友達の恋愛話を聞いていて、ふと思う。
「私の恋愛観って、もしかして古いのかもしれない。」
マッチングアプリで気軽に出会って、何人かと同時進行で連絡を取り合って、「とりあえず会ってみる」という現代の恋愛スタイル。それが当たり前になっている世の中で、私はまだ「一人の人とじっくり向き合いたい」と思っている。
これって、時代遅れなのだろうか。
「運命の出会い」を信じている自分
私は今でも、どこかで「運命の出会い」を信じている。
本屋で偶然手に取った同じ本について話すことになったり、雨の日に駅で傘を貸してもらったり。そんな映画のような出会いが、どこかであるのではないかと。
でも現実は、スワイプして「いいね」を押して、メッセージを交換して会う。効率的で合理的。でも、なんだか味気ない。
「そんなことにこだわっているから、出会いがないんじゃない?」
友達にそう言われたこともある。確かに一理ある。でも、心のどこかで「これじゃない」感が拭えない。
一途でいることの価値
私は一度誰かを好きになったら、その人のことをずっと考えてしまう。
他の人に目を向けることができない。複数の人と同時にやり取りするなんて、考えただけで疲れてしまう。
「もっと選択肢を広げた方がいいよ」とアドバイスされる。でも、私にとって恋愛は「選ぶ」ものではなく、「感じる」もの。心が動いた人と、じっくり向き合いたい。
大学でコミュニケーション学を学んでいるとき、恋愛における「効率性」についての研究を読んだことがある。確かに多くの人と出会えば、理想の相手に巡り会う確率は上がる。でも、確率論で恋愛を語ることに、どこか違和感を覚えた。
「重い」と言われることへの恐れ
現代では「重い」ことは悪いこととされている。
連絡をマメに取りたがったり、将来のことを早めに話したり、相手のことを深く知りたがったり。これらはすべて「重い」行動として避けられがち。
でも私にとって、相手のことを深く知りたいと思うのは自然なこと。表面的な関係ではなく、心の深いところでつながりたい。
それを「重い」と感じる人もいれば、「真剣」と受け取ってくれる人もいる。問題は、後者に出会う機会が少なくなっていることかもしれない。
SNSの恋愛と現実の恋愛
SNSを見ていると、みんな楽しそうに恋愛している。
カジュアルなデート、おしゃれなカフェでの写真、「今日はこの人と」的な軽やかさ。それが現代の恋愛の「正解」のように見える。
でも、私が求めているのはもっと静かで、もっと深い関係。一緒にいて安心できる人。黙っていても居心地のいい人。そんな人との、ゆっくりと育む恋愛。
SNSに投稿するほど派手ではないけれど、心の奥深くで温かい関係。
手紙を書きたくなる気持ち
時々、好きな人に手紙を書きたくなる。
LINEやメールではなく、手書きの手紙。時間をかけて、言葉を選んで、想いを込めて。
でも「今どき手紙なんて」と思われそうで、結局書けずじまい。メッセージアプリで短い文を送って、既読スルーされて落ち込む。
もしかしたら、手紙を喜んでくれる人もいるのかもしれない。でも、その可能性を試す勇気がない。
「古い」ことの価値
でも最近思うのは、「古い」ことが必ずしも悪いことではないということ。
古い恋愛観には、現代の恋愛が失ってしまった大切なものがある。じっくりと相手を知る時間。一人の人を大切にする気持ち。表面的ではない、深いつながりへの憧れ。
効率性や合理性も大切だけれど、恋愛にはもっと不合理で、もっと美しい部分がある。それを大切にしたいと思うのは、恥ずかしいことではない。
同じ価値観の人もきっといる
私が「古い」と感じている恋愛観を、「素敵」と思ってくれる人もきっといる。
一途さを重いと感じる人もいれば、誠実だと受け取ってくれる人もいる。 手紙を古臭いと思う人もいれば、心がこもっていると喜んでくれる人もいる。
大切なのは、自分の価値観を曲げて多数派に合わせることではなく、同じような価値観を持つ人との出会いを信じること。
時代に合わせすぎなくていい
無理に現代の恋愛スタイルに合わせる必要はない。
マッチングアプリを使わなくても、同時進行しなくても、軽やかに恋愛できなくても、それはあなたらしさの一部。
古い恋愛観を持つ自分を恥じることなく、でも頭ごなしに現代の恋愛を否定することもなく。自分らしい方法で、自分らしい恋愛を見つけていこう。
あなたの恋愛観を大切に
私たちの恋愛観は、私たちが読んできた本、見てきた映画、経験してきた人間関係すべてが積み重なってできたもの。それを簡単に「古い」と切り捨てる必要はない。
現代の恋愛に学ぶべき部分もあれば、古い恋愛観の中にも美しい部分がある。両方を尊重しながら、自分だけの恋愛観を育てていけばいい。
時代遅れかもしれないけれど、それでも素敵な恋愛観。 効率的ではないかもしれないけれど、それでも心温まる恋愛観。
そんな自分を大切にしながら、同じような気持ちを持つ人との出会いを信じて。
あなたの恋愛観は、決して間違っていない。ただ、少し珍しいだけ。そして珍しいものほど、見つけた時の喜びは大きい。