恋愛相談される度に感じる疎外感

恋愛相談される度に感じる疎外感

恋人がいない立場で恋愛相談を受ける時の複雑な気持ちと疎外感について

読了時間: 4分

また恋愛相談のメッセージが届いた。

「聞いて聞いて、昨日彼と喧嘩しちゃって…」 「どう思う?この返事の仕方で大丈夫かな?」 「あなたって冷静だから、客観的な意見が聞きたくて」

友達の恋愛話を聞くたび、複雑な気持ちが心の中でぐるぐると回る。嬉しいような、寂しいような、そして時には取り残されたような気持ち。

相談される理由への複雑さ

恋愛相談をされる理由を考えてみる。

「冷静だから」「客観的だから」「しっかりしているから」

確かにそうかもしれない。でも、その裏には「恋愛経験が少ないから」「当事者じゃないから」という意味も込められているような気がして。

私が大学でコミュニケーション学を学んでいた時、興味深いことに気づいた。相談される人は、必ずしもその分野の専門家ではない。むしろ「安全な距離にいる人」が選ばれることが多い。

恋愛相談も同じ。恋愛真っ最中の友達に相談するより、恋愛から少し距離のある人の方が話しやすい。でも、相談される側としては少し寂しい立ち位置だなと感じることもある。

聞き上手という孤独

「あなたって本当に聞き上手だよね」

そう言われるたび、嬉しい反面、どこか寂しくなる。

聞き上手になったのは、自分の話をする機会が少なかったから。相手の気持ちを理解するのが得意になったのは、自分が理解されない経験を重ねてきたから。

でも、それを友達に伝えることはできない。「私だって恋愛したい」「私だって相談したいことがある」なんて言えば、せっかく信頼してくれている関係が壊れてしまうかもしれない。

だから今日も、笑顔で相談に乗る。でも心の奥では、小さな疎外感が積み重なっていく。

恋愛話の輪から外れる瞬間

グループで集まったとき、話題が恋愛に向かうと、自然と聞き役に回ってしまう。

みんなが自分の恋愛体験や恋人の話で盛り上がる中、私はただうなずいて、相槌を打って、時々質問をして。

「○○ちゃんはどう?最近いい人いないの?」

そう聞かれるたび、「いないよ〜」と笑ってごまかす。でも本当は、その質問自体が少し辛い。まるで恋人がいることが当たり前で、いないことが特異な状況のように感じられて。

理想の恋愛アドバイザーという役割

不思議なもので、恋愛経験が少ない私の方が、時として的確なアドバイスができることがある。

当事者ではないからこそ見える客観性。感情に巻き込まれないからこそ気づける盲点。本や映画で学んだ知識を、冷静に応用できる利点。

でも、そのアドバイスが功を奏するたび、自分の立ち位置がより明確になる。私は「恋愛を客観視する人」であって、「恋愛を体験する人」ではないのだと。

相談される自分への複雑な愛情

それでも、友達が私に相談してくれることは嬉しい。

信頼されているということ。頼りにされているということ。私の意見に価値を感じてくれるということ。

そして何より、友達の幸せを一緒に考えることで、私自身も恋愛について学んでいる。間接的ではあるけれど、様々なパターンの恋愛を疑似体験している。

だから、この疎外感は贅沢な悩みなのかもしれない。

一人でいることの特権

でも時々思う。恋愛相談をされる立場だからこそ見えるものがあるということを。

恋愛中の人には見えない、第三者だからこその視点。冷静さ。客観性。

そして何より、自分自身と向き合う時間の豊富さ。本を読み、映画を見て、自分の価値観を深める時間。それらすべてが、いつか自分の恋愛にも活かされるはず。

疎外感を受け入れる

この疎外感を否定する必要はない。感じてもいいし、時には辛くてもいい。

でも、その気持ちを友達にぶつける必要もない。彼女たちは悪気があるわけではない。むしろ、私を信頼しているからこそ相談してくれる。

疎外感は、今の自分の立ち位置を教えてくれるサイン。そして、いつか自分も相談する側に回りたいという願いの表れでもある。

いつか相談する側になる日

今は相談される側だけれど、いつか私も相談する側になる日が来るかもしれない。

その時、今の経験がきっと活かされる。たくさんの恋愛パターンを見てきた経験。様々な悩みに触れてきた知識。そして何より、相談される側の気持ちを知っていること。

だから今日も、友達の恋愛相談に耳を傾けよう。疎外感を感じながらも、でも温かい気持ちで。

あなたの価値は恋愛だけじゃない

恋愛相談をされるあなたは、決して「恋愛から外れた人」ではない。

むしろ、信頼される人格を持った、価値ある存在。あなたの冷静さや優しさ、洞察力は、恋愛以外の場面でもきっと多くの人を助けている。

疎外感を感じてもいい。でも、自分の価値を見失わないで。

あなたにはあなたのペースがある。あなたにはあなたのタイミングがある。

今日も、あなたらしく、周りの人を支えながら、自分自身も大切にしていこう。