ニュースを見ていると憂鬱になる。SNSを開けば誰かが誰かを攻撃している。職場では理不尽なことばかり。電車では無関心な人たちがスマホを見つめている。
「この世界って、なんでこんなに冷たいんだろう」
そんなことを思いながら、でもふと恋愛映画を見ると胸がキュンとする。ドラマの恋愛シーンに心を奪われる。友達の恋愛話に興味深々になってしまう。
この矛盾した気持ち、私だけなのだろうか。
世の中への失望と恋愛への憧れ
人々の自分勝手さにうんざりしていても、「でも恋人は違うかもしれない」と思ってしまう。
社会の冷たさに心を閉ざしていても、「特別な人となら心を開けるかもしれない」と期待してしまう。
これって矛盾している。でも、とても人間らしい感情でもある。
私も大学時代、社会問題について学べば学ぶほど、人間の愚かさや社会の理不尽さに失望していた。でも同時に、誰か特別な人との出会いには憧れ続けていた。
この矛盾を恥ずかしく思っていた時期もある。でも今は思う。これは決して矛盾ではないのかもしれない、と。
恋愛は特別な人間関係
恋愛は、確かに他の人間関係とは違う。
職場の人間関係は利害関係が絡む。友人関係でも、ある程度の距離感や役割がある。でも恋愛関係は、もっと純粋で、もっと深く、もっと特別なもの。
だから、「人間なんて信じられない」と思っていても、「でも恋愛は別」と感じてしまうのは、ある意味自然なことなのかもしれない。
希望を求める心
世の中に嫌気がさしているとき、私たちは無意識に希望を求めている。
「この世界にも、きっと温かい関係があるはず」 「この社会にも、きっと本当の愛があるはず」 「この人生にも、きっと特別な出会いがあるはず」
恋愛への憧れは、絶望の中に見つけた小さな希望の光なのかもしれない。
でも現実の恋愛も複雑
ただ、現実の恋愛も、私たちが嫌気を感じている「世の中」の一部だということも事実。
マッチングアプリでの表面的なやり取り、恋愛市場という言葉、効率重視の出会い、条件での選り分け。現代の恋愛事情も、私たちが批判している社会の縮図だったりする。
でも、だからといって恋愛への憧れを諦める必要はない。
理想と現実の間で
私たちは理想と現実の間で揺れ動いている。
理想では、純粋で美しい愛を求めている。でも現実では、複雑で不完全な人間関係しかない。
この間で悩むのは当然のこと。そして、その悩みこそが、本当に大切なものを見極める力になる。
世の中への失望が教えてくれること
実は、世の中に嫌気がさすということは、あなたの中に「本当の温かさ」への渇望があるということ。
冷たさを感じるから、温かさの価値がわかる。 偽物を見抜くから、本物を見極められる。 表面的な関係に疲れるから、深いつながりを求められる。
つまり、世の中への失望は、質の高い恋愛関係を築くための準備段階なのかもしれない。
恋愛に求めすぎてしまう危険
ただし、恋愛に求めすぎることの危険性もある。
世の中で得られない温かさのすべてを、一人の恋人に求めてしまう。社会で感じる孤独感のすべてを、恋愛で埋めようとしてしまう。
これは相手にとって重すぎる負担になってしまう可能性がある。
バランスの大切さ
大切なのはバランス。
恋愛に特別な意味を求めるのは素敵なこと。でも、恋愛がすべてではないということも忘れずにいたい。
世の中に失望しても、小さな温かさを見つける目を持っていたい。恋愛に憧れても、現実的な視点も大切にしたい。
同じような気持ちの人との出会い
実は、あなたと同じような気持ちを抱えている人は多い。
世の中に疲れているけれど、恋愛には憧れている人。社会に失望しているけれど、特別な関係は信じている人。
そんな人との出会いこそ、あなたが求めている関係かもしれない。お互いの複雑な気持ちを理解し合える相手との出会い。
希望を持ち続ける勇気
世の中に嫌気がさしても、恋愛への憧れを持ち続けることは、希望を手放さないということ。
それは決して矛盾でも、甘い考えでもない。絶望の中で希望を見つけ続ける、とても尊い気持ち。
小さな温かさから始めよう
いきなり運命の恋を求めなくてもいい。
まずは小さな温かさから始めてみよう。道で出会う人への小さな親切、店員さんへの感謝の気持ち、友達との何気ない会話。
そうやって少しずつ人への信頼を取り戻していけば、きっと恋愛でも温かい関係を築けるようになる。
あなたの感性は間違っていない
世の中に失望しながらも恋愛に憧れるあなたの感性は、決して間違っていない。
むしろ、その繊細さと深さこそが、本当に大切な人との出会いを引き寄せる力になる。
冷たい世界だからこそ、温かい愛の価値がわかる。そんなあなただからこそ、きっと特別な関係を築ける。
世の中への失望と恋愛への憧れ、その両方を大切に抱えながら、今日も自分らしく歩んでいこう。