「あなたって本当に真面目で素敵ね」
そう言われるたび、嬉しいような、でもどこかモヤモヤするような気持ちになる。
真面目であることは、確かに美徳だと思う。仕事では評価されるし、友達からも信頼される。でもなぜか、恋愛だけはうまくいかない。
まるで真面目であることが、恋愛では足枷になっているかのように。
恋愛にも「正解」を求めてしまう
真面目な私たちは、何事にも正しいやり方があると信じている。
恋愛においても、「理想的なデート」「正しいコミュニケーション」「適切な距離感」を追求してしまう。でも恋愛に、教科書通りの正解なんてない。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、恋愛関係のダイナミクスについて多くの理論を学んだ。でも実際に恋愛をしてみると、理論なんて何の役にも立たなかった。
むしろ、理論を知っているがゆえに、自分の行動や相手の反応を分析しすぎて、自然な感情の流れを見失ってしまうことが多かった。
「失敗してはいけない」という重圧
真面目な人ほど、失敗を恐れる。
恋愛においても、「変なことを言ってはいけない」「嫌われるようなことをしてはいけない」という思いが強すぎて、本当の自分を出せなくなってしまう。
でも恋愛は、ある意味「美しい失敗の連続」。不器用な会話、ちょっとした勘違い、タイミングの悪いメッセージ。そんな小さな失敗も含めて、二人の関係が深まっていく。
私も昔、完璧なデートプランを立てて、完璧な会話を心がけて、完璧な自分を演じようとしていた。でもそれは、本当の私ではなかった。相手も、きっと本当の私を知ることができなかったと思う。
感情よりも理屈を優先してしまう
真面目な人は、論理的思考が得意。でも恋愛は、理屈では割り切れない感情の世界。
「この人と付き合うメリットは何だろう」 「将来性はあるだろうか」 「価値観は合うだろうか」
そんなことを考えているうちに、胸の奥で静かに燃えていた想いを見失ってしまう。
恋愛において大切なのは、理屈ではなく「この人といると楽しい」「この人の笑顔が好き」「なんだかほっとする」といった、シンプルで説明のつかない感情。
相手を「評価」してしまう
真面目な人は、物事を客観的に評価する習慣がある。恋愛においても、つい相手を評価してしまいがち。
「この人は誠実だろうか」 「経済力はあるだろうか」 「家庭的だろうか」
でも評価される側にとっては、試験を受けているような居心地の悪さを感じてしまう。
私も昔、デート中に相手の言動を心の中でチェックしていたことがある。でもそれでは、お互いに自然体でいることができない。評価する人と評価される人の関係では、対等な愛情は育たない。
「こうあるべき」が多すぎる
真面目な人の頭の中には、「〜すべき」がたくさんある。
「女性らしくあるべき」 「控えめであるべき」 「相手を立てるべき」 「感情的になってはいけない」
でもこれらの「べき論」が、本当の自分を隠してしまうことがある。
恋愛において魅力的なのは、完璧な人ではなく、人間らしい人。時には感情的になったり、ちょっとわがままを言ったり、素直に甘えたり。そんな人間らしさが、相手の心を動かす。
駆け引きができない
真面目な人は、駆け引きが苦手。でも恋愛には、ある程度の駆け引きが必要な場面もある。
すぐに返事をしすぎたり、感情をストレートに伝えすぎたり、相手のペースに完全に合わせてしまったり。
決して騙し合いをしろということではない。でも、少し謎めいた部分を残したり、相手に追いかけてもらう余地を作ったり。そんな遊び心も、恋愛においては大切。
真面目さも、使い方次第
でも、真面目であることが恋愛においてマイナスばかりかといえば、そうではない。
真面目な人の誠実さ、責任感、思いやりの深さ。これらは、長期的な関係においては何より大切な資質。
問題は、真面目さの「使い方」。
恋愛の初期段階では、少し肩の力を抜いて、遊び心や自然体の魅力を前面に出す。そして関係が深まってきたら、持ち前の真面目さや誠実さを活かしていく。
完璧でない自分を愛してもらう勇気
真面目すぎる女性が恋愛で幸せになるためには、「完璧でない自分」を見せる勇気が必要。
失敗してもいい。不器用でもいい。時には感情的になってもいい。
そんな不完全な自分を受け入れてくれる人こそが、本当にあなたを愛してくれる人。完璧な自分を演じて得た愛情は、いつか疲れてしまう。
バランスを見つける
真面目であることをやめる必要はない。でも、時と場合によって、その真面目さをコントロールできるようになろう。
仕事では完璧主義でいいけれど、デートでは少しリラックスして。 友達には責任感の強いところを見せるけれど、恋人の前では少し甘えてみる。
そんなふうに、場面に応じて自分の見せ方を変えられるようになると、恋愛はもっと楽しくなる。
真面目なあなたの魅力は、決して恋愛の障害ではない。ただ、時には肩の力を抜いて、もっと自由に、もっと自然に恋愛を楽しんでみて。
あなたの誠実さを理解し、不完全な部分も含めて愛してくれる人は、きっといる。