事の話、将来の話、家族の話。話題はいくらでもある。
時には、あなたから別の話題を提案してみよう。「そういえばこの前見た映画が面白くて」「最近読んだ本でこんなことが書いてあって」
きっと友達も、恋愛話以外の話題を歓迎してくれる。そして、あなたの知識や経験に興味を持ってくれるかもしれない。
一人の時間を大切にする友達もいる
実は、友達の中にも恋愛話が苦手な人がいるかもしれない。
恋人がいても、恋愛話をあまりしたくない人。一人の時間を大切にしている人。恋愛以外のことに興味がある人。
そんな友達を見つけることができれば、もっと居心地の良い関係を築けるかもしれない。
あなたのペースで大丈夫
恋愛は急ぐものではない。
みんなが恋愛しているからといって、あなたも今すぐ恋愛しなければいけないわけではない。あなたのペースで、あなたのタイミングで、あなたらしい恋愛をすればいい。
そして、恋愛経験がない今の時期も、あなたの人生の大切な一部。無駄な時間ではない。
友情は恋愛話だけじゃない
本当の友情は、恋愛話についていけるかどうかで決まるものではない。
お互いを思いやり、支え合い、一緒に笑い合える。それが友情の本質。
恋愛経験の有無に関係なく、あなたを大切に思ってくれる友達は必ずいる。そして、あなたも友達を大切に思っている。それで十分。
今日も、あなたらしく友達との時間を過ごそう。恋愛話についていけなくても、あなたには他にも魅力がたくさんある。
その魅力を大切にして、自分らしい友情を育てていこう。