恋愛で自分を見失った経験から学んだこと

恋愛で自分を見失った経験から学んだこと

恋愛で自分を見失ったからこそ見えてきた、本当に大切なもの

読了時間: 5分

鏡を見るのが怖かった。そこに映っているのは、もう私じゃないような気がしていた。

恋愛にのめり込むあまり、いつの間にか自分というものを見失ってしまった。相手に合わせすぎて、気がついたら「本当の私って何だったっけ?」と思うようになっていた。

でも今振り返ると、その経験があったから今の私がある。自分を見失ったからこそ、自分を見つけることができた。

すべてを彼中心に回していた日々

当時の私は、彼のことで頭がいっぱいだった。

朝起きてすぐに彼からメッセージが来ていないかチェック。彼が好きそうな服を選んで、彼が好きそうな話題を考えて。友達との約束も「彼から連絡があったら」という条件付きで。

自分の趣味だった読書も、映画鑑賞も、いつの間にか後回しになっていた。彼と過ごす時間以外は、すべて「彼のために使う準備時間」になっていた。

大学でコミュニケーション学を学んでいた私は、理論的には「健全な人間関係とは何か」を知っていた。でも恋愛という強い感情の前では、知識なんて何の役にも立たなかった。

相手の好みに自分を変えていく

彼が音楽好きだと知ると、私も音楽に興味があるふりをした。 彼がアウトドア派だと分かると、インドア派だった私も外出を好むようになった。 彼が静かな女性が好きだと言えば、本来おしゃべりな私も口数を少なくした。

「彼に愛されるために」という名目で、自分の本来の姿をどんどん変えていった。

最初は「好きな人のために変わるのは素敵なこと」だと思っていた。でも次第に、どれが本当の自分の好みで、どれが彼に合わせたものなのか、分からなくなっていった。

友達との関係も変わってしまった

恋愛に夢中になりすぎて、友達との関係も疎遠になった。

「彼氏ができて変わった」と言われることもあった。その時は「そんなことない」と否定していたけれど、今思えば確実に変わっていた。

友達と会っているときも、頭の片隅では常に彼のことを考えていた。友達の話を聞いているようで、実は集中できていなかった。

結果的に、大切な友人たちと距離ができてしまった。恋愛が上手くいっているときは良かったけれど、問題が起きたときに相談する相手がいなくなっていた。

一人の時間が怖くなった

一番怖かったのは、一人でいることが不安になったこと。

以前は一人の時間が好きだった。本を読んだり、考え事をしたり、自分と向き合う時間が心地よかった。

でも恋愛にのめり込んでからは、一人でいると「彼は何をしているんだろう」「他の女の子と会っているかも」という不安が頭を支配するようになった。

一人でいる時間=彼のことを心配する時間になってしまった。自分自身について考えることがなくなっていた。

関係が終わったとき、空っぽの自分と向き合った

結局、その恋愛は終わりを迎えた。

その時初めて気づいた。私は自分というアイデンティティを、ほとんど彼との関係に依存させていたのだと。

彼がいなくなった瞬間、私は何をしたらいいのか分からなくなった。彼に合わせて変えた趣味も、習慣も、すべて意味を失った気がした。

「私って何が好きだったっけ?」 「私はどういう人間だったっけ?」

そんな基本的なことから、もう一度考え直さなければならなかった。

ゆっくりと自分を取り戻していく過程

でも、その空虚感こそが新しいスタートだった。

まずは、昔好きだったことを一つずつ思い出すことから始めた。本屋に行って、心がときめく本を探した。カフェで一人の時間を過ごすことを、もう一度心地よく感じられるようになった。

友達にも正直に話した。「最近、自分を見失っていたと思う」と。そうすると、多くの友達が似たような経験を持っていることが分かった。一人じゃなかったんだと、ほっとした。

時間をかけて、少しずつ「私らしさ」を取り戻していった。

学んだこと:愛されるために自分を変える必要はない

この経験から学んだ最も重要なことは、「愛されるために自分を変える必要はない」ということ。

本当にあなたを愛してくれる人は、ありのままのあなたを受け入れてくれる。無理に合わせる必要はない。

もちろん、お互いに歩み寄ることは大切。でも、それは「自分を消すこと」とは違う。自分らしさを保ちながら、相手を思いやることができる。

依存ではなく、自立した上での愛

健全な恋愛は、お互いが自立した上で成り立つもの。

相手がいないと生きていけないような関係ではなく、一人でも幸せだけれど、一緒にいるともっと幸せという関係。

私は今、一人の時間を大切にしている。自分の趣味を楽しみ、友達との時間も大切にし、自分自身と良い関係を築いている。

そうやって自分を大切にできるようになったら、不思議と良い出会いも増えた。自分らしくいる私を好きになってくれる人との出会いが。

自分を見失いそうになったときのサイン

今では、自分を見失いそうになったときのサインが分かる。

・相手の顔色ばかり気にしている ・自分の意見を言うのが怖くなった ・一人の時間が不安で仕方ない ・友達との約束を頻繁にキャンセルしている ・昔好きだったことに興味がなくなった

こういうサインに気づいたら、一度立ち止まって自分と向き合う時間を作るようにしている。

あなたはあなたのままで素敵

もし今、恋愛で自分を見失いそうになっているあなたがいるなら、伝えたいことがある。

あなたはあなたのままで素敵。

相手に合わせて自分を変える必要はない。本当にあなたを大切に思ってくれる人は、ありのままのあなたを愛してくれる。

もし今の関係で自分らしくいられないなら、それは「あなたに問題がある」のではなく、「その関係に問題がある」のかもしれない。

失うものがあるから見つかるものもある

自分を見失った経験は、決して無駄ではない。

その経験があったからこそ、本当の自分の大切さが分かった。一人でいることの価値も、友達の大切さも、そして何より、自分を愛することの重要さも。

今なら自信を持って言える。私は私らしく生きていて、それが一番魅力的だということを。

あなたも、あなたらしく生きることを恐れないで。その輝きが、きっと素敵な出会いを引き寄せてくれるから。