恋愛ドラマを見るのが辛くなった

恋愛ドラマを見るのが辛くなった

昔は楽しく見ていた恋愛ドラマが、いつの間にか見ていて辛くなってしまった心境について

読了時間: 5分

リモコンを手に取って、いつものように動画配信サービスを開く。新しい恋愛ドラマが話題になっているみたい。昔なら迷わずクリックしていたのに、今は指が止まってしまう。

最近、恋愛ドラマを見るのが辛くなった。

昔はあんなに好きだったのに。キュンキュンしながら見て、主人公に感情移入して、「いいなあ」と思いながらも楽しんでいたのに。

今は画面の中の幸せな恋人たちを見ていると、胸の奥がざわざわして、なんだか息苦しくなってしまう。

あの頃は純粋に楽しめた

高校生や大学生の頃は、恋愛ドラマが大好きだった。

韓国ドラマにハマって、何十時間も一気見したこともある。月9ドラマは欠かさずチェックして、友達とキャストについて語り合ったりもした。

あの頃は、ドラマの中の恋愛が自分の未来の予告編のように感じられた。「私もいつかこんな恋愛ができるんだ」って、希望に満ちていた。

主人公が恋人とケンカしても、「でも最後はハッピーエンドだから」と安心して見ていられた。すべてがキラキラして見えて、恋愛って素晴らしいものなんだと心から信じていた。

現実と理想のギャップ

でも今は違う。

ドラマの中の完璧すぎる恋愛を見ていると、自分の現実がみじめに思えてくる。美しい主人公、素敵な相手役、ロマンチックなシチュエーション。どれも自分の人生にはないもの。

「こんなの現実じゃありえない」と頭では分かっている。でも心のどこかで比較してしまう自分がいる。

私の恋愛経験は、ドラマみたいにスムーズじゃない。相手の気持ちが分からなくて悩んだり、タイミングがずれて上手くいかなかったり。そもそも、ときめくような出会い自体が滅多にない。

一人でいる自分への視線

ドラマを見ていて一番辛いのは、恋人同士のシーンではなく、実は一人でいるキャラクターが描かれる瞬間。

「恋人がいない可哀想な人」として描かれることが多くて、それを見ている一人の自分が惨めになってしまう。

でも待って。私は本当に可哀想な存在なんだろうか?

一人の時間を楽しんでいるし、好きなことも見つけている。友達もいるし、家族とも仲良し。別に不幸じゃない。なのに、なぜドラマを見ると「一人でいる自分」がネガティブに感じられるんだろう。

メディアが作る「普通」の押し付け

大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、メディアが人々の価値観に与える影響について勉強した。

恋愛ドラマは確かにエンターテイメントだけど、同時に「恋愛はこうあるべき」「幸せはこういうもの」というメッセージを発信している。

「恋人がいることが当たり前」 「恋愛していない人生は不完全」 「真の幸せは恋愛でしか得られない」

そんな価値観を、知らず知らずのうちに刷り込まれているのかもしれない。

でも、それって本当だろうか?

私だけじゃない、この気持ち

同じような気持ちになったことがある人は、きっと私だけじゃない。

SNSでも時々見かける。「恋愛ドラマ見てると辛くなる」「幸せそうなカップル見るとモヤモヤする」そんな投稿。

みんな口に出しては言わないけれど、同じような経験をしている人がたくさんいる。それは決して心が狭いからでも、ひがんでいるからでもない。

人間として自然な感情だと思う。

見方を変えてみる

最近は、恋愛ドラマとの付き合い方を変えてみている。

主人公の恋愛模様ではなく、脇役の生き方に注目してみたり。恋愛以外の部分、仕事や友情、家族関係に焦点を当てて見てみたり。

そうすると、意外と発見がある。恋愛だけじゃない、いろんな形の幸せが描かれていることに気づく。

あとは、「これはファンタジー」だと割り切って見ること。現実と比較するのではなく、別世界の物語として楽しむ。

無理して見る必要はない

でも、それでも辛いときは、無理して見なくてもいい。

恋愛ドラマ以外にも、面白いコンテンツはたくさんある。サスペンス、コメディ、ドキュメンタリー、アニメ。自分が楽しめるジャンルを見つければいい。

私も最近は、一人の女性が主人公のドラマや、友情がテーマの作品をよく見る。恋愛要素があっても、それがメインじゃない作品。

そういう作品を見ていると、「恋愛だけが人生じゃない」ということを改めて実感する。

今の気持ちも一時的なもの

恋愛ドラマが辛く感じるのは、今のあなたの心の状態を表している。

もしかしたら、恋愛に対して少し疲れているのかもしれない。 もしかしたら、一人の時間を大切にしたい時期なのかもしれない。 もしかしたら、自分らしい幸せの形を模索している最中なのかもしれない。

どれも、とても自然なこと。

そして、この気持ちは永遠に続くわけじゃない。時が経てば、また違った気持ちでドラマを楽しめる日がくるかもしれない。

あなたの人生はあなたが主人公

ドラマの主人公は確かに素敵。でも、あなたの人生の主人公はあなた自身。

ドラマみたいな恋愛をしていなくても、あなたの人生はあなただけの特別な物語。誰かと比較する必要なんてない。

今、恋愛ドラマを見るのが辛いと感じているあなたも、きっと素敵な人。その繊細さや感受性の豊かさは、あなたの大切な個性。

無理に強がる必要はない。辛いときは辛いと認めて、自分に優しくしてあげよう。

今日は恋愛ドラマじゃない、別の何かを見て、自分だけの時間を楽しもう。それもまた、あなたらしい過ごし方なのだから。