「コミュニケーション能力を上げましょう」「もっと積極的になりましょう」「人見知りを克服しましょう」
恋愛本やセミナーでよく聞く言葉だけれど、正直なところ、すぐに性格を変えるなんて無理だと思わない?
私も大学でコミュニケーション学を専攻したけれど、理論を学んだからといって急に社交的になれるわけではなかった。むしろ、無理に変わろうとして疲れ果ててしまった経験がある。
だから今回は、あえて逆のアプローチ。対人スキルを無理に向上させず、今のあなたのままで恋人を作る戦略について考えてみたい。
前提:完璧なコミュニケーションなんて必要ない
まず大前提として、恋愛に完璧なコミュニケーション能力は必要ない。
もちろん、流暢に話せたり、場を盛り上げたりできれば便利かもしれない。でも、本当に大切なのは「心が通じ合う瞬間」があるかどうか。
その瞬間は、上手な会話から生まれるとは限らない。むしろ、ちょっと不器用な沈黙や、たどたどしい言葉の方が心に響くことだってある。
戦略1:得意分野で勝負する
誰にでも、自然に話せる分野がある。
本が好きなら本について、映画が好きなら映画について、料理が好きなら料理について。自分の興味のある分野なら、不思議と言葉が出てくるもの。
重要なのは、無理に幅広い話題に対応しようとしないこと。深く掘り下げられる分野を一つ持っている方が、薄く広い知識より魅力的だ。
私の友人で、とても人見知りな女性がいる。でも、動物の話になると目を輝かせて、とても魅力的に話す。彼女の彼氏は「彼女が動物について話しているときの表情に惹かれた」と言っていた。
戦略2:一対一の環境を選ぶ
グループでの会話が苦手なら、最初から一対一の環境を選ぼう。
マッチングアプリなら、最初からメッセージのやり取りで個人的な関係が始まる。共通の趣味のワークショップなら、自然と横に座った人と話すことになる。図書館やカフェでの偶然の出会いなら、大勢の中での競争がない。
大切なのは、自分が力を発揮しやすい環境を意識的に選ぶこと。苦手な環境で無理に頑張るより、得意な環境で自然に振る舞う方がずっと魅力的だ。
戦略3:聞き手に回る
話すのが苦手なら、聞き手に回ることを戦略にしよう。
実は、多くの人は「話を聞いてもらいたい」と思っている。上手に相づちを打ち、興味深そうに聞いてくれる人は、とても貴重な存在だ。
「すごいですね」「それでどうなったんですか?」「詳しく教えてください」
こんな簡単な言葉でも、相手は「この人は自分に興味を持ってくれている」と感じる。そして気づいたら、相手の方があなたに夢中になっている。
戦略4:オンラインを活用する
文字でのコミュニケーションが得意なら、それを最大限活用しよう。
マッチングアプリのメッセージ、SNSでの交流、オンラインゲームでの会話。直接顔を合わせる必要がない分、リラックスして自分らしさを表現できる。
文字なら、返事を考える時間もある。相手の表情を読む必要もない。自分のペースでコミュニケーションが取れる。
実際に会う前に、十分に相手のことを知り、相手にも自分のことを知ってもらえる。これは大きなアドバンテージだ。
戦略5:共通活動を通じた自然な接近
会話が苦手なら、一緒に何かをすることから始めよう。
料理教室、読書会、映画鑑賞、散歩、美術館巡り。共通の活動があれば、会話のネタに困ることがない。
しかも、相手との関係を深めるために特別な話術は必要ない。同じ体験を共有することで、自然と親密さが生まれる。
私自身、一番親しくなった人たちとの出会いは、みんな何かの活動を通じてだった。無理に話そうとしなくても、一緒に時間を過ごすうちに自然と心が通じ合った。
戦略6:時間をかけることを恐れない
対人スキルに自信がないなら、時間をかけて関係を築こう。
速攻で恋人関係になろうとせず、まずは友達から。相手のことをじっくり知り、自分のことも少しずつ知ってもらう。
このゆっくりとしたペースは、実は大きな強みになる。表面的な魅力ではなく、内面的な魅力で勝負できるから。
急いで関係を進展させようとする人が多い中で、じっくりと関係を育てる姿勢は、相手にとって安心感を与える。
戦略7:自分の特性を理解してもらう
無理に変わろうとせず、自分の特性を相手に理解してもらおう。
「私、人見知りなんです」「大勢だと緊張してしまって」「一対一の方が話しやすいんです」
こんな風に正直に伝えることで、相手も配慮してくれる。そして、そんなあなたの正直さに魅力を感じる人もいる。
完璧を演じようとして疲れ果てるより、等身大の自分を受け入れてくれる人と出会う方がずっと健全だ。
戦略8:少数精鋭のアプローチ
たくさんの人にアプローチするのではなく、少数の人と深く関わることを選ぼう。
量より質。広く浅い関係より、狭く深い関係。
対人スキルに自信がない人ほど、実は深い関係を築くのが得意だったりする。一人一人を大切に思う気持ちが、相手にも伝わる。
本当に大切なのは相性
最終的に、恋愛で一番大切なのは相性だ。
どんなに対人スキルが高くても、相性が悪ければ長続きしない。逆に、多少不器用でも、お互いを理解し合える関係なら、深い絆で結ばれる。
あなたの不器用さを可愛いと思ってくれる人、あなたの静かさを心地よく感じてくれる人、あなたのペースに合わせてくれる人。
そんな人との出会いを信じて、無理に自分を変えようとせず、今のあなたらしい方法で恋愛と向き合ってみて。
きっと、あなたの等身大の魅力に気づいてくれる人がいるから。