恋愛で得るものより失うものの方が多い気がする

恋愛で得るものより失うものの方が多い気がする

恋愛において自分を犠牲にしすぎて疲れてしまう気持ちと、健全な関係性について

読了時間: 5分

また彼に合わせてしまった。本当は家でゆっくりしたかったのに、彼が会いたいと言うから出かけた。本当は和食が食べたかったのに、彼の好きなイタリアンを選んだ。

友達との時間も減った。趣味に使う時間も削った。読書の時間も、映画を見る時間も、一人でぼーっとする時間も。

恋愛って、こんなに何かを諦めなければいけないものだったっけ。

恋愛の「代償」を数えてしまう日々

恋愛をしていると、知らないうちに失っているものがたくさんある。

時間。お金。友人関係。趣味。自分だけの空間。そして何より、自分らしさ。

「恋人ができて幸せ」のはずなのに、なぜか心のどこかで空虚感を感じている。これって、私だけなのだろうか。

私が大学でコミュニケーション学を学んでいた頃、人間関係における「相互性」について学んだ。健全な関係は、お互いが与え合い、受け取り合うバランスの上に成り立つという理論。

でも実際の恋愛では、いつの間にか一方的に与える側になってしまうことが多い。そして、与え続けているうちに、自分が何を求めているのかさえ分からなくなってしまう。

気づかないうちに失っているもの

恋愛で失うものは、目に見えにくい。

まず失うのは「時間」。彼との時間を優先するあまり、自分の時間がなくなる。読みたかった本、見たかった映画、行きたかった場所。全部後回しになってしまう。

次に失うのは「友人関係」。恋人優先の生活を続けているうちに、友達からの誘いを断ることが増える。そして気づいたときには、連絡も少なくなっている。

そして最も深刻なのは「自分らしさ」を失うこと。彼に嫌われないように、彼に好かれるように、本当の自分を少しずつ隠してしまう。

「こんなこと言ったら重いかな」「こういう趣味は引かれるかな」「本当はこう思ってるけど、違う意見を言った方がいいかな」

そんな風に考えているうちに、本来の自分が分からなくなってしまう。

なぜ自分を犠牲にしてしまうのか

なぜ私たちは、恋愛で自分を犠牲にしてしまうのだろう。

一つは「愛されたい」という強い願望。嫌われるのが怖くて、相手の期待に応えようとしすぎてしまう。

もう一つは「良い恋人でありたい」という思い込み。理想的な恋人像に自分を当てはめようとして、無理を重ねてしまう。

そして、「恋愛は犠牲を払うもの」という刷り込み。映画や小説、周りの人たちの話から、恋愛には犠牲がつきものだと思い込んでしまう。

でも本当にそうなのだろうか。愛することは、自分を削ることなのだろうか。

健全な恋愛関係とは

私も長い間、恋愛は我慢するものだと思っていた。相手のために自分を変えることが愛の証だと思っていた。

でも今なら分かる。本当に健全な関係は、お互いが自分らしくいられる関係。

相手に合わせるのではなく、お互いの違いを認め合う関係。 一方的に与えるのではなく、自然に与え合える関係。 相手のために自分を犠牲にするのではなく、一緒にいることで両方が成長できる関係。

そういう関係では、失うものよりも得るものの方がずっと大きい。

「得る」恋愛に変えるために

恋愛で失うものが多いと感じるなら、関係性を見直してみよう。

まず、自分の時間を大切にしよう。恋人との時間も大切だけど、一人の時間、友達との時間、趣味の時間も同じくらい大切。

次に、自分の気持ちに正直になろう。本当はどう思っているのか、何がしたいのか、何を大切にしたいのか。それを相手に伝えることを恐れないで。

そして、相手にも同じことを求めよう。相手も自分らしくいてもらい、相手の時間も尊重しよう。

一人の時間の大切さ

恋愛中でも、一人の時間は絶対に必要。

一人でいる時間は、自分と向き合う時間。自分が本当に望んでいることを確認する時間。そして、自分を充電する時間。

この時間がないと、相手に依存しすぎてしまったり、自分を見失ってしまったりする。

「恋人がいるのに一人の時間が欲しいなんて、愛が足りないのかな」と思う必要はない。一人の時間を大切にできる人の方が、実は良いパートナーになれる。

友達関係も大切にしよう

恋愛が始まると友達関係が疎かになりがちだけど、友達はかけがえのない存在。

友達との時間は、恋愛とは違う種類の充実感をくれる。客観的な視点をくれることもある。そして、恋愛が上手くいかないときの支えにもなってくれる。

「恋人ができたら友達は二の次」ではなく、どちらも大切にできるバランスを見つけよう。

自分を大切にすることは愛

相手を愛することと、自分を大切にすることは矛盾しない。

むしろ、自分を大切にしない人は、相手のことも本当の意味で大切にできない。

自分の幸せを犠牲にして相手に尽くすのは、一見美しく見えるかもしれない。でも長期的に見ると、お互いにとって不健全。

自分を大切にしながら相手も大切にする。そのバランスを見つけることが、本当の愛なのかもしれない。

「損得勘定」ではない愛

ここまで「得る」「失う」という言葉を使ってきたけれど、本当の愛に損得勘定はない。

でも、あまりにも一方的に与え続けて疲れてしまうのも不健全。

大切なのは、自然に与え合える関係を築くこと。計算ではなく、お互いが自然と相手の幸せを願える関係。

そういう関係では、与えることが苦痛ではなく喜びになる。

あなたらしい恋愛を

もし今、恋愛で失うものばかりが気になっているなら、一度立ち止まって考えてみて。

この関係で、あなたは本当に幸せなのだろうか。 自分らしくいられているだろうか。 成長できているだろうか。

もし答えが「NO」なら、何かを変える必要があるかもしれない。

恋愛は自分を削るものではなく、お互いを豊かにするもの。そんな関係を築いていこう。

あなたらしさを失わない恋愛。それが、本当にあなたを幸せにしてくれる恋愛だから。