相手の良いところを見つけるのが得意

友達に相談すると、いつも同じことを言われる。

「あなたって、どんな人のことも良く言うよね」

確かにその通りかもしれない。人と話していると、自然とその人の素敵なところが目に飛び込んでくる。優しい笑顔、丁寧な話し方、小さな気遣い。そういうところに、つい心が動いてしまう。

でも時々、この自分の性格が恋愛において複雑な気持ちを生むことがある。

良いところが見えすぎてしまう

人の良いところを見つけるのが得意。それは確かに素敵な特質だと思う。

でも恋愛においては、時としてそれが悩みの種になることもある。ちょっと優しくされただけで、「この人っていい人かも」と思ってしまう。何気ない会話の中で相手の思いやりを感じると、心がときめいてしまう。

大学時代、コミュニケーション学を学んでいた私は、人間関係における「ポジティブバイアス」という概念を知った。人は好意を持った相手の良い面ばかりを見る傾向がある、というもの。

でも私の場合は少し違う。好きになる前から、その人の良いところが見えてしまう。そして、そこから恋愛感情が芽生えることが多い。

良いところを見つけるのが得意だからこそ、時々苦しくなることがある。

相手のほんの一部の良い面を見て、「きっとこの人はこんな人だろう」と想像を膨らませてしまう。でも実際により深く知ると、想像していた理想と現実にギャップを感じることもある。

それは相手が悪いわけではない。私が勝手に期待しすぎてしまっただけ。でも、そのギャップに戸惑ってしまう自分がいる。

相手の良いところが見えると、その人を傷つけたくないという気持ちが強くなる。

だから、本当はそれほど興味がなくても、断るのが難しくなってしまう。「せっかく優しくしてくれているのに」「こんなに良い人なのに」と思うと、曖昧な態度を取ってしまうことがある。

でもそれは、相手にとっても自分にとっても良いことではない。中途半端な優しさは、時として相手をもっと傷つけてしまうこともある。

この性格の困ったところは、多くの人が「良い人」に見えてしまうこと。

友達から「あの人どう思う？」と聞かれても、つい良いところばかり答えてしまう。本当に警戒すべき人に対しても、「でも優しいところもあるし」と言ってしまう。

これは時として、自分の身を守れない原因にもなる。人を疑うことが苦手で、騙されやすいところもある。

でも、人の良いところを見つけられることは、本当に美しい特質だと思う。

この世界には、人の欠点ばかりを指摘する人、批判ばかりする人もいる。そんな中で、誰かの良いところを見つけて、それを認められるあなたの存在は、とても貴重。

あなたに良いところを見つけてもらった人は、きっと自信を持てたり、自分を好きになれたりしているはず。それは、あなたが誰かに与えている素晴らしいギフト。

ただ、恋愛においては少しバランスを取ることも必要。

相手の良いところを見ることは大切。でも、現実も見ることも同じくらい大切。

理想化しすぎず、でも否定的になりすぎず。相手の全体像を見ようとする努力が、より健全な関係につながる。

相手の良いところを見つけるのが上手なあなたは、きっと優しい人。でも、その優しさで自分の気持ちを押し殺してしまわないで。

「この人は良い人だから」という理由だけで無理に好きになろうとしたり、嫌な気持ちを我慢したりする必要はない。

あなたの気持ちも、同じくらい大切で尊重されるべきもの。

あなたのように人の良いところを見つけられる人には、きっと同じような優しさを持った人との出会いが待っている。

あなたの良いところを見つけてくれて、あなたの優しさを理解してくれて、あなたらしさを大切にしてくれる人。

そういう人との関係では、お互いの良いところを見つけ合い、支え合い、一緒に成長していける。一方的に与えるのではなく、お互いに与え合える関係。

でも、その日が来るまで、あなたの優しさを守ってほしい。

傷つくことを恐れて人を見る目を曇らせる必要はない。でも、自分を大切にすることも忘れないで。

あなたの「相手の良いところを見つける才能」は、この世界をより美しくする特別な力。その力を大切に育てながら、同時に自分自身も大切にしてほしい。

今日もまた、誰かの良いところを見つけてしまうかもしれない。

それでいい。あなたらしい優しい目で、世界を見続けてほしい。

ただ、その優しさに甘えて傷つけようとする人もいることを心に留めて。あなたの優しさを当然のものとして受け取るのではなく、感謝してくれる人を大切にして。

あなたの良いところを見つける才能が、いつかあなた自身の幸せにつながりますように。

そして、あなたの良いところをたくさん見つけてくれる人との出会いがありますように。