友達が恋人との予定で忙しそうにしているのを見て、ふと思う。私はその時間を絵を描いたり、本を読んだり、一人で美術館を回ったりして過ごしている。
「恋愛より趣味を取るなんて、変なのかな」
そんな疑問が頭をよぎることがある。でも本当は、この生き方が心地よい。
趣味の時間は魂の栄養
一人でキャンバスに向かっている時間。好きな音楽を聴きながら手芸をしている時間。カフェで小説の世界に没頭している時間。
これらの瞬間に、私は本当の意味で「生きている」と感じる。
誰かに合わせる必要もなく、気を遣う必要もなく、ただ自分の好きなことに集中できる贅沢。この時間こそが、私にとっての魂の栄養なのだ。
恋愛も確かに素晴らしいものだろう。でも、自分の内面を豊かにしてくれるこの時間を手放してまで、求めたいとは思わない。
「変わっている」と言われることの意味
「恋愛より趣味って、ちょっと変わってるよね」
そう言われることがある。でも「変わっている」って、本当に悪いことなのだろうか。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、多様性の価値について深く考えた。みんなが同じ価値観で生きていたら、この世界はどれほどつまらないものになるだろう。
一人ひとりが違う価値観を持ち、違う生き方を選ぶからこそ、社会は豊かになる。恋愛を最優先にする人がいても良いし、趣味を大切にする人がいても良い。
むしろ、自分の価値観に忠実に生きることの方が、よほど勇気のいることかもしれない。
質の高い時間を過ごすということ
恋愛に時間を使わない分、趣味に使える時間は圧倒的に多い。
でもそれは、ただ時間が余っているということではない。その時間を使って、自分自身を深く知り、技術を磨き、感性を育てることができる。
私の友達で、編み物が趣味の子がいる。彼女の作品は本当に美しくて、見る人すべてを魅了する。「恋愛している暇があったら、もっと上手になりたい」と言う彼女の目は、いつもキラキラと輝いている。
そんな彼女を見ていると、恋愛だけが人生を豊かにするわけではないことがよく分かる。
自分らしさを育む時間
趣味の時間は、自分らしさを育む時間でもある。
誰かと一緒にいるとき、私たちは多かれ少なかれ相手に合わせてしまう。それは悪いことではないけれど、本当の自分が見えにくくなることもある。
一人で好きなことをしているとき、初めて本当の自分の声が聞こえる。何が好きで、何が嫌いで、どんなことに心が動くのか。
そうやって培った自分らしさは、いつか必ず誰かの心に響く。表面的な魅力よりもずっと深く、長く。
恋愛を否定しているわけではない
誤解してほしくないのは、恋愛を否定しているわけではないということ。
恋愛は確かに素晴らしいもの。人を成長させ、幸せにしてくれる力がある。でも、それがすべての人にとって最優先事項である必要はない。
私にとっては、今は趣味の時間の方が大切。それは単なる逃避ではなく、積極的な選択。自分の人生をどう生きたいかという、はっきりとした意志なのだ。
一人の時間の豊かさ
恋愛している人たちは、常に相手のことを考え、二人の時間を作る必要がある。それはそれで幸せなことだろう。
でも私には、一人の時間の豊かさが手放せない。
朝起きて、今日は何をしようかと考える自由。急に思い立って映画を見に行く自由。夜遅くまで小説を読みふける自由。
これらの小さな自由の積み重ねが、私の人生を彩ってくれている。
社会の期待に惑わされない
「女性はある年齢までに恋愛して、結婚して」という社会の期待がある。
でも、その期待に応える必要があるのだろうか。人生は一度きり。他人の期待に応えるために生きるには、あまりにも短い。
自分が本当に大切にしたいものを大切にする。それが、自分らしく生きるということではないだろうか。
趣味から生まれる出会い
面白いことに、趣味を優先していると、同じような価値観を持つ人との出会いが自然と生まれる。
無理に恋愛を求めなくても、好きなことを通じて知り合った人との関係は、とても自然で心地良い。もしかしたら、そこから何か特別な関係が生まれることもあるかもしれない。
でもそれは、結果であって目的ではない。目的は、自分らしく生きること。好きなことを追求すること。
今この瞬間を大切に
恋愛よりも趣味を優先する生き方を選んでいるあなたへ。
その選択は間違っていない。あなたの時間の使い方は、あなたが決めるもの。他人の価値観に合わせる必要はない。
今日も好きなことに没頭して、心豊かな時間を過ごそう。そうやって育てた自分らしさは、きっといつか誰かの心に響く。
でも今は、それを目的にする必要もない。ただ自分が好きなことを、自分のペースで楽しめばいい。
あなたの生き方は美しい。その美しさを、自分自身がまず認めてあげよう。
恋愛はいつでもできる。でも今この瞬間の、この自由で豊かな時間は、今しか味わえない。
だから大切にしよう、この時間を。大切にしよう、この生き方を。