夜中にベッドの中で、またその人のことを考えている。
笑顔が浮かんで、胸がきゅんとして、一緒にいる時間を思い出して幸せな気持ちになる。でも同時に、現実的なことも頭をよぎる。
この人と本当に将来があるのだろうか。 価値観は合うのだろうか。 一緒に生活できるのだろうか。
恋愛と現実、両方を考えたい自分がいる。
夢見がちな自分と冷静な自分
好きになると、どうしても理想化してしまう。
その人の良いところばかりが目について、一緒にいる未来が薔薇色に見える。デートの計画を立てたり、二人の将来を妄想したり。そんな時間は確かに幸せ。
でも一方で、もう一人の自分がささやく。
「本当にこの人でいいの？」 「現実を見なさい」 「もっと冷静に考えなさい」
この二つの声の間で、いつも揺れ動いている。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、恋愛における「認知バイアス」について学んだ。好きな人に対しては、どうしても肯定的な情報ばかりに注目してしまう傾向がある。
でも、それが必ずしも悪いことではないとも学んだ。ある程度の理想化は、関係を育てるために必要なプロセスでもある。
現実的に考えるってどういうこと？
現実的に考えるとは、冷たく計算することではない。
むしろ、自分と相手の両方を大切にするために、長期的な視点で関係を見つめること。
価値観の違いはないか。 ライフスタイルは合うか。 将来の目標は一致しているか。 お互いを尊重し合えるか。 困難な時も支え合えるか。
これらを考えることは、決してロマンチックではないかもしれない。でも、本当に幸せな関係を築くためには必要なこと。
理想と現実のバランス
恋愛には、理想と現実の両方が必要。
理想だけでは、いつか現実の壁にぶつかる。現実だけでは、心が満たされない。
大切なのは、そのバランス。
相手の素敵なところに心を動かされながらも、同時に冷静な目で関係を見つめる。感情に任せて突っ走るのではなく、でも感情を否定するのでもなく。
私も昔、感情だけで恋愛をしていた時期がある。相手のことが好きすぎて、明らかに合わない部分も見ないふりをしていた。でも結局、現実の問題は解決されることなく、関係は終わってしまった。
その経験から学んだ。感情と理性、両方を大切にすることの重要性を。
相手のことを本当に知る努力
現実的に考えるためには、まず相手のことを本当に知る必要がある。
表面的な魅力だけでなく、その人の価値観や生活習慣、人間関係の築き方、困った時の対処法。
でも、これらを知るのは簡単ではない。特に片思いの段階では、相手の「素」の部分を見る機会は限られている。
だからこそ、焦らずに時間をかけることが大切。様々な場面でその人を観察し、様々な話題で会話し、少しずつその人の人となりを理解していく。
自分自身も見つめ直す
相手のことを現実的に見るのと同時に、自分自身のことも見つめ直す必要がある。
自分は何を求めているのか。 どんな関係を築きたいのか。 何を妥協できて、何は妥協できないのか。
好きになると、つい相手に合わせすぎてしまうことがある。でも、自分らしさを失った関係は、長続きしない。
私も過去に、好きな人に合わせて自分を変えようとしたことがある。でも結局、無理をしている自分に疲れてしまった。そして相手も、本当の私ではない人を好きになっていたのだと気づいた。
時間という贈り物
現実的に考えるためには、時間が必要。
すぐに答えを出そうとしなくていい。急いで結論を求めなくていい。
時間をかけて、その人との関係を育てていく。時間をかけて、自分の気持ちを確かめていく。時間をかけて、二人の相性を見極めていく。
時間は、恋愛における最も貴重な贈り物。その時間を大切に使おう。
不安も大切なサイン
現実的に考えているときに感じる不安は、決して悪いものではない。
むしろ、その不安は大切なサイン。あなたの心が、何かに気づこうとしているサイン。
その不安と向き合い、その原因を探り、その意味を考える。そうすることで、より良い判断ができるようになる。
完璧な人はいない
現実的に考えるとき、忘れてはいけないことがある。
完璧な人はいない。完璧な関係もない。
相手にも欠点があるし、自分にも欠点がある。大切なのは、お互いの欠点を受け入れ合えるかどうか。そして、一緒に成長していけるかどうか。
理想を下げる必要はない。でも、現実を受け入れる柔軟性は必要。
今この瞬間も大切に
現実的に考えることは大切。でも、今この瞬間の気持ちも大切に。
好きという気持ちは、それ自体が美しいもの。その気持ちを否定する必要はない。
現実的に考えながらも、恋をしている今の自分を愛そう。ドキドキする気持ちも、切ない気持ちも、すべてが貴重な体験。
あなたのペースで
恋愛に正解はない。あなたのペースで、あなたの方法で、その人との関係を考えていけばいい。
感情と理性、理想と現実、すべてのバランスを取りながら。
そして何より、自分自身を大切にしながら。
好きな人との未来を現実的に考えることは、決して冷たいことではない。むしろ、その人との関係を真剣に考えている証拠。
その真剣さを大切に、一歩ずつ前に進んでいこう。