久しぶりに胸がときめく人に出会った。
仕事で知り合った人。何気ない会話の中で見せる笑顔が印象的で、話し方も穏やかで、一緒にいると不思議と安心する。
友達たちは恋愛の話をするとき、いつも盛り上がって相談し合っている。でも、今回はなぜか話す気になれない。
なぜだろう。この気持ちを、誰にも話したくない。
大切すぎて話せない
好きな人について友達に話せない理由の一つは、その気持ちが大切すぎるから。
軽い恋や一時的な憧れなら、気軽に友達に相談できる。でも、本当に心を動かされた人については、なぜか口にするのが躊躇われる。
まるで、言葉にした瞬間に何かが壊れてしまうような気がして。
私も大学時代、真剣に好きになった人がいた。友達たちが「誰か好きな人いる?」と聞いてきても、なぜかその人のことだけは話せなかった。他の軽い話題なら笑って話せるのに、本当に大切な気持ちは心の奥にしまい込んでしまった。
分析されたくない気持ち
友達に恋愛の話をすると、必ず「分析」が始まる。
「その人のどこが好きなの?」 「脈はありそう?」 「こうした方がいいんじゃない?」
きっと親切心からの言葉。でも、今回の気持ちは分析されたくない。理由を説明したくないし、戦略を練りたくもない。
ただ、この暖かい気持ちを静かに大切にしていたい。
否定されることへの恐れ
友達に話したとき、もしその人について否定的なことを言われたらどうしよう。
「え、あの人?」 「ちょっと地味じゃない?」 「あなたにはもっと良い人がいるよ」
たとえ善意からの言葉でも、今の私には受け入れがたい。この人を好きになった自分の気持ちを、誰かに判断してほしくない。
完璧でない関係性
もしかしたら、その人には既にパートナーがいるかもしれない。 もしかしたら、職場の人だから複雑な関係になってしまうかもしれない。 もしかしたら、年齢差があるかもしれない。
そんな「完璧でない」状況だからこそ、友達には話しづらい。正論で返されそうで、現実的なアドバイスをもらいそうで。
でも今は、現実的な判断よりも、この気持ちを大切にしていたい。
自分だけの秘密にしておきたい
誰にも話していない恋心には、特別な美しさがある。
朝起きてその人のことを思い浮かべる瞬間。 偶然メッセージが来たときの胸の高鳴り。 次に会えるのはいつだろうと考える夜。
これらの瞬間は、自分だけのもの。誰とも共有しない、純粋な気持ち。
友達に話してしまったら、この特別感が薄れてしまいそうで。
友達の反応が読めない
実は、友達がどんな反応をするか不安だったりもする。
冷やかされるのも嫌だし、心配されすぎるのも重い。「頑張って!」と応援されるのも、なんだかプレッシャーに感じてしまう。
この微妙な心境を、うまく言葉で説明できる自信もない。
自分のペースで進めたい
友達に話すと、どうしても進展を求められる気がする。
「今度いつ会うの?」 「連絡はマメにしてる?」 「告白はいつするつもり?」
でも、恋愛にはそれぞれのペースがある。今はただ、この人のことを想う時間を大切にしていたい。急ぐ必要も、結果を出す必要も感じていない。
内向的な恋愛スタイル
私のように内向的な人は、恋愛も内向的に進めることが多い。
外に向かってエネルギーを発散するのではなく、内側で静かに気持ちを育てていく。それが自然で、それが心地いい。
友達に話すことで外向的な恋愛スタイルに引きずられるよりも、自分らしいペースを大切にしたい。
大丈夫、一人で抱えていても
「恋愛は友達に相談するもの」という常識があるけれど、必ずしもそうする必要はない。
一人で静かに想いを育てる恋愛も、とても美しいもの。
その気持ちを大切にして、自分なりの方法でその人との関係を築いていけばいい。友達のアドバイスがなくても、あなたの直感と優しさがあれば十分。
もし話したくなったら
でも、もしいつか話したくなったら、それはそれで自然なこと。
気持ちが落ち着いてきたとき。 関係が進展したとき。 または、どうしても相談が必要だと感じたとき。
その時が来たら、きっと適切な友達を選んで、適切なタイミングで話すことができる。
今はそっと大切にしよう
好きな人ができても友達に話せない。それは決して恥ずかしいことでも、おかしいことでもない。
あなたがその気持ちを大切に思っているから。 あなたがその人を特別に思っているから。 あなたが自分らしい恋愛をしたいと思っているから。
今はそっと、心の奥でその気持ちを育てていこう。
一人で抱える恋心にも、きっと素敵な花が咲く日が来る。