夜中にスマホで恋愛映画の予告編を見ながら、ふと思う。
「私の理想って、現実離れしすぎているのかな」
映画の中の完璧な男性像と、実際に出会う人たちとのギャップ。友達の恋人を見て感じる「なんでこの人を選んだんだろう」という疑問。そして何より、自分がいつまでも一人でいることへの不安。
もしかしたら、理想を見直す時期が来ているのかもしれない。
理想が生まれる場所
恋愛の理想は、どこから生まれるのだろう。
映画やドラマ、小説の中の王子様。 憧れの芸能人やアニメのキャラクター。 友達の恋人への羨望。 過去の恋愛での「もっとこうだったら」という思い。
そして時には、父親や兄弟といった身近な男性像への憧れや反発も。
私も大学時代、コミュニケーション学を学びながら、「理想的なコミュニケーション」について考えていた。でも実際に人と接してみると、教科書通りにはいかない。理論と現実の間には、大きな隔たりがある。
恋愛も同じ。頭で描く理想と、実際の人間関係は別物なのかもしれない。
「理想が高い」と言われることの辛さ
「あなたって理想が高いよね」
この言葉を言われたことがある人は多いのではないだろうか。そしてその度に、心の中で複雑な気持ちになる。
理想を持つことは悪いことなのだろうか。 妥協することが大人になることなのだろうか。 私はわがままなのだろうか。
でも待って。理想を持つことは、決して悪いことではない。それは、自分を大切にしている証拠でもある。
問題は、理想が現実を見えなくしてしまうこと。そして、理想に縛られて身動きが取れなくなってしまうこと。
理想の正体を見つめ直す
理想を見直すとき、まず大切なのは「なぜその理想を持っているのか」を考えることだと思う。
身長が高い人がいい → なぜ?安心感が欲しいから?見た目の問題? 高収入の人がいい → なぜ?経済的不安があるから?ステータスが欲しいから? 優しい人がいい → なぜ?過去に傷ついた経験があるから?
理想の奥にある「本当に大切にしたいもの」が見えてくると、その理想が本当に必要なのかが分かってくる。
私も昔、「絶対に高学歴の人でないと」と思っていた時期があった。でも本当に欲しかったのは、知的な会話ができる関係だった。学歴はその手段の一つでしかなく、他にも方法はあることに気づいた。
完璧な人なんていない
当たり前のことだけれど、完璧な人なんていない。
映画の中の王子様だって、実際に一緒に生活したら、歯磨き粉のキャップを閉めなかったり、靴下を脱ぎっぱなしにしたり、機嫌の悪い日もあるはず。
大切なのは、完璧さではなく、お互いの不完全さを受け入れ合えるかどうか。
あなたも完璧ではないように、相手も完璧ではない。でもその不完全さが、むしろ愛おしく感じられる関係こそが、本当の恋愛なのかもしれない。
「減点方式」から「加点方式」へ
理想に縛られていると、ついつい「減点方式」で人を見てしまう。
「身長が理想より低い(-10点)」 「年収が期待より少ない(-20点)」 「ファッションセンスがいまいち(-5点)」
でも、恋愛は減点方式で成り立つものではない。
むしろ「加点方式」で考えてみよう。
「優しく話を聞いてくれる(+30点)」 「一緒にいると安心する(+50点)」 「笑いのツボが同じ(+20点)」
同じ人を見ているのに、見え方が全然違ってくる。
理想と現実のバランス
理想を完全に捨てる必要はない。でも、現実とのバランスを取ることは大切。
絶対に譲れない「核となる価値観」は大切にしつつ、「あったらいいな」程度のものは柔軟に考える。
例えば:
- 核となる価値観:価値観が合う、お互いを尊重できる、一緒にいて心地よい
- あったらいいな:高身長、高収入、おしゃれ
この区別をつけることで、本当に大切なものが見えてくる。
今の自分に合った理想
20代の理想と30代の理想は違って当然。経験を積み、自分を理解するにつれて、本当に大切なものが分かってくる。
私も昔は外見的な条件ばかり気にしていた。でも人との深い関わりを経験するうちに、内面的な部分の方がずっと重要だということが分かった。
今の自分の状況、価値観、人生経験に合わせて、理想をアップデートしていくことは、成長の証でもある。
理想を見直すことは妥協ではない
「理想を見直す」ことを「妥協」だと思う必要はない。
これは、より現実的で、より幸せになれる可能性の高い選択をするということ。自分を理解し、本当に大切なものを見極めるということ。
映画のような恋愛も素敵だけれど、日常の中にある小さな幸せの方が、長続きすることが多い。毎朝「おはよう」と言い合える関係、一緒にいて自然体でいられる関係、お互いの成長を支え合える関係。
小さな一歩から始めよう
理想を見直すといっても、いきなり大きく変える必要はない。
まずは今度誰かと出会ったとき、いつもとは違う視点で相手を見てみよう。外見や条件ではなく、その人の話し方、笑い方、優しさの表れ方に注目してみる。
もしかしたら、今まで気づかなかった魅力を発見できるかもしれない。
あなたらしい恋愛を見つけよう
最終的に大切なのは、あなたらしい恋愛を見つけること。
他人の恋愛を羨ましく思う必要もないし、世間の「理想的なカップル像」に合わせる必要もない。
あなたが心から安心でき、自分らしくいられ、成長していける関係。それがあなたにとっての理想的な恋愛。
理想を見直すことは、その理想的な恋愛に近づくための第一歩。怖がらずに、でも急がずに、自分のペースで進んでいこう。
きっと、新しい視点で見た世界には、今まで見えなかった素敵な出会いが待っている。