「恋愛しないの?」という質問に、どう答えたらいいのかわからない。
別に恋愛を否定しているわけではない。でも今、特に誰かに恋愛感情を抱いていない。そして、それを問題だと思っていない。
むしろ、この状態だからこそ見えてくる世界がある。感じられる自由がある。
恋愛感情がないことは欠陥ではない
社会は私たちに「恋愛するのが当たり前」だと教える。恋愛映画、恋愛小説、恋愛バラエティ。すべてが恋愛を人生の中心に置いている。
だから恋愛感情がないと、まるで自分に何か足りないものがあるような気がしてしまう。
でも、恋愛感情がないことは決して欠陥ではない。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、人間関係には様々な形があることを知った。友情、家族愛、師弟関係、同志愛。恋愛はその中の一つの形でしかない。
恋愛感情がない人もいれば、一時的に恋愛から距離を置きたい人もいる。それは個性であり、生き方の選択肢の一つ。
心の平穏という贈り物
恋愛感情がないとき、心は驚くほど穏やかだ。
好きな人のことで頭がいっぱいになることもない。相手の気持ちを読み取ろうとしてドキドキすることもない。返事が来ないことで不安になることもない。
この平穏は、とても貴重なもの。
恋愛中の友達を見ていると、感情のジェットコースターに乗っているようで、時には羨ましく、時には大変そうに見える。一方で私は、いつも同じペースで自分の人生を歩んでいける。
自分だけの時間を大切にできる
恋愛していると、どうしても相手のことを考える時間が増える。デートの予定を立てたり、相手に合わせたりする時間も必要になる。
でも今の私には、すべての時間が自分のもの。
読みたい本を読み、見たい映画を見て、行きたい場所に行く。誰かに合わせる必要がないから、本当に自分が興味のあることに集中できる。
先週末も、一人で美術館を回って、カフェで本を読んで、夜は好きな音楽を聞きながらぼんやりしていた。誰にも邪魔されない、純粋に自分だけの時間。これがどれほど贅沢なことか。
友情をより深く育めること
恋愛感情がないからこそ、友達との関係をより大切にできる。
恋人がいると、どうしても友達との時間が減ってしまう。でも私は、友達一人一人との関係に十分な時間とエネルギーを注げる。
大学時代の友達とも、今でも定期的に会って深い話をする。お互いの悩みを聞いたり、将来の夢を語り合ったり。恋愛話だけでなく、もっと広いテーマで心を通わせることができる。
友情もまた、人生を豊かにしてくれる大切な関係の一つ。
自分自身と向き合う時間
恋愛感情がないとき、私たちは自分自身とより深く向き合うことができる。
恋愛中は、どうしても相手を基準に自分を考えてしまいがち。「彼はどう思うだろう」「彼女に好かれるためには」といった思考パターンに陥りやすい。
でも今は、純粋に「私はどう思うか」「私は何をしたいか」を考えられる。
自分の価値観、興味、目標。これらをじっくりと探求する時間がある。そうやって自分を深く知ることで、将来的にはより良い人間関係を築けるようになるかもしれない。
経済的な自由
恋愛にはお金がかかる。デート代、プレゼント代、身だしなみ代。これらの出費がないことで、経済的な自由も得られる。
浮いたお金で、本当に欲しかった本を買ったり、興味のある講座を受講したり、将来のために貯金したり。自分の成長や将来の安心のために使える。
物質的な豊かさよりも大切なものがあることは確かだけれど、経済的な余裕があることで選択肢が広がるのも事実。
社会の期待から自由になる
「いい年なんだから恋人くらい作りなさい」 「結婚はまだ?」 「一人だと寂しくない?」
こういった社会の期待やプレッシャーから、少しずつ自由になれる。
最初は周りの視線が気になったり、自分が間違っているのかと不安になったりもした。でも徐々に、自分の人生は自分が決めるものだという確信を持てるようになった。
社会の「普通」に合わせる必要はない。自分らしい生き方を選ぶ勇気を持てることも、この状態がくれた贈り物の一つ。
将来への可能性を開いておける
恋愛感情がないからといって、一生恋愛しないと決めているわけではない。
ただ今は、その必要性を感じていないだけ。もしかしたら将来、心から惹かれる人に出会うかもしれない。その時は、その時で考えればいい。
今無理に恋愛感情を作り出そうとしたり、「恋愛すべき」というプレッシャーに屈したりする必要はない。自然な流れに任せていればいい。
他者への優しさが育まれる
恋愛感情がない状態でいると、不思議と他者への優しさが育まれる。
恋愛中の友達の話を、嫉妬や比較なしに純粋に聞いてあげられる。悩んでいる人がいれば、恋愛感情という色眼鏡なしに客観的なアドバイスができる。
また、同じように恋愛に関心がない人たちの気持ちもよく理解できる。社会的なマイノリティの気持ちに寄り添えるようになる。
今この瞬間を大切に
恋愛感情がないことを、問題として捉える必要はない。
それは一つの状態であり、その状態だからこそ得られる自由や気づきがある。
もちろん、恋愛にも素晴らしい面がある。でも恋愛だけが人生の全てではない。今のあなたの状態にも、十分な価値と意味がある。
周りに合わせる必要はない。自分のペースで、自分らしく生きていこう。
恋愛感情がない今だからこそ味わえる自由を、存分に楽しもう。そしてこの時間に得た経験や気づきは、きっと将来のあなたの財産になる。
あなたの人生は、あなたのもの。誰かの期待に応える必要はない。今のあなたのままで、十分に素晴らしい。