「出会いがない」「機会がない」「職場は女性ばかりだし、趣味も一人でできることばかり」
そんな風に思っている人は多い。私もその一人だった。
でも最近気づいたのは、機会は向こうからやってくるものではなく、自分で作り出すものだということ。そして、その第一歩は思っているよりもずっと小さくて、身近なところにある。
機会を待っているだけでは始まらない
大学でコミュニケーション学を学んでいるときに、面白い研究を知った。
人との出会いの大部分は、実は「偶然」ではなく「意図的な行動」から生まれているという。つまり、何もしないでいると、本当に何も起こらない。
でも「意図的な行動」と聞くと、何か大げさなことをしなければいけないような気がしてしまう。合コンに参加するとか、婚活パーティーに行くとか、マッチングアプリを始めるとか。
確かにそれらも有効な方法だけれど、もっと小さな、もっと自然な一歩から始めることもできる。
日常の中にある小さなチャンス
実は、私たちの日常には小さなチャンスがたくさん散らばっている。
コンビニで同じ本を手に取った人と目が合ったとき。 カフェで隣の席の人が読んでいる本に興味を持ったとき。 電車で席を譲ってもらったとき、譲ったとき。 近所の犬の散歩をしている人と毎朝すれ違うとき。
これらはすべて、小さな一歩を踏み出すチャンス。でも多くの場合、私たちはそれに気づかずに通り過ぎてしまう。
私の小さな一歩体験
恥ずかしい話だけれど、私は長い間、書店で本を選ぶときも、誰とも視線を合わせないようにしていた。人との偶然の出会いを避けるように行動していた。
でも、ある日意識を変えてみた。
同じ棚を見ている人がいたら、少し微笑んでみる。 エレベーターで一緒になった人に「お疲れ様です」と声をかけてみる。 カフェで注文するときに、店員さんに「いつもありがとうございます」と言ってみる。
たったこれだけの小さな変化だったけれど、世界が少し変わった。人との関わりが増えて、会話も生まれるようになった。
小さな一歩の具体例
機会を作る小さな一歩は、本当にささいなこと。
興味のあるイベントに一人で参加してみる 読書会、映画鑑賞会、料理教室、写真展。一人で参加するのは勇気がいるけれど、同じ興味を持つ人との出会いが待っている。
いつもと違う道を歩いてみる 通勤路を変える、違う駅で降りる、新しいカフェに入ってみる。小さな変化が、新しい出会いを運んでくる。
SNSで地域のイベント情報をチェックする 町内会の催し、図書館のイベント、公民館の講座。意外と身近なところに参加しやすいイベントがある。
習い事を始める 語学、楽器、ダンス、ヨガ。新しいスキルを身につけながら、自然と人との関わりが生まれる。
完璧を求めすぎない
小さな一歩を踏み出すときに大切なのは、完璧を求めすぎないこと。
「今日は誰とも話せなかった」 「うまく会話が続かなかった」 「きっと変な人だと思われた」
そんな風に自分を責める必要はない。小さな一歩の価値は、結果ではなく「一歩踏み出したこと」そのものにある。
私も最初は、カフェで隣の人に声をかけようとして、結局何も言えずに終わることばかりだった。でもその「何も言えなかった」経験も、次の行動への準備になっていた。
拒絶されても大丈夫
小さな一歩を踏み出すとき、必ず考えてしまうのが「拒絶されたらどうしよう」ということ。
でも考えてみてほしい。道で挨拶をして無視されたとしても、あなたの価値は何も変わらない。カフェで話しかけて素っ気なくされたとしても、それはその人がたまたま忙しかったり、人見知りだったりするだけ。
拒絶は、あなた自身の否定ではない。ただの相性の問題。
一歩踏み出すあなたはもう変わっている
実は、小さな一歩を踏み出そうと考えている時点で、あなたはもう変わり始めている。
「機会がない」と嘆くだけの状態から、「機会を作ろう」と考える状態へ。これは大きな意識の変化。
その変化は、あなたの表情や雰囲気にも現れる。前向きな気持ちでいる人は、自然と人を惹きつける。そして、そんなあなたの変化に気づいて、向こうから話しかけてくれる人も現れるかもしれない。
今日からできること
明日から、来週から、来月から、ではなく、今日から。
今日帰る道で、コンビニの店員さんに「ありがとうございます」と笑顔で言ってみる。 今度の休日に、一人で映画を見に行ってみる。 気になっていたカルチャーセンターの講座に、資料請求してみる。
どんなに小さくても、一歩は一歩。その積み重ねが、いつか大きな変化につながる。
あなたらしい一歩を
誰かと同じ方法である必要はない。あなたらしい小さな一歩を見つけよう。
本が好きなら読書会へ。 映画が好きなら映画館のイベントへ。 散歩が好きなら地域のウォーキング会へ。
大切なのは、あなたが自然体でいられる場所で、小さな一歩を踏み出すこと。
機会は作るもの
機会がないのではない。機会に気づいていないだけ、機会を作っていないだけ。
今のあなたの日常の中に、たくさんの小さなチャンスが隠れている。それに気づいて、少しだけ勇気を出して手を伸ばしてみよう。
あなたの小さな一歩が、誰かの小さな一歩と出会うとき、そこに素敵なつながりが生まれる。
今日から、あなたの新しい物語を始めよう。小さな一歩から。