友達と会った後、家に帰ると必ずドッと疲れが出る。楽しかったはずなのに、なぜかエネルギーを使い果たしたような感覚になる。
職場でも、会議や雑談で人と関わった日は、帰宅後は何もする気になれない。お風呂に入るのも面倒で、ベッドに倒れ込んでしまう。
それなのに、心の奥では恋人が欲しいと思っている。
この矛盾した気持ちを、どう整理したらいいのだろう。
この矛盾は自然なこと
まず理解してほしいのは、この矛盾した気持ちはとても自然なものだということ。
人と接することで疲れるのは、あなたが繊細で、相手の感情や空気感に敏感だから。表面的な会話でも、無意識のうちに相手に合わせたり、気を遣ったりしている。
でも同時に、人間は本来社会的な動物。誰かとつながりたい、愛されたい、理解されたいという欲求も自然なもの。
この二つの気持ちが両方とも真実なら、どちらも否定する必要はない。
私も大学時代、この矛盾に苦しんだ。コミュニケーション学を学んでいるのに、人とのやり取りで消耗してしまう自分が情けなく感じた。でも今思えば、理論を知っているからこそ、より深く考えすぎて疲れていたのかもしれない。
エネルギーを奪う関係と与える関係
すべての人間関係が疲れるわけではない。
エネルギーを奪う関係と、エネルギーを与えてくれる関係がある。
エネルギーを奪う関係は、常に気を遣わなければいけない関係。相手の顔色を伺い、自分を偽り、期待に応えようと頑張りすぎる関係。
一方で、エネルギーを与えてくれる関係は、自然体でいられる関係。一緒にいるだけでホッとして、安心できて、むしろ元気になる関係。
恋人が欲しいと思うとき、あなたが求めているのは後者の関係なのではないだろうか。
「気を遣わない」ということ
本当に相性の良い恋人とは、気を遣わない関係を築ける。
でも「気を遣わない」というのは、相手のことを考えないという意味ではない。お互いを思いやりながらも、自然体でいられるということ。
無理に明るく振る舞わなくても、完璧でなくても、疲れているときは疲れていると言える。そんな関係。
私も長い間、「恋人ができたら、もっと人と関わらなければいけない」と思い込んでいた。でも実際は逆だった。本当に大切な人とは、一緒にいることで人付き合いの疲れが癒されるものだということを知った。
一人の時間も大切にしてくれる人
人と接するのが疲れるあなたには、一人の時間の大切さを理解してくれる恋人が必要。
「なんでそんなに一人でいたがるの?」と責めるのではなく、「疲れたときは無理しないで」と言ってくれる人。
毎日会わなくても、いつも連絡を取り合わなくても、お互いの存在を大切に思える関係。
そんな人となら、恋人がいても疲れることなく、むしろお互いを支え合っていける。
少しずつ心を開いていく
でも、そんな理想的な関係を築くには時間がかかる。
最初はどうしても、新しい人との関係では緊張するし、疲れることもある。それは当然のこと。
大切なのは、少しずつ本当の自分を見せていくこと。完璧な自分を演じ続けるのではなく、疲れやすい自分、一人の時間が必要な自分も含めて受け入れてもらうこと。
最初は怖いかもしれない。でも、そんなあなたを受け入れてくれる人こそが、本当にあなたを愛してくれる人。
エネルギーの管理を学ぶ
恋愛をするなら、自分のエネルギーの管理を学ぶことも大切。
どんなときに疲れるのか、どんなときに回復するのか、自分のパターンを知る。そして、それを相手にも伝える。
「今日は疲れているから、静かに過ごしたい」 「人と会った後は、少し一人の時間が欲しい」 「無理に話さなくても、一緒にいるだけで嬉しい」
こんな風に自分の気持ちを素直に伝えられる関係が理想的。
完璧な恋人像を手放す
「恋人ができたら、いつも楽しく会話して、毎日会って、常に幸せでいなければいけない」
そんな恋人像は、メディアが作り出した幻想かもしれない。
実際の恋愛は、もっと静かで、もっと日常的で、時には疲れることもある。でもその分、深くて、安定していて、お互いを本当に理解し合える。
あなたが人と接するのが疲れるなら、同じような感覚を持つ人と出会える可能性もある。お互いの特性を理解し合える関係を築ける。
あなたらしい恋愛を見つけよう
人それぞれ、恋愛のスタイルは違う。
毎日デートをするカップルもいれば、週に一度ゆっくり会うカップルもいる。いつも一緒にいるカップルもいれば、お互いの時間を大切にするカップルもいる。
大切なのは、あなたらしい恋愛を見つけること。人と接するのが疲れる自分を否定するのではなく、そんな自分でも幸せになれる関係を探すこと。
今の気持ちを大切に
「人と接するのが疲れるのに恋人が欲しいなんて、わがまま」
そんな風に自分を責める必要はない。
あなたの気持ちはどれも正しい。疲れやすいのも、恋人が欲しいのも、どちらも大切な感情。
今はまだその バランスの取り方が分からなくても、きっといつか、あなたにぴったりの関係を見つけられる。
疲れたときは無理をせず、でも心の奥にある「つながりたい」という気持ちも大切にして。
あなたのペースで、あなたらしい愛を育てていこう。そんなあなたを理解してくれる人は、きっといる。