引きこもり期間中に見つけた自分の価値

引きこもり期間中に見つけた自分の価値

社会から離れた期間が教えてくれた、本当の自分の価値と向き合う大切さについて

読了時間: 5分

部屋のカーテンを閉め切って、外の世界と距離を置いた日々。

周りから見れば「問題のある期間」かもしれない。でも今振り返ると、あの時間は私にとって必要不可欠な自分探しの旅だった。

引きこもっていた期間に、私は本当の意味で自分と向き合うことができた。そして、思いがけない発見をたくさんした。

静寂の中で聞こえてくる声

外の世界の騒音から離れると、初めて自分の内側の声が聞こえてくる。

毎日学校や職場に通い、人と会い、SNSをチェックし、テレビを見ていた頃は、常に外からの刺激に反応するだけで精一杯だった。自分が本当に何を考え、何を感じているのか、立ち止まって考える時間がなかった。

でも一人の部屋で、何時間も何もしないでいると、心の奥底からいろいろな思いが浮かんでくる。

「私は本当は何が好きなんだろう」 「どんな時に幸せを感じるんだろう」 「今まで我慢していたことは何だろう」

こんな当たり前のような疑問に、私は答えられずにいた。

他者の期待から解放される体験

私が大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、興味深い理論を学んだ。人は常に「他者からどう見られるか」を意識して行動している、というもの。

引きこもり期間中、初めてその呪縛から解放された。

誰にも見られていない。誰からも評価されない。誰の期待にも応える必要がない。

最初は不安だった。「こんなことしていていいのだろうか」「みんなは頑張っているのに」と自分を責めた。

でも少しずつ、その自由さに慣れてくると、本当の自分が顔を出し始めた。

好きな本を心ゆくまで読む。 好きな音楽を聞きながら、ぼんやりと考え事をする。 誰かに気を遣うことなく、自分のペースで過ごす。

こんなシンプルなことが、こんなにも心地よいなんて。

孤独と向き合う強さ

引きこもり期間中、一番辛かったのは孤独感だった。

でも、その孤独と正面から向き合ううちに、大切なことに気づいた。孤独は敵ではない。孤独は、自分と深く対話するためのスペースなのだと。

一人でいることが怖くなくなった。むしろ、一人の時間の豊かさを知った。

誰かといなければ価値がない、なんてことはない。一人でいても、私は私として存在している。それだけで十分価値がある。

この実感は、今でも私の支えになっている。

内省する力の発見

引きこもっている間、私は膨大な量の本を読んだ。哲学書、心理学の本、文学作品。普段なら「難しそう」と敬遠していた本も、時間があることで挑戦できた。

そして気づいた。私は深く考えることが好きなのだと。複雑な問題について、あれこれ思いを巡らせることに喜びを感じる。

これは社会的には必ずしも評価されない能力かもしれない。でも私にとっては、かけがえのない才能だった。

感受性という宝物

引きこもり期間中、小さなことに心を動かされることが多くなった。

窓から見える空の色の変化。 鳥のさえずり。 本の中の美しい一文。 音楽の中の繊細なメロディー。

こんなことに涙が出そうになるなんて、以前の私には理解できなかっただろう。

でも今は分かる。この繊細な感受性こそが、私の一番の宝物だということを。

世の中は「強くなれ」「鈍感になれ」と言うかもしれない。でも私の繊細さは、私らしさの一部。それを隠す必要はない。

創造性の芽生え

時間がたっぷりあることで、今まで眠っていた創造性が目を覚ました。

絵を描いてみたり、詩を書いてみたり、料理に凝ってみたり。誰かに見せるためではなく、自分が楽しいから。

その過程で気づいた。私は何かを作り出すことに喜びを感じるのだと。

完璧である必要はない。上手である必要もない。ただ、自分の内側から湧き上がるものを形にすることの純粋な楽しさ。

自分のペースの大切さ

社会に出ていると、常に他人のペースに合わせることが求められる。

でも引きこもり期間中、私は自分本来のペースを思い出した。

朝はゆっくり起きて、午前中は読書。午後は散歩がてらに近所のコンビニへ。夜は音楽を聞きながら、日記を書く。

このペースが、私にとって一番自然で、一番創造的でいられるリズムだった。

引きこもりは恥ずかしいことではない

社会は「引きこもり」にネガティブなイメージを持っている。

でも私の経験から言えば、引きこもり期間は決して無駄な時間ではない。むしろ、自分と深く向き合う貴重な機会。

もちろん、ずっと引きこもり続けるのは現実的ではない。でも、一定期間社会から距離を置くことで見えてくるものもある。

自分を責める必要はない。その時間に意味があったことを、いつか必ず理解できる日が来る。

再び世界とつながる準備

引きこもり期間を通じて見つけた自分の価値を、今度は外の世界でも大切にしていきたい。

無理に他人に合わせる必要はない。自分のペースで、自分らしく、少しずつ社会とつながっていけばいい。

私が見つけた価値:

  • 深く考える力
  • 繊細な感受性
  • 一人でいることを恐れない強さ
  • 創造する喜び
  • 自分本来のペース

これらすべてが、今の私を作っている大切な要素。

あなたの中にも宝物がある

もしあなたが今、社会から距離を置いている時期にいるなら、自分を責めないで。

その時間の中にも、きっと大切な発見が待っている。あなたの中にも、まだ見つけていない宝物がある。

急ぐ必要はない。他人と比べる必要もない。

今のあなたは、今のあなたなりの価値を持っている。それを見つける時間を、大切にしてほしい。

一人でいる時間は、決して失われた時間ではない。自分と出会うための、大切な時間なのだから。