「ひきこもり」という言葉を自分に当てはめるとき、心の中で小さく縮こまってしまう。まるで自分に何かレッテルを貼られたような、そんな気持ちになる。
でも、ひきこもりであることと、恋愛したい気持ちを持つことは、決して矛盾しない。
むしろ、外の世界から距離を置いているからこそ見えてくる、本当の自分の気持ちがある。
ひきこもりは恥ずべきことではない
まず、最初に伝えたいこと。
ひきこもりであることは、恥ずべきことではない。社会がそう思わせようとするかもしれないけれど、それは社会の偏見。あなた自身の価値とは何の関係もない。
私も大学を卒業してから、しばらく外の世界との接点を断った時期があった。就職活動がうまくいかず、人間関係に疲れて、気がつけば部屋にこもる日々が続いていた。
その時、周りからは「社会復帰しなければ」というプレッシャーを感じていた。でも今思えば、あの時間があったからこそ、本当の自分と向き合うことができた。
ひきこもりだからこそ培われるもの
外の世界から離れている時間は、決して無駄ではない。
一人でいる時間が長いからこそ、深く考える力が身につく。本を読み、映画を見て、音楽を聴いて、自分の感性を磨いている。世間の雑音に惑わされず、純粋な気持ちで物事を感じられる。
これらはすべて、恋愛においても大切な要素。相手の気持ちを理解する共感力、一人の時間も大切にできる自立心、表面的でない深いつながりを求める心。
ひきこもっているからこそ育つ、内面の豊かさがある。
恋愛への憧れを認めよう
「ひきこもりなのに恋愛なんて」と思わないで。
人を好きになる気持ちは、どんな状況にいても自然に湧いてくるもの。それを否定する必要はない。むしろ、その気持ちがあることは、あなたの心がまだ生きている証拠。
私がひきこもっていた時期にも、ドラマの登場人物に恋をしたり、小説の主人公に憧れたり、街で見かけた人にときめいたりしていた。その時は「現実的じゃない」と自分を責めていたけれど、今思えばそれらすべてが恋愛への準備だった。
理想の恋愛像を描く時間があったからこそ、本当に大切にしたい関係について深く考えることができた。
完璧になってから恋愛するという幻想
「外に出られるようになったら」「人と普通に話せるようになったら」「社会復帰したら」
そんな条件をクリアしてから恋愛しようと思っていませんか？
でも、恋愛に「完璧な準備」なんてない。どんな人でも不完全で、みんな何かしらの悩みや問題を抱えている。
あなたがひきこもりであることも、その一つに過ぎない。それが恋愛の妨げになるとは限らない。むしろ、その部分も含めて理解してくれる人との出会いの方が、深いつながりを生むかもしれない。
ありのままの自分を受け入れる
自己受容の第一歩は、今の自分をそのまま認めること。
「ひきこもりの私」も、「恋愛したい私」も、どちらも本当のあなた。その矛盾や複雑さも含めて、あなたらしさ。
完璧な人なんてこの世にいない。みんな何かしらの問題や悩みを抱えながら、それでも誰かを愛し、愛されている。
あなたも同じ。今の状況がどうであれ、愛し、愛される価値がある。
小さな自信を積み重ねる
自己受容は一朝一夕にはできない。でも、小さな積み重ねから始められる。
今日、好きな本を読んで心が動いたなら、「感性豊かな私」を認めてあげよう。 今日、家族とうまく話せたなら、「コミュニケーション能力のある私」を認めてあげよう。 今日、一人の時間を有意義に過ごせたなら、「自立した私」を認めてあげよう。
そうやって小さな自信を積み重ねていくことで、少しずつ自分を好きになれる。そして自分を好きになれた人は、他人からも愛されやすくなる。
オンラインから始める恋愛もある
現代は、出会いの形も多様化している。
直接会わなくても、オンラインで深いつながりを築くことができる。同じ趣味を持つ人とのコミュニティ、読書好き同士のサークル、ゲーム仲間。
最初は友達から始まって、少しずつ特別な関係に発展することもある。ひきこもりであることが、必ずしも恋愛の障害になるわけではない。
あなたのペースで進もう
社会は「早く外に出なさい」「普通になりなさい」と急かすかもしれない。でも、あなたにはあなたのペースがある。
恋愛も同じ。急ぐ必要はない。今は自分と向き合う時期かもしれないし、内面を豊かにする時期かもしれない。その時間があるからこそ、いつか出会う人との関係をより深いものにできる。
ひきこもりのあなたも愛される
「こんな私を好きになってくれる人なんているのかな」
そう思うこともあるでしょう。でも、答えは「いる」です。
この世界には、あなたの繊細さを理解してくれる人がいる。あなたの一人の時間を尊重してくれる人がいる。あなたの内面の豊かさに気づいてくれる人がいる。
そして何より、ひきこもりであることも含めて、ありのままのあなたを愛してくれる人がいる。
今日から始める自己受容
自己受容は、特別なことではない。今日から始められる。
鏡を見て、「今日もお疲れさま」と自分に声をかけてみる。 好きなことをしている時の自分を、「素敵だな」と認めてみる。 ひきこもりの自分も、恋愛したい自分も、「どちらも私らしい」と受け入れてみる。
小さな一歩から。あなたのペースで。
ひきこもりであるあなたも、恋愛する権利がある。愛される価値がある。そのままのあなたで、十分に魅力的。
今日という日を、そんな自分として大切に過ごしていこう。