夜中にベッドで考えることがある。
もし誰かを好きになったら、もし誰かが私を好きになってくれたら、この「ひきこもり」という状況を理解してもらえるだろうか。
外に出ることが辛くて、人と会うのが怖くて、社会から距離を置いている自分。そんな自分でも、愛してもらえるのだろうか。
理解されることへの不安
「ひきこもり」という言葉には、どうしても偏見がつきまとう。
「怠けている」「甘えている」「努力していない」
そんな風に思われるのではないかという恐怖が、心の奥にずっとある。
でも、実際にひきこもりを経験している私たちは知っている。それがどれほど辛いことか、どれほど複雑な事情があるのかを。
私も大学を卒業してから、しばらく外に出ることができない時期があった。コミュニケーション学を学んでいたのに、皮肉にも人との関わりが最も困難になっていた。
その時の自分を理解してくれる人なんて、いるのだろうかとよく考えていた。
理解してくれる人は存在する
でも、時間をかけて気づいたことがある。
世界には、思っている以上に理解力のある人がいる。表面的な状況だけで判断せず、その人の内面や事情を汲み取ろうとしてくれる人が。
特に、自分自身も何らかの困難を経験したことがある人は、他者の痛みに敏感なことが多い。完璧に見える人よりも、何かしらの挫折や迷いを経験した人の方が、むしろ理解を示してくれる場合がある。
ひきこもりの理由を知ってもらう
大切なのは、なぜひきこもりになったのか、その理由や経緯を相手に伝えること。
人それぞれ、ひきこもりになる背景は違う。
- 学校や職場でのいじめや人間関係のトラブル
- 病気や体調不良
- 家族の問題
- 社会への不適応感
- 過度なストレスや燃え尽き症候群
理由が分かれば、相手も「なるほど、そういう事情があったのか」と理解しやすくなる。
あなたの良さは変わらない
ひきこもりという状況にあっても、あなたの本質的な良さは何も変わらない。
優しさ、思いやり、感受性の豊かさ、物事を深く考える力、一人の時間を有効活用する能力。これらはすべて、あなたの魅力の一部。
ひきこもりの期間に、本を読んだり、何かを学んだり、創作活動をしたり、自分と向き合ったりしてきたなら、それらはすべてあなたを豊かにしている。
段階的に関係を築く
いきなりすべてを打ち明ける必要はない。
まずはオンラインでの関係から始めることもできる。チャットやメッセージでのやり取りを通じて、お互いの人柄を知り合う。
その過程で、少しずつ自分の状況について話していけばいい。相手があなたの人間性を理解してからなら、状況についても受け入れてもらいやすくなる。
完璧である必要はない
恋愛において、完璧である必要はない。
むしろ、何らかの困難や課題を抱えている人の方が、人間らしくて魅力的に感じられることもある。
私も、自分の弱さや不完全さを隠そうとしていた時期があった。でも、それでは本当のつながりは生まれない。ありのままの自分を受け入れてくれる人との関係こそが、真に価値のあるもの。
理解し合える関係の築き方
相手に理解してもらうためには、まず自分が相手を理解しようとする姿勢が大切。
相手の話をじっくり聞き、相手の気持ちや立場を考える。そうやって互いに理解し合おうとする関係性を築けば、自分の状況についても話しやすくなる。
支え合える関係性
ひきこもりであることは、確かに恋愛において課題になることもある。
でも、それを「支え合うべき課題」として捉えてくれる人もいる。お互いの困難を共有し、支え合い、一緒に乗り越えていこうとする関係性。
そんな関係を築ければ、ひきこもりという状況も、二人の絆を深める要素になるかもしれない。
自分を受け入れることから
相手に理解してもらう前に、まず自分がひきこもりである自分を受け入れることが大切。
自分を恥じていたり、自分を責めていたりすると、それが相手にも伝わってしまう。
でも、「これが今の私の状況です。完璧ではないけれど、一生懸命生きています」と自然に言えるようになれば、相手も自然に受け入れてくれる可能性が高まる。
時間をかけて関係を育む
急ぐ必要はない。
真に理解し合える関係は、時間をかけて育むもの。最初は理解してもらえなくても、時間と共に相手の心が変わることもある。
逆に、最初から受け入れてくれない人は、きっとあなたにとって本当に大切な人ではない。
あなたを理解してくれる人は必ずいる
世界は広い。そして人の価値観は多様。
ひきこもりという状況を理解し、受け入れ、むしろそんなあなたを愛しく思ってくれる人は、必ずどこかにいる。
その人との出会いを信じて、まずは自分らしく生きていこう。自分を大切にし、できる範囲で人とのつながりを求めていこう。
希望を持ち続けて
ひきこもりでも、恋愛相手に理解してもらうことは可能。
それは決して簡単なことではないかもしれない。時間もかかるかもしれない。でも、不可能ではない。
あなたの優しさや深さを理解してくれる人との出会いを信じて、希望を持ち続けてほしい。
そして、その日が来るまで、自分自身を大切に育て続けていこう。