友達の恋愛話を聞いていて、時々感じる違和感がある。
「彼に従ってる方が楽」「男性に頼ってもらえると嬉しい」「追いかけられるより追いかける方が好き」
そんな話を聞くたび、心の中で小さく首を振ってしまう。
私は恋愛関係での上下関係が、どうしても苦手だ。
対等でいたいという願い
恋愛において、私が一番大切にしたいのは「対等性」。
お互いが尊重し合い、意見を言い合い、時には議論もし、でも最終的には一緒に答えを見つけていく。そんな関係が理想だった。
でも現実の恋愛を見渡すと、どこかに「上下関係」が存在することが多い。
「男性が女性をリードする」 「女性は男性を立てるべき」 「追う側と追われる側」 「守る側と守られる側」
こうした役割分担に、なんとなく息苦しさを感じてしまう。
なぜ上下関係が生まれるのか
大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、人間関係における権力構造について深く考える機会があった。
恋愛関係でも、無意識のうちに権力バランスが生まれやすい。それは社会的な役割期待だったり、経済力の差だったり、恋愛経験の差だったり。
でも私には、それがどうしても不自然に感じられた。好きになった相手とは、友達のように対等でありたい。上司と部下のような関係ではなく。
「甘えること」への複雑な気持ち
よく言われる「女性は甘えた方がモテる」という言葉。
確かにそうかもしれない。でも、甘えることで得られる愛情は、本当の意味での愛情なのだろうか。
私が求めているのは、弱さを演出することで得られる保護ではなく、ありのままの自分を受け入れてもらえる安心感。
頼りにされたいし、頼りにもしたい。でもそれは、一方的な依存関係ではなく、お互いが支え合う相互関係であってほしい。
追いかけることも追いかけられることも
「恋愛は駆け引き」という言葉も、どうしても馴染めない。
追いかけたり追いかけられたり、上に立ったり下に立ったり。そうした恋愛ゲームの中で、本当の自分を見失ってしまいそうになる。
好きな人には素直に「好き」と言いたいし、相手からも素直な気持ちを聞きたい。計算や戦略ではなく、純粋な感情でつながりたい。
でも、そうした率直さが「つまらない」と思われてしまうこともある。駆け引きのない恋愛は、物足りないのだろうか。
経済力と恋愛の関係
特に複雑に感じるのは、経済力と恋愛の関係。
「男性が払うべき」「女性は養われるもの」といった価値観に、違和感を覚える。
もちろん、相手に感謝の気持ちは持ちたい。でも、それが当然の義務として期待されると、対等な関係ではなくなってしまう。
自分の分は自分で払いたいし、時には相手の分も払いたい。それが自然な関係だと思うのだけれど、そうした考えが「可愛げがない」と捉えられることもある。
意見の対立を恐れない関係
私が理想とする関係は、意見が違っても大丈夫な関係。
お互いの考えを尊重し合いながら、時には激しく議論もできる。そうして一緒に成長していける関係。
でも、多くの恋愛関係では「和を乱すような発言は避ける」「相手に合わせる」ことが美徳とされがち。
私には、それがとても窮屈に感じられる。好きな人だからこそ、本音で話し合いたい。表面的な調和よりも、深い理解を求めたい。
一人でいることの選択
こうした価値観を持っていると、恋愛関係を築くのが難しくなることもある。
「めんどくさい女性」と思われたり、「扱いにくい」と敬遠されたり。
でも、自分の価値観を曲げてまで恋愛をする必要があるのだろうか。
一人でいる方が、少なくとも自分らしくいられる。誰かに合わせて疲れることもないし、自分の意見を飲み込む必要もない。
同じ価値観の人との出会い
でも最近、気づいたことがある。
私と同じように、対等な関係を求めている人も少なからずいるということ。
上下関係に疲れた人、駆け引きにうんざりした人、本音で話し合える関係を求めている人。
そうした人との出会いは稀かもしれない。でも、きっとどこかにいる。
自分らしい恋愛の形
恋愛に「正しい形」なんてない。
上下関係を好む人もいれば、対等性を重視する人もいる。どちらも正しくて、どちらも間違いではない。
大切なのは、自分がどんな関係を求めているかを知ること。そして、それを妥協しないこと。
私は今でも、対等で率直で、お互いを尊重し合える関係を理想としている。時間がかかっても、そうした関係を築ける人と出会いたい。
一人の時間を大切にしながら
理想の関係が見つかるまで、一人の時間を大切にしよう。
自分の価値観を深め、考えを整理し、本当に大切なものを見極める時間。
そうやって自分自身を大切にしていれば、きっと同じように自分を大切にしてくれる人との出会いが待っている。
上下関係の恋愛が苦手なあなたへ。
あなたの価値観は間違っていない。対等な関係を求めることは、わがままでも理想主義でもない。
あなたらしい恋愛の形を、諦めないでほしい。