また今夜も、ベッドの中で天井を見上げながら考えてしまう。
彼と一緒に住んだら、朝はどんな風に過ごすだろう。一緒に朝食を食べて、「いってらっしゃい」「いってきます」を交わして。休日は手をつないで散歩して、一緒に買い物をして。
気がつくと、まだ付き合ってもいない彼との将来を、鮮明に想像している自分がいる。
想像してしまう自分を責めないで
「まだ付き合ってもいないのに」 「相手がどう思っているかも分からないのに」 「現実的じゃない」
そんな風に自分を責めてしまうことはない?
私も昔、そうだった。好きな人との将来を想像している自分が恥ずかしくて、みじめで、現実逃避しているだけのように感じていた。
でも、大学でコミュニケーション学を学んでいるとき、興味深いことを知った。人間は「想像」によって感情を豊かにし、未来への希望を育む生き物だということ。
想像することは、決して悪いことじゃない。それは人間らしい、とても自然な感情の表れ。
想像は愛情の証
好きな人との将来を想像してしまうのは、その人をどれだけ大切に思っているかの証拠。
相手のことを考える時間が多いということは、それだけ心を占めているということ。一緒にいる未来を描けるということは、その人と深いつながりを求めているということ。
これは美しい感情だと思う。
純粋で、希望に満ちて、愛に溢れている。世界中の恋愛小説や映画が描いているのも、まさにこの感情。あなたの心の中にあるのは、文学や芸術が称賛してきた人間の最も美しい感情の一つ。
想像が教えてくれること
将来を想像することで、自分が本当に求めているものが見えてくる。
どんな関係を築きたいのか。どんな日常を送りたいのか。どんな価値観を共有したいのか。
私が想像していたのは、いつも些細な日常だった。特別なイベントよりも、普通の朝に「おはよう」と言い合うこと。一緒にスーパーで夕飯の材料を選ぶこと。ソファで映画を見ながら、何気ない会話を交わすこと。
そうやって想像を重ねることで、自分にとって本当に大切なものが何かが分かってきた。
現実とのバランス
もちろん、想像ばかりに浸っていては、現実を見失ってしまう。
相手の気持ちを確かめずに一人で未来を描きすぎると、現実との gap に苦しむことになる。想像の中の彼と、実際の彼が違うことに気づいたときの落胆は大きい。
でも、だからといって想像をやめる必要はない。大切なのは、バランス。
想像は想像として楽しみつつ、現実では少しずつ相手との距離を縮める努力をする。想像の中の関係と、現実の関係を少しずつ近づけていく。
想像を力に変える
実は、将来を想像することで、現実的な行動力も生まれる。
「こんな関係を築きたい」という明確なビジョンがあると、そのために今何をすべきかが見えてくる。相手のことをもっと知りたくなる。自分も魅力的になりたくなる。
私も、想像していた理想の関係を現実にするために、料理を習ったり、本を読んだり、いろんなことにチャレンジした。結果的に、その努力が自分自身を成長させてくれた。
叶わない可能性も受け入れる
辛い現実だけれど、すべての恋愛が成就するわけではない。
想像していた未来が実現しないこともある。でも、それでも想像していた時間は無駄ではない。
その時間があったから、愛することの美しさを知った。誰かを想う気持ちの尊さを学んだ。そして、本当に大切にしたい関係がどんなものかを理解した。
次の恋愛では、その経験がきっと活かされる。
想像を大切にしながら、今を生きる
好きな人との将来を想像することは、恥ずかしいことでも、現実逃避でもない。
それは愛する能力があることの証明。未来への希望を持てることの証明。
だから、その気持ちを大切にして。でも同時に、今この瞬間も大切にして。
想像の中の未来と同じくらい、今の自分も愛してあげて。今日の小さな出来事も、今の小さな幸せも、すべて未来につながっている。
あなたの想像は美しい
今夜もまた、彼との将来を想像してしまうあなたへ。
その想像は美しい。その気持ちは尊い。そんな風に誰かを愛せるあなた自身が、とても素敵。
想像することを恥じる必要はない。でも、想像だけでなく、少しずつ現実にも向き合って。
あなたが描いている未来が、いつか現実になることを願って。そして、たとえ違う形になったとしても、愛する心だけは失わないで。
その心こそが、あなたの最も美しい部分だから。