彼からの「好き」が聞こえない。でも、毎朝送ってくれるおはようメッセージがある。
私は言葉で愛を確認したい。でも彼は行動で愛を示すタイプかもしれない。
恋愛における愛情表現の違い。これほど小さくて、これほど大きな問題はないかもしれない。
言葉で愛を伝える人、行動で愛を示す人
私たちはそれぞれ、異なる方法で愛情を表現し、異なる方法で愛情を受け取る。
ある人は「愛してる」「大好き」という言葉をたくさん使う。電話やメッセージでも、愛の言葉を惜しみなく送る。
一方で、言葉は少ないけれど、体調を気遣ってくれたり、疲れているときにそっとお茶を淹れてくれたり、小さな行動で愛を示す人もいる。
どちらも愛情表現。でも、受け取る側が求めているものと違うと、「愛されていない」と感じてしまう。
私の場合
大学でコミュニケーション学を学んでいた私は、言葉の力を信じている。
「ちゃんと言葉にしてほしい」という気持ちが強い。心の中で思っているだけでは、相手には伝わらない。不安になってしまう。
でも同時に、人との関わりが苦手で内向的な私は、相手の小さな気遣いや優しさにとても敏感でもある。そっと差し出される温かいコーヒーに、言葉以上の愛を感じることもある。
きっと多くの人が、この両方の気持ちを持っているのではないだろうか。
違いを理解することの大切さ
愛情表現の違いを理解しないまま関係を続けると、お互いに不満が溜まっていく。
言葉を求める人は「なぜ愛してるって言ってくれないの?」と感じ、 行動で示す人は「こんなに色々してあげているのに、なぜ分かってくれないの?」と感じる。
でも、これは愛がないからではない。愛の表現方法が違うだけ。
相手の愛情表現のスタイルを理解し、受け入れることができれば、今まで見えなかった愛に気づくことができる。
5つの愛の言語
心理学者のゲイリー・チャップマンが提唱した「5つの愛の言語」という考え方がある。
- 肯定的な言葉 - 「愛してる」「大好き」といった言葉での表現
- クオリティタイム - 二人だけの時間を大切にすること
- 贈り物 - プレゼントや手紙などの形ある愛情表現
- サービス行為 - 相手のために何かをしてあげること
- 身体的なタッチ - ハグや手をつなぐなどのスキンシップ
人によって、どの言語が一番響くかは違う。自分がどのタイプかを知り、相手がどのタイプかを理解することで、愛情をより効果的に伝え合うことができる。
私が気づいたこと
以前付き合っていた人は、言葉での愛情表現が少ない人だった。
最初は不安だった。「本当に私のことが好きなのかな」と何度も悩んだ。
でも注意深く見ていると、彼なりの愛情表現があることに気づいた。
私が疲れているときは無言でマッサージをしてくれた。 私の好きな本を覚えていて、関連する本を見つけると教えてくれた。 私が風邪をひいたときは、仕事を早退してお粥を作りに来てくれた。
これらすべてが、彼なりの「愛してる」だった。
誤解から生まれるすれ違い
でも、理解するまでには時間がかかった。
何度も「愛してるって言ってほしい」と伝えた。 何度も「本当に私のことが好きなの?」と不安をぶつけた。
そのたびに彼は困った顔をして、「君のことが好きじゃなかったら、こんなにいろいろしない」と言った。
でも当時の私には、その「いろいろ」が愛情表現だということが分からなかった。言葉でないと、愛を実感できなかった。
相手のスタイルを受け入れる
愛情表現の違いを理解することは、相手を変えようとすることではない。
「もっと言葉で表現して」と求めることはできる。でも、それが相手の自然なスタイルでない場合、無理に変えさせようとすると関係がギクシャクしてしまう。
大切なのは、相手の愛情表現のスタイルを認めること。そして、自分のスタイルも大切にしながら、お互いが心地よい方法を見つけること。
自分のニーズを伝える
ただし、自分の気持ちを我慢する必要はない。
「言葉で愛を確認したい」という気持ちも、正当なニーズ。それを相手に優しく伝えることは大切。
「あなたがしてくれることはすべて愛情だと分かってる。でも時々、言葉でも聞きたくなる」
そんな風に、相手を否定せずに自分の気持ちを伝えてみる。
愛は多様で美しい
恋愛における愛情表現に、正解はない。
言葉で愛を伝える人も素敵。 行動で愛を示す人も素敵。 プレゼントで気持ちを表す人も素敵。 時間を共有することで愛を感じる人も素敵。
すべてが愛の形。すべてが美しい表現。
理解し合うための時間
もしかしたら今、あなたも愛情表現の違いで悩んでいるかもしれない。
「なぜ分かってくれないの?」という気持ちがあるかもしれない。
でも、時間をかけて相手を理解し、自分のことも理解してもらう。そのプロセス自体が、愛を深めることにつながる。
急がなくて大丈夫。完璧に理解し合わなくても大丈夫。
少しずつ、お互いの愛の言語を学んでいけばいい。
あなたの愛の言語は何ですか?
今日、少し時間を作って考えてみて。
あなたはどんな風に愛を表現するのが得意? どんな風に愛情を受け取ると嬉しい?
そして、大切な人の愛の言語は何だろう?
その答えが見つかったとき、きっと今よりもっと深い愛を感じられるようになる。
愛は、理解から始まる。そして理解は、気づくことから始まる。