長年の友達に恋愛相談をしたとき、予想していなかった反応が返ってきた。
その瞬間、今まで見えていなかった友達の一面を知ることになった。そして、その発見は少し悲しかった。
恋愛相談という、心を開いて話す場面だからこそ、人の本性が見えてしまうことがある。
「そんな人やめた方がいいよ」の冷たさ
彼のことが好きだと打ち明けたとき、友達は即座に言った。
「そんな人やめた方がいいよ。もっといい人いるって」
相手の情報をほとんど聞かずに、写真を一瞬見ただけで下した判断だった。
私が期待していたのは、もう少し私の気持ちを理解しようとしてくれる反応だった。なぜその人を好きになったのか、どんなところに魅力を感じるのか、そんなことを聞いてもらいたかった。
でも友達は、まるでダメな商品を手に取った私に「それ買わない方がいいよ」と言うような、そんな冷たい調子だった。
上から目線のアドバイス
「あなたにはもったいないよ」「もっと自分を大切にして」
一見優しい言葉に聞こえるけれど、その奥に隠れているのは上から目線だった。
私の恋愛感情を、まるで間違った選択であるかのように扱う。私の判断力を信用せず、私よりも自分の方が正しい判断ができると思っている。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、こんなことを習った。真の支援とは、相手の立場に立って考えることから始まる。相手の選択を尊重し、その上で必要であれば助言する。
でも友達は、私の気持ちを理解しようとする前に、自分の価値観で判断を下していた。
嫉妬が垣間見える瞬間
もっと驚いたのは、友達の言葉の端々に嫉妬のような感情が見えたことだった。
「私だったらそんな人選ばない」「なんでそんな人がいいの?」
まるで、私が自分より良い選択をすることが許せないような口調。または、私が恋愛で幸せになることを、心から喜んでいないような雰囲気。
友達だと思っていた人が、実は私の幸せを素直に応援できない人だったと気づいた瞬間は、とても複雑な気持ちだった。
他人事としての扱い
恋愛相談をエンターテイメントのように楽しんでいる友達もいた。
真剣に悩んでいる私の話を聞きながら、まるでドラマを見るような感覚で「面白い」と感じている。
「次はどうなるの?」「今度はどんな展開?」
私の恋愛を、自分には関係のない物語として消費している。私の気持ちの浮き沈みが、友達にとってはただの娯楽だった。
マウンティングの道具
一番悲しかったのは、私の恋愛の悩みをマウンティングの道具にされたとき。
「私の彼氏は違うけどね」「私はそんな悩み持ったことないなぁ」
私が弱っているときに、自分の方が恋愛上手だとアピールする。私の不安を利用して、自分の優位性を確認しようとする。
そんな友達を見て、今まで見えていなかった競争心の存在に気づいた。友達だと思っていたけれど、実は常に私と競争していたのかもしれない。
秘密を軽く扱われる
恋愛相談で話した内容を、他の人にあっさりと話されたこともある。
「内緒にして」と言ったにも関わらず、「みんなには言わないけど、○○ちゃんにだけは話しちゃった」と後から聞かされた。
私の信頼を簡単に裏切る軽さ。そして、それを悪いことだと思っていない感覚。
友達にとって、私の秘密はそれほど大切なものではなかったのだと知った。
本当の友達の見分け方
でも、すべての友達がそうだったわけではない。
本当に私のことを思ってくれる友達は、まず私の気持ちを聞いてくれた。判断を急がず、私がなぜその人を好きになったのかを理解しようとしてくれた。
そして、アドバイスをするときも、私の価値観を尊重した上で、優しく伝えてくれた。
恋愛相談を通して、本当の友達と、そうでない友達の違いがはっきりと見えた。
人間関係の複雑さ
友達の本性が見えたからといって、その人を完全に嫌いになったわけではない。
人間は複雑で、良い面も悪い面も持っている。その友達も、普段は優しくて面白くて、一緒にいて楽しい人だった。
ただ、恋愛という特別な話題になったとき、隠れていた一面が表れただけ。
距離感の調整
それでも、この発見は私たちの関係に影響を与えた。
恋愛のことは話さないようになったし、深い悩みも相談しなくなった。表面的な関係は続いているけれど、以前のような心の距離感はなくなった。
これは悲しいことではあるけれど、必要な調整だったと思う。相手を知ることで、適切な距離感を保てるようになった。
自分自身への問いかけ
友達の本性に気づいたとき、自分自身にも問いかけてみた。
私は友達が恋愛相談をしてきたとき、どんな反応をしているだろう。相手の気持ちを理解しようとしているだろうか。上から目線になっていないだろうか。嫉妬していないだろうか。
人の本性を見たからこそ、自分の行動も振り返る良い機会になった。
新しい友達関係の構築
この経験を通して、どんな友達と深い関係を築きたいかがより明確になった。
お互いの幸せを心から喜び合える人。 相手の選択を尊重できる人。 秘密を大切にしてくれる人。 競争心ではなく、支え合う気持ちを持っている人。
そんな人との出会いを大切にしたいと思うようになった。
恋愛相談の新しいスタンス
今では、恋愛相談をする相手をより慎重に選ぶようになった。
すべての友達に何でも話す必要はない。相手の性格や価値観を考慮して、適切な人に適切なレベルで相談する。
そして、相談する前に、自分なりの答えを持っておくことも大切だと学んだ。他人の意見に振り回されるのではなく、最終的には自分で決断する。
恋愛相談で友達の本性が見えたのは、確かに少し悲しい体験だった。でも、その分、本当に大切な友達の存在がより明確になった。
人間関係は複雑で、完璧な人なんていない。でもだからこそ、お互いを理解し、支え合える関係を築いていきたい。