「私なんかが愛されるはずがない」
恋愛においてこの言葉が頭の中を支配しているとき、どんなに相手が優しくしてくれても、どんなに愛情を示してくれても、素直に受け取ることができない。
自己肯定感の低さは、恋愛における最も辛い障害の一つ。それは相手への不信ではなく、自分への不信から生まれる。
愛されている実感がない理由
「本当に私のことを好きなのかな」 「いつか飽きられるんじゃないかな」 「もっと素敵な人が現れたら、私なんて選ばれないよね」
こんな不安が頭の中をぐるぐると回り続ける。
相手がデートに誘ってくれても「他に断れない理由があるからかな」と考えてしまう。プレゼントをもらっても「義理なのかな」と疑ってしまう。愛の言葉をかけられても「社交辞令かな」と受け流してしまう。
私も大学時代、せっかく好きになってくれた人がいたのに、その気持ちを信じることができなかった。「私なんかを好きになるなんて、きっと何か勘違いをしているに違いない」と思い込んでいた。
自分を低く見積もってしまう癖
自己肯定感が低いと、自分の価値を正当に評価できない。
他人の長所は簡単に見つけられるのに、自分の良いところは「そんなの当たり前」「みんなできること」と過小評価してしまう。
相手が私を選んでくれた理由を、素直に受け入れることができない。「きっと他に選択肢がなかったから」「一時的な気の迷いだから」と、否定的な解釈をしてしまう。
でも考えてみてほしい。あなたが誰かを好きになるとき、それは相手に明確な価値を見出したからではないだろうか。なぜ自分が選ばれたときだけ、その判断を疑ってしまうのだろう。
完璧でなければ愛されないという思い込み
自己肯定感の低い人は、しばしば完璧主義に陥る。
「もっと痩せなければ」「もっと綺麗にならなければ」「もっと面白い人にならなければ」
そんな「もっと」が積み重なって、今の自分は愛される価値がないという結論に至ってしまう。
でも愛は、完璧さを前提としたものではない。むしろ、お互いの不完全さを受け入れ合うもの。あなたの少し不器用なところ、時々見せる弱さ、そういうものも含めて愛されているのだということを、受け入れることが大切。
相手に依存してしまう危険性
自己肯定感が低いと、相手からの愛情だけが自分の価値を証明する手段になってしまう。
常に相手の機嫌を伺い、嫌われないように自分を抑え、相手の言葉に一喜一憂する。そんな関係は、相手にとっても重い負担になってしまう。
私も経験がある。相手のちょっとした言動に過敏に反応し、「もしかして嫌われたかな」と不安になって、結果的に相手を疲れさせてしまった。
愛されたくて必死になればなるほど、かえって相手を遠ざけてしまう。この悪循環に陥らないためには、まず自分自身を愛することから始める必要がある。
自分を愛することから始めよう
恋愛における自己肯定感を高める第一歩は、他者からの愛を求める前に、自分自身を愛することから始まること。
自分の好きなところを毎日一つずつ見つけてみよう。小さなことでもいい。「今日は美味しいコーヒーを淹れられた」「友達を笑わせることができた」「困っている人に親切にできた」
そういう小さな積み重ねが、徐々に自分への信頼感を育てていく。
過去の経験を手放す
自己肯定感の低さは、しばしば過去の傷ついた経験から生まれる。
拒絶された記憶、批判された言葉、比較されて劣等感を感じた瞬間。それらがいまだに心の奥で痛んでいるかもしれない。
でも過去の出来事が、今のあなたの価値を決めるわけではない。あの時あなたを傷つけた人の判断が、絶対的に正しいわけでもない。
今のあなたは、その時とは違う。成長し、学び、より深く自分を理解するようになった。過去の痛みを手放し、今の自分を受け入れる勇気を持とう。
相手の気持ちを信じる勇気
自己肯定感を高めるもう一つの方法は、相手の気持ちを素直に信じること。
「私なんか」という言葉を禁句にしよう。相手があなたを選んだのには、ちゃんとした理由がある。その判断を尊重し、信頼しよう。
もし相手が「好き」と言ってくれたら、疑わずに「ありがとう」と答える練習をしよう。その積み重ねが、少しずつ心を変えていく。
愛される価値があることを思い出そう
あなたはもともと、愛される価値がある存在として生まれてきた。
その価値は、誰かに認められて初めて生まれるものではない。誰かと比較して決まるものでもない。ただあなたが存在することそのものに価値がある。
恋愛は、その価値を相互に認め合う行為。自分の価値を信じられるようになったとき、相手の愛も素直に受け取れるようになる。
一歩ずつ、ゆっくりと
自己肯定感を高めることは、一朝一夕にはできない。長い間身についた思考パターンを変えるには、時間と忍耐が必要。
でも焦らなくていい。今日より明日、明日より来週、少しずつでも前進していけば大丈夫。
小さな成功を積み重ね、小さな愛を受け取る練習を続けていこう。そうしているうちに、きっと恋愛における自信も育っていく。
あなたは愛される価値がある。その事実を、心の奥深くで受け入れることから、すべては始まる。