恋愛ほど、自分の価値観を浮き彫りにするものはない。
好きになった相手との関係の中で、今まで知らなかった自分の一面が次々と現れる。時には驚き、時には戸惑い、そして時には深く納得する。
恋愛は鏡のようなもの。相手を通して、本当の自分が見えてくる。
言葉より行動で示したい私
初めて本気で好きになった人がいたとき、私は自分の愛情表現について深く考えるようになった。
世の中には「愛してる」を毎日言える人もいれば、言葉で表現するのが苦手な人もいる。私は明らかに後者だった。
でも、代わりに相手の好きなお菓子をそっと買ってきたり、疲れている日には無言でお茶を入れてあげたり、体調が悪いときには自然にそばにいたり。
自分の愛情表現の方法が分かった瞬間だった。私は言葉よりも行動で愛を示したいのだと。
大学でコミュニケーション学を学びながら、皮肉にも「言葉によるコミュニケーション」が苦手な自分を発見した。でもそれは欠点ではなく、私らしい愛し方だったのだ。
一人の時間を大切にしたい
恋愛関係になると、多くの人は相手と過ごす時間を最優先にする。
でも私は、一人の時間がないと息苦しくなってしまう。本を読んだり、散歩をしたり、ただぼーっと考えごとをしたり。そんな時間が必要だった。
最初は「冷たい人だと思われるかもしれない」と不安だった。でも正直に話してみると、意外にも理解してもらえた。
そして気づいた。一人の時間があるからこそ、相手との時間がより特別になる。自分の内面が充実しているからこそ、相手に与えられるものがある。
完璧でない自分でいたい
恋愛する前は、相手の前では「良い自分」でいなければと思っていた。
でも実際に誰かを好きになってみると、完璧な自分を演じ続けることの疲れを感じた。そして何より、相手にも完璧でいてほしいとは思わないことに気づいた。
朝起きたときのぼさぼさの髪。 体調が悪いときの情けない顔。 時々見せる子どもっぽい一面。
そんな不完全な部分も含めて、愛し合えることの方が大切だった。
支えることも支えられることも好き
私は人に甘えるのが苦手だと思っていた。
でも恋愛を通して、実は「支える」ことも「支えられる」ことも、両方とも好きなのだと気づいた。
相手が落ち込んでいるときには、そっと背中を押してあげたい。でも自分が辛いときには、素直に甘えたい。
この発見は、私の人間関係全般を変えた。友達との関係でも、家族との関係でも、一方的に与える人でも受け取る人でもなく、お互いに支え合える関係を求めるようになった。
将来を一緒に想像したい相手
恋愛をする前は、「今」が楽しければそれで良いと思っていた。
でも本当に好きになった人とは、自然と将来のことを話すようになった。来月の予定だけでなく、来年、5年後、10年後のこと。
「この人となら、歳を重ねても一緒にいたい」と思える相手こそが、本当に大切な人なのだと気づいた。
一緒に年をとることを想像して嬉しくなる。そんな相手と出会えたときの感動は、今でも忘れられない。
価値観の違いを楽しめるかどうか
面白いことに、まったく同じ価値観の人よりも、少し違う価値観を持った人の方が魅力的だった。
私はインドア派だけれど、相手がアウトドア派だったり。 私は計画的だけれど、相手が自由奔放だったり。
その違いが刺激になり、新しい世界を見せてくれる。でも、根本的な部分での価値観は共有していたい。
優しさを大切にすること。 誠実でいること。 お互いを尊重すること。
そんな基本的な価値観が合っていれば、細かい違いはむしろ魅力になる。
相手の成長を応援したい気持ち
恋愛を通して、私は「応援する」ことの喜びを知った。
相手が何かに挑戦するとき、心から応援したいと思う。成功すれば一緒に喜び、失敗しても一緒に乗り越えたいと思う。
そして同じように、自分の挑戦も応援してもらいたいと思う。
お互いがお互いの成長を支え合える関係。それが私の理想だった。
恋愛は自分を知る旅
恋愛する前の私は、自分の価値観について深く考えたことがなかった。
でも誰かを好きになり、その人と関係を築いていく中で、自分の本当の気持ちや大切にしたいことが次々と明確になった。
時には相手との価値観の違いに戸惑うこともあった。でもそれすらも、自分を知るための大切なプロセスだった。
失敗も含めて価値のある経験
恋愛がうまくいかなかったときも、決して無駄ではなかった。
むしろ、なぜうまくいかなかったのかを考える中で、自分にとって本当に大切なものが何なのかが見えてきた。
相手を責めるのでもなく、自分を責めるのでもなく、ただ「合わなかった」ということを受け入れられるようになった。
今の自分を大切にしながら
恋愛で見つけた価値観は、今の私の土台になっている。
次に誰かを好きになったときにも、その価値観を大切にしながら関係を築いていきたい。でも同時に、新しい発見にも心を開いていたい。
私たちは恋愛を通して成長し続ける。そして成長するたびに、より深く自分を愛せるようになる。
恋愛は、自分自身との出会いでもあるのだから。