また今日も、休憩時間になると一人でスマホを見ている。
周りではグループができて、楽しそうな会話が聞こえてくる。私も混ざりたいような、でも入っていけないような。そんな微妙な距離感で、いつも端っこにいる。
これは大学の時から変わらない。いや、もっと前から、きっと。
どこにいても「なんとなく浮いてしまう」この感覚に、もう慣れてしまった。
みんなと何かが違う
明確に嫌われているわけじゃない。仲間外れにされているわけでもない。でも、なんとなく話題についていけなかったり、ノリが合わなかったり、タイミングがずれたり。
大学の時は、みんなが好きなアーティストを知らなかった。職場では、みんなが見ているドラマの話についていけない。ランチの時間も、なぜかいつも一歩遅れている。
私だけ違う世界にいるような、そんな感覚。
コミュニケーション学を専攻していた時、「集団力学」という授業があった。人がどうやってグループを形成し、どうやって所属感を得るのかを学んだ。理論的には理解できる。でも、実際にその「輪」に入るのは、今でも難しい。
頑張って合わせることの疲れ
みんなに合わせようとして、無理に明るく振る舞ったこともある。
流行りの話題を調べて、共通点を見つけようとした。みんなが笑っているタイミングで一緒に笑って、興味のないことにも「いいね」と言ってみた。
でも、そうやって作った「自分」は、どこか嘘っぽくて疲れてしまう。家に帰ると、どっと疲れが出る。本当の自分を隠しているような罪悪感もある。
そして結局、その演技も長くは続かない。いつの間にか元の自分に戻って、また浮いてしまう。
浮いてしまう理由
なぜ浮いてしまうのか、考えたことがある。
もしかしたら、私は少し古い価値観を持っているのかもしれない。本を読むのが好きで、一人の時間を大切にして、深く考えることを好む。そういう性格が、現代的な軽やかさとは合わないのかも。
あるいは、私が求めているつながりの深さが、一般的なものと違うのかもしれない。表面的な会話よりも、もっと本質的な話がしたい。でも、そういう機会はなかなかない。
繊細すぎるのかもしれない。みんなが気にしないようなことを気にしすぎて、結果的に行動が遅れてしまう。
でも、浮いているのは悪いことじゃない
長い間、この「浮いている」感覚を欠点だと思っていた。直さなければいけないものだと。
でも最近、少し考えが変わった。
浮いているということは、みんなとは違う視点を持っているということ。独自の価値観や感性を持っているということ。それは、実はとても貴重なこと。
みんなが同じ方向を向いているとき、違う角度から物事を見ることができる。みんなが見落としていることに気づくことができる。
私が浮いているのは、私がつまらない人間だからではない。私が、一般的な「型」にはまらない個性を持っているから。
同じような人は必ずいる
この世界には、私と同じように「浮いている」人がたくさんいる。
大勢の中では目立たないけれど、深く考える人。表面的な関係よりも、本質的なつながりを求める人。人に合わせるより、自分らしくいたい人。
そういう人たちは、案外近くにいるかもしれない。ただ、お互いに目立たないから、なかなか見つけられないだけ。
私も大学時代、図書館でよく見かける人がいた。いつも一人で、分厚い本を読んでいる。話したことはなかったけれど、なんとなく親近感を覚えていた。今思えば、その人も私と同じような感覚を持っていたのかもしれない。
少数でも深い関係
無理にたくさんの人と関わろうとしなくてもいい。
浮いてしまう私たちには、大勢のグループよりも、少数でも深い関係の方が合っている。本当に理解し合える一人や二人がいれば、それで十分。
表面的な「友達」が100人いるより、本当の自分を受け入れてくれる人が一人いる方が、ずっと価値がある。
一人の時間を大切にする
そして、一人の時間を罪悪感なく楽しもう。
みんなでワイワイするのも楽しいけれど、一人で本を読んだり、映画を見たり、散歩したりする時間も、同じように価値がある。
その時間があるからこそ、私たちは自分らしさを保てる。内面を豊かにできる。そして、いつか本当に大切な人と出会ったとき、深いつながりを築くことができる。
浮いている自分を受け入れる
もう、みんなに合わせようとして疲れるのはやめよう。
浮いている自分も、私の一部。それを恥じることはない。
職場で一人でランチを食べていても、大学で端っこにいても、それは私らしい過ごし方。無理に変える必要はない。
そうやって自分らしくいることで、きっと同じような感性を持った人との出会いが生まれる。表面的な関係では得られない、本当の意味でのつながりが。
あなたはあなたのままで大丈夫
もし今、同じような気持ちを抱えているなら、知ってほしい。
あなたが浮いてしまうのは、あなたがダメだからじゃない。あなたが特別だから。
みんなに合わせることができないのは、あなたが自分らしさを大切にしているから。
その個性を失わないで。その感性を大切にして。
あなたらしくいることで、きっと本当に大切な人との出会いが待っている。
今日も、自分らしく過ごそう。浮いていても、それがあなたの居場所。