「勉強ばっかりしてないで、もっと恋愛しなさい」
大学時代、母からよく言われた言葉だった。でも当時の私は、勉強が楽しくて、将来への希望に満ちていて、恋愛は「いつかできるもの」だと思っていた。
まさかその「勉強」が、後に恋愛の障壁になるとは思ってもみなかった。
学歴が作り出す見えない壁
高学歴であることは、本来誇るべきことのはず。努力の証であり、知的好奇心の表れであり、将来への投資でもある。
でも恋愛の場では、時としてそれが重荷になる。
「頭の良い女性は苦手」と言う男性は少なくない。威圧感を感じるのだろうか、それとも劣等感を刺激するのだろうか。いずれにしても、学歴を隠したり、わざと知らないふりをしたりする場面が増えていく。
本当の自分を隠さなければならない恋愛に、どんな意味があるのだろう。
選択肢の狭まり
私がコミュニケーション学を専攻していた頃、統計的な事実を知って愕然とした。
多くの男性は、自分と同等か、それより低い学歴の女性を選ぶ傾向がある。一方女性は、自分と同等か、それより高い学歴の男性を選ぶ傾向がある。
つまり、高学歴女性の選択肢は、数学的に狭くなる。
この現実を知ったとき、なんとも言えない気持ちになった。頑張って勉強することが、将来のパートナー候補を減らすことになるなんて。
期待値の高さという呪縛
高学歴な女性は、往々にして完璧主義者である場合が多い。
勉強でも仕事でも高い基準を設定し、それを達成してきた。だから恋愛においても、つい同じような基準を適用してしまう。
相手への期待も高くなる。知的な会話ができて、将来性があって、価値観が合って…。そうやって条件を積み重ねていくうちに、現実的な出会いの機会を逃してしまう。
でも、これは決して贅沢を言っているわけではない。自分が努力してきた分、相手にも同じような向上心や誠実さを求めるのは自然なことだと思う。
社会からの複雑な視線
「高学歴なのに結婚できない」
そんな言葉を浴びせられることがある。まるで学歴が結婚の障害であるかのように。
でも考えてみてほしい。男性が高学歴であることで結婚を揶揄されることはない。むしろ「良い条件」として評価される。この差は一体何なのだろう。
女性の学歴に対する社会の複雑な感情が、恋愛市場にも影を落としている。高学歴女性は「扱いにくい」「プライドが高い」「仕事優先」といったステレオタイプに悩まされる。
キャリアとの両立への不安
高学歴女性の多くは、キャリアへの意識も高い。せっかく積み上げてきた学歴や経験を、恋愛や結婚で手放したくない。
でも現実には、まだまだ「家庭に入る」ことを期待される場面が多い。キャリアを続けたいと言えば「仕事ばっかり」と批判され、家庭を優先すると言えば「もったいない」と言われる。
どちらを選んでも批判される状況で、恋愛に前向きになるのは難しい。
一人でも充実している現実
高学歴女性は、往々にして一人の時間を有効活用できる。
読書、研究、趣味、友人との知的な会話。経済的にも精神的にも自立している場合が多く、「誰かがいないと生きていけない」という状況ではない。
だからこそ、中途半端な関係に妥協する必要を感じない。これは強さでもあり、時として孤独の原因にもなる。
知性を愛してくれる人を待っている
でも、私たちが求めているのは決して高い条件ではない。
ただ、自分の知性を尊重してくれる人。一緒に成長していける人。お互いを高め合える関係。
学歴を隠す必要がない関係。仕事の話も、学んだことの話も、自然にできる関係。そんなパートナーを見つけるのは、確かに時間がかかるかもしれない。
自分を偽らない勇気
長い間、私は自分の学歴や知識を隠すことがあった。相手を威圧しないように、馬鹿だと思われないように、可愛く見えるように。
でも最近気づいた。本当の自分を隠している関係に、未来はない。
今は、自分の学歴や専門分野について、自然に話すようにしている。それで離れていく人もいる。でも、それを受け入れてくれる人もいる。
後者との関係の方が、はるかに深くて豊かだ。
学歴は武器であり、魅力でもある
高学歴であることを恥じる必要はない。
あなたの知性は、努力の結果であり、魅力の一部でもある。それを理解してくれない人は、きっとあなたにふさわしい人ではない。
確かに選択肢は狭くなるかもしれない。出会いの機会は少ないかもしれない。でも、質の高い関係を築ける可能性は、むしろ高いはず。
同じような悩みを抱える仲間がいる
高学歴女性の恋愛の悩みは、一人で抱え込まなくていい。
同じような経験をしている女性たちが、たくさんいる。お互いに支え合い、理解し合うことで、孤独感は和らぐ。
そして何より、あなたの知性を愛してくれる人が、どこかにきっといる。その人との出会いを信じて、自分らしさを大切にしていこう。
学歴は恋愛の障害ではない。ただ、相手を選ぶ基準が少し厳しくなるだけ。そして、それは決して悪いことではない。
あなたの努力と知性を尊重してくれる人との出会いを、焦らずに待っていよう。その価値は、きっとある。