恋愛で見つけた自分の嫌な一面

恋愛で見つけた自分の嫌な一面

恋愛を通して初めて気づいた自分の醜い部分と、それとどう向き合うかについて

読了時間: 5分

恋愛は、自分の知らなかった一面を映し出す鏡だ。

それまで「私って優しい人だと思う」「私は嫉妬深くない」「私は理性的な人間だ」と思っていた。でも、好きな人ができたとき、まるで別人のような自分と出会ってしまった。

その醜さに愕然として、自己嫌悪に陥った夜のことを、今でもはっきりと覚えている。

嫉妬という感情の醜さ

彼のSNSを何度もチェックしている自分がいた。

誰と一緒にいるのか、どんなコメントがついているのか、女性の友達と親しげに話している写真を見つけては、胸の奥が黒く染まっていく感覚。

「私はそんなことで嫉妬したりしない」と思っていたのに、気がつけば彼の過去の恋人のことまで調べていた。

なんて醜い自分なんだろう。なんて小さな人間なんだろう。

こんな自分を知られたら、きっと彼は引いてしまう。だから必死にその感情を隠そうとした。でもそれがさらに自分を苦しめることになった。

執着という名の重さ

好きという気持ちが、いつの間にか執着に変わっていた。

彼の返事が遅いと不安になり、既読スルーされると「何か悪いことをしたかな」と一日中考え込む。彼の言葉の一つ一つを分析して、「これは脈ありのサインかな」「これは興味がないってことかな」と勝手に解釈する。

友達に相談すると「重すぎる」と言われた。その言葉が胸に刺さった。

私は重い女だった。相手の負担になる存在だった。でも、どうやってこの気持ちを軽くしたらいいのか分からなかった。

理想の自分との乖離

大学でコミュニケーション学を学んでいた私は、恋愛においても「理性的」でありたいと思っていた。

感情に振り回されない、クールで魅力的な女性。そんな理想の自分があった。

でも現実の自分は、彼の一つの行動で一喜一憂し、勝手に期待しては勝手に失望し、まるで思春期の女の子のように不安定だった。

学んだ理論なんて、実際の恋愛では何の役にも立たなかった。むしろ、「こんなに感情的になってはいけない」という思いが、自分をさらに苦しめた。

比較という毒

彼の周りにいる他の女性と、無意識に自分を比較していた。

あの人の方が可愛い、あの人の方が明るい、あの人の方がスタイルがいい。そんなことばかり考えて、自分に自信を失っていく。

恋愛する前は、そんなに他人と自分を比べることはなかった。でも恋をすると、急に世界中の女性が競争相手に見えてしまう。

この比較癖は、恋愛が終わった後も長く尾を引いた。自分の価値を他人との比較でしか測れなくなってしまった時期があった。

コントロール欲の醜さ

無意識のうちに、彼をコントロールしようとしていた。

「こう言えば、きっとこう返してくれる」「こうすれば、もっと私に興味を持ってくれる」

恋愛テクニックの本を読んだり、心理学の知識を使ったり。でも、人の心は計算通りにはいかない。

相手を一人の人間として尊重するのではなく、自分の理想に当てはめようとしていた。それは愛ではなく、エゴだった。

自分を見失う怖さ

彼に好かれたい一心で、本当の自分を偽ることもあった。

彼が好きそうな映画を見て、彼が興味を持ちそうな話題を勉強して、彼に合わせた自分を演じていた。

でも、演じ続けるのは疲れる。そして「もし本当の私を知ったら、彼は私を好きでいてくれるだろうか」という不安が常につきまとった。

本当の自分って何だったんだろう。彼のために変わった自分は、果たして成長なのか、それとも迷いなのか。

それでも恋愛は教えてくれる

でも今思えば、その醜い自分と出会えたことは、大きな財産だった。

恋愛は、自分の一番弱い部分、一番醜い部分を容赦なく見せてくる。でもそれは、自分を知るための貴重な機会でもある。

嫉妬深い自分、執着する自分、比較してしまう自分。それらすべてが、本当の私の一部。それを否定するのではなく、受け入れることから始まった。

完璧でない自分を愛する

私たちは完璧な人間ではない。

恋愛という強烈な感情の前では、理性的でいたいと思っても感情的になってしまう。冷静でいたいと思っても、不安になってしまう。

でも、それが人間らしさなのかもしれない。

嫉妬することも、執着することも、時には醜いと感じることも、すべて愛する力の表れ。その力が間違った方向に向いてしまっただけ。

成長のための痛み

あの恋愛で見つけた嫌な一面は、今の私にとって大切な教訓になっている。

嫉妬しそうになったときは、その感情を否定するのではなく、「なぜ不安になっているのか」を考えるようになった。

執着しそうになったときは、相手のことを本当に思うなら、自由にしてあげることも愛だと思い出すようになった。

完璧でない自分を恥じるのではなく、成長途中の自分として受け入れるようになった。

あなたも同じではありませんか

恋愛で自分の嫌な一面を見つけてしまったあなた。

その自己嫌悪、その落ち込み、その混乱。すべて理解できます。

でも、その醜いと感じる部分も含めて、あなたはあなた。完璧でない自分を責めるのではなく、そんな自分も愛してあげてください。

恋愛は私たちを成長させてくれます。時には痛みを伴いながらも、より深く自分を理解し、より優しく他人を愛することを教えてくれます。

今日からの小さな変化

今度恋をしたときは、少しだけ違った自分でいられるかもしれません。

完璧でなくてもいい。でも、少しだけ自分に優しく、少しだけ相手を信じて、少しだけ自分らしくいられるように。

あの恋愛で見つけた嫌な一面は、今度の恋愛をより美しいものにするための道しるべになってくれるはずです。

あなたの心の傷も、いつかきっと、誰かを深く愛するための優しさに変わっていくから。