また、がっかりしてしまった。
LINEの返信が遅いだけで不安になり、デートの提案がないだけで愛されていないような気がして、ちょっとした言葉の選び方で一喜一憂してしまう。
「私、相手に期待しすぎているのかな」
そんな自分に気づいて、また自己嫌悪に陥る。
期待してしまう自分を責めないで
まず、相手に期待してしまう自分を責める必要はない。
期待するということは、その人を大切に思っている証拠。真剣に向き合おうとしている証拠。そして何より、愛したい、愛されたいという純粋な気持ちの表れ。
でも、その期待が自分や相手を苦しめてしまうなら、少し見つめ直してみる必要があるかもしれない。
私も昔、恋愛で相手に過度な期待を寄せてしまうことがよくあった。大学でコミュニケーション学を学んでいたのに、いざ恋愛となると理論なんて何の役にも立たなかった。
期待の正体を探ってみる
なぜ私たちは相手に期待しすぎてしまうのだろう。
一つは、映画や小説、ドラマで描かれる「理想の恋愛」の影響。いつも連絡を取り合い、いつも相手のことを考え、いつもロマンチックで。そんな恋愛が「普通」だと思い込んでしまう。
でも現実の恋愛は、もっと地味で、もっと日常的で、もっと不完全なもの。
もう一つは、自分の価値を相手の行動で測ってしまうこと。「愛されているかどうか」を、相手の反応やレスポンスで判断してしまう。
でも本当は、愛されているかどうかは、もっと深いところにあるもの。
期待の裏にある不安
期待の裏には、しばしば不安が隠れている。
「もしかして私のことを好きじゃないのかも」 「もしかして他に気になる人がいるのかも」 「もしかして私は十分じゃないのかも」
そんな不安を打ち消すために、相手からの「愛されている証拠」を求めてしまう。頻繁な連絡、優先的な扱い、特別感のある行動。
でも、いくら証拠を集めても、不安の根本が解決されない限り、きっとまた新しい不安が生まれてしまう。
期待と現実のギャップ
恋愛の期待が高すぎると、現実とのギャップに苦しむことになる。
「もっと頻繁に連絡してほしい」 「もっとサプライズしてほしい」 「もっと私のことを理解してほしい」
でも相手は、あなたとは違う人。違う価値観を持ち、違う愛情表現をし、違うペースで関係を築いていく人。
その違いを「愛情の不足」と解釈してしまうと、お互いが苦しくなってしまう。
自分の愛し方を押し付けていないか
私が一番反省したのは、自分の愛し方を相手に押し付けていたこと。
私は言葉で愛情を表現するのが好きだから、相手にもそれを求めてしまった。私は頻繁に連絡を取るのが好きだから、相手にもそれを期待してしまった。
でも、ある人は行動で愛情を示すかもしれない。ある人は静かに見守ることで愛情を表現するかもしれない。
相手の愛し方を理解せずに、自分の基準だけで判断してしまうのは、とても寂しいこと。
期待をコントロールする方法
期待をゼロにする必要はない。でも、健全な期待と過度な期待の違いを知ることは大切。
健全な期待は「この人となら、きっと幸せになれる」という希望。 過度な期待は「この人は私の理想通りに行動すべき」という要求。
健全な期待は相手の成長を願うもの。 過度な期待は相手の変化を強要するもの。
まずは、自分の期待がどちらなのかを見極めてみよう。
相手の愛し方を観察してみる
相手があなたをどのように愛しているか、よく観察してみよう。
あなたが期待する形とは違うかもしれないけれど、きっと何らかの方法で愛情を示してくれているはず。
小さな気遣い、何気ない優しさ、あなたのことを覚えていてくれること、時間を作ってくれること。
そうした小さなサインに気づけるようになると、期待と現実のギャップが少しずつ埋まっていく。
自分で自分を満たすこと
一番大切なのは、相手に愛情を求める前に、まず自分で自分を愛すること。
自分の価値を相手の行動で測るのではなく、自分自身で認めてあげること。一人でいても充実している自分、一人でも幸せな自分を育てること。
そうやって心が満たされていると、相手に対する期待も自然と健全なものになっていく。
期待ではなく信頼を育てよう
期待は「〜してほしい」という願い。 信頼は「〜してくれるだろう」という安心感。
期待は相手をコントロールしようとするもの。 信頼は相手を受け入れるもの。
時間をかけて、期待から信頼へと気持ちをシフトしていこう。相手のペースを尊重し、相手の愛し方を理解し、相手の価値観を受け入れること。
完璧じゃない恋愛の美しさ
期待通りにいかない恋愛も、それはそれで美しい。
お互いの違いを知り、すれ違いを乗り越え、理解し合っていく過程こそが、本当の愛情を育ててくれる。
完璧な恋愛なんて、きっとどこにもない。でも、不完全だからこそ、お互いを大切にしようと思える。支え合おうと思える。
期待しすぎてしまう自分も、そのままの相手も、すべて含めて大切な恋愛。
今日は少しだけ、期待を手放して、目の前にある小さな愛情に目を向けてみよう。きっと新しい発見があるはず。