また今日も、嘘をついてしまった。
「休日は友達とおしゃれなカフェ巡りをしてる」なんて言ったけれど、実際は一人で家にいることが多い。本を読んだり、動画を見たり、ぼーっと過ごしたり。
なんで素直に言えないんだろう。
好きな人の前では、いつもより少し背伸びをした自分を演じてしまう。そんな自分が嫌で、でもやめられなくて。
なぜ見栄を張ってしまうのか
恋愛で見栄を張ってしまうのは、きっと相手に好かれたいから。
ありのままの自分を見せて嫌われるくらいなら、少しでも魅力的に見える自分を演じていたい。そんな気持ちが、いつの間にか小さな嘘を積み重ねさせてしまう。
私も大学時代、好きな人に自分をよく見せようと必死だった。コミュニケーション学を学んでいることを自慢げに話したり、読んでもいない本の話をしたり。今思えば、なんて浅はかだったんだろうと思う。
でも当時の私には、それしか方法が思い浮かばなかった。本当の自分では不十分だと思い込んでいた。
「普通」へのプレッシャー
見栄を張る理由の一つは、「普通」でありたいという気持ち。
みんながしているような恋愛を、みんながしているようなデートを、みんながしているような会話を。そうでなければ、相手にがっかりされてしまうような気がする。
でも「普通」って、一体何だろう。
SNSで見る華やかなデート写真? 雑誌に載っているようなおしゃれなライフスタイル? 映画のような romantic な恋愛?
それらはすべて、誰かが作り上げた「理想」であって、現実ではない。現実の恋愛は、もっと地味で、もっと日常的で、もっと不完全なもの。
疲れてしまう偽りの自分
見栄を張り続けるのは、本当に疲れる。
いつも相手の反応を気にして、次に何を言うべきかを計算して、ボロが出ないように気をつけて。本来楽しいはずのデートも、演技の場になってしまう。
そして何より辛いのは、相手が好きになってくれたとしても、それは本当の自分ではないということ。偽りの自分を愛されても、心から喜べない。
私も以前、背伸びした自分を演じて付き合った人がいた。でも常に「本当の自分がバレたら嫌われる」という不安がつきまとって、心から関係を楽しむことができなかった。
見栄の正体は不安
見栄を張ってしまう根本的な理由は、不安だと思う。
「本当の自分では愛されない」という不安。 「普通じゃない自分は受け入れられない」という不安。 「相手に見捨てられてしまう」という不安。
でも、その不安は本当に正しいのだろうか。
本当の自分を知らない人に愛されることと、本当の自分を知った上で愛されることの、どちらが価値があるだろう。答えは明白だと思う。
小さな真実から始めよう
いきなり全てをさらけ出す必要はない。でも、少しずつ本当の自分を見せていこう。
「実は家でゴロゴロするのが好き」 「そんなに詳しくないけれど、興味はある」 「よくわからないから、教えて」
こんな小さな真実から始めればいい。完璧でない自分、知らないことがある自分、弱い部分のある自分。それらも含めて、あなたらしさ。
私が学んだのは、人は完璧な人に惹かれるのではなく、人間らしい人に惹かれるということ。少し不器用で、少し抜けていて、時には弱音を吐く。そんな人間らしさこそが、本当の魅力なのかもしれない。
拒絶されることへの覚悟
もちろん、本当の自分を見せたときに、相手が離れていく可能性もある。
でも、それは決して悪いことではない。本当の自分を受け入れてくれない人との関係は、長続きしない。早めにわかって良かった、と思うようにしよう。
本当の自分を愛してくれる人は、必ずいる。その人との出会いのために、偽りの関係で時間を無駄にするのはもったいない。
自分を好きになることから
見栄を張ってしまうのは、自分に自信がないから。
だから、まず自分を好きになろう。自分の良いところを見つけて、認めてあげよう。
内向的な性格も、一人の時間を大切にすることも、慎重すぎるところも、すべてあなたの個性。誰かの価値観に合わせて変える必要はない。
私も長い間、自分の内向的な性格を恥じていた。でも今は、それがあるからこそ深く考えることができるし、人の気持ちに寄り添えるのだと思っている。
見栄を張る自分も受け入れよう
そして、見栄を張ってしまう自分も、責めすぎないでほしい。
それは、相手を大切に思っているからこその行動。少しでも良く見られたい、嫌われたくないという気持ちの表れ。その気持ち自体は、とても純粋で美しいもの。
ただ、方法を少し変えてみよう。偽りの自分を演じるのではなく、本当の自分の良いところを伝える方法を考えてみよう。
時間をかけて関係を築こう
急いで相手に気に入られようとしなくていい。
恋愛は短距離走ではなく、マラソン。最初のスプリントで息切れしてしまうより、自分のペースで長く走り続ける方が大切。
少しずつ自分を知ってもらい、少しずつ相手を知っていく。そうやって築いた関係の方が、きっと深くて強い絆になる。
見栄を張ってしまう自分を嫌わないで。その気持ちも含めて、あなたらしさ。
大切なのは、本当の自分で愛される勇気を持つこと。時間がかかってもいい、少しずつでいい。
今日から、小さな真実を一つずつ伝えていこう。