彼からの返事が来ないと、心臓がドキドキして何も手につかなくなる。
彼がいない時間は、まるで自分の一部が欠けているような気持ちになる。
「これって依存なのかな」と思いながらも、この気持ちをどうしたらいいのか分からない。
依存って何が悪いの?
「恋愛依存」という言葉を聞くと、なんだか悪いことのように感じてしまう。
でも、人を好きになって、その人のことばかり考えてしまうのは、ある意味自然なこと。愛する人を大切に思い、一緒にいたいと願うのは、美しい感情でもある。
問題は、その気持ちが自分や相手を苦しめてしまうとき。自分の幸せが完全に相手次第になってしまうとき。
私も経験がある。好きな人のことで頭がいっぱいになって、勉強も仕事も手につかなくなったこと。相手の一言一言に一喜一憂して、心が休まらなかったこと。
なぜ依存してしまうのか
恋愛で依存してしまう理由は、人それぞれ違う。
孤独感を埋めたい 一人でいることが辛くて、誰かに常にそばにいてほしいと思ってしまう。恋人がいることで、その孤独感を紛らわせようとする。
自分に自信がない 「こんな私を愛してくれる人は、この人しかいない」と思い込んでしまう。だから手放すことが怖くて、しがみついてしまう。
愛されることで自分の価値を確認したい 相手からの愛情が、自分の存在価値の証明になってしまう。愛されていないと、自分には価値がないような気持ちになる。
見捨てられることへの恐怖 過去に大切な人を失った経験があったり、愛する人に去られることを極度に恐れたりする。
どの理由も、決して恥ずかしいことではない。人間らしい、とても自然な感情。
私の場合
大学生の頃、初めて本格的にお付き合いした人がいた。
彼がいない時間が耐えられなくて、常に連絡を取りたがった。彼が他の女性と話しているのを見ると、嫉妬で胸が苦しくなった。彼の言葉の端々を分析して、「愛されているかどうか」を確認しようとした。
当時の私は、彼がいることで自分が「普通の女の子」になれた気がしていた。一人でいることが多く、人付き合いが苦手だった私にとって、彼は自分の価値を証明してくれる大切な存在だった。
でも、その関係は長くは続かなかった。私の重すぎる愛が、彼を疲れさせてしまったから。
依存の裏にある深い愛
でも今思えば、あの依存的な気持ちの裏には、本当に深い愛があった。
彼を失いたくないという気持ち。 彼に幸せになってほしいという願い。 彼と一緒にいられることへの感謝。
ただ、その愛の表現方法が、お互いを苦しめるものになってしまっていた。
依存してしまう人は、決して愛情が薄いわけではない。むしろ、愛情が深すぎるがゆえに、適切な距離感を保つのが難しくなってしまう。
相手を束縛してしまう心理
愛する人を失いたくないという気持ちから、つい束縛してしまうことがある。
「今何してるの?」と頻繁に連絡したり、 相手の予定を詳しく知りたがったり、 他の人との付き合いを制限したくなったり。
これらの行動の根底にあるのは、「愛されているかどうか不安」という気持ち。確認せずにはいられない、不安な心。
でも、束縛は愛ではない。本当の愛は、相手の自由を尊重し、信頼することから生まれる。
自分の気持ちを理解する
依存的になってしまう自分を責める前に、まずその気持ちを理解してあげよう。
「なぜこんなに不安になるんだろう?」 「何を恐れているんだろう?」 「本当に欲しいものは何だろう?」
その答えが見つかったとき、きっと自分への理解が深まる。そして、相手との関係も変わっていく。
私の場合、一番恐れていたのは「一人になること」だった。でも、一人でいることが必ずしも悪いことではないと気づいたとき、恋愛に対する姿勢も変わった。
健全な距離感を学ぶ
依存的な関係から健全な関係に変わるには、適切な距離感を学ぶことが大切。
相手と自分は別の人間。 それぞれに人生がある。 一緒にいる時間も、一人の時間も、どちらも大切。
この当たり前のことを、心の底から理解するまでには時間がかかる。でも、少しずつでも意識していけば、必ず変わることができる。
一人の時間を大切にする
恋愛依存から抜け出すための第一歩は、一人の時間を充実させること。
好きな本を読む。 映画を見る。 散歩をする。 友達と会う。 新しい趣味を始める。
一人でいても幸せだと感じられるようになったとき、恋愛はもっと自由で、もっと美しいものになる。
相手への信頼
そして何より大切なのは、相手への信頼。
「この人は私を愛してくれている」 「一時的に連絡が取れなくても、愛が消えるわけではない」 「お互いを大切に思っている」
その信頼があれば、不安になることも減っていく。
完璧を求めない
でも、すぐに変わろうとしなくて大丈夫。
時には不安になることもある。 時には相手が恋しくて仕方なくなることもある。 時には依存的な気持ちが戻ってくることもある。
それは人間らしい、自然な感情。完璧に自立した恋愛なんて、存在しない。
大切なのは、お互いが心地よいバランスを見つけること。そして、そのバランスを保つために、お互いに努力すること。
あなたの愛は美しい
依存してしまう自分を恥じる必要はない。
その深い愛情は、とても美しいもの。ただ、その愛をもっと健全な形で表現できるようになれば、きっとお互いがもっと幸せになれる。
時間をかけて、ゆっくりと。 自分のペースで、少しずつ。
あなたの愛が、あなた自身と大切な人の両方を幸せにする形で表現されますように。