友達との会話で、時々感じる違和感がある。
「恋愛が人生のすべて」「恋人がいないと意味がない」
そんな言葉を聞くたび、心の奥で小さな反発を感じる。恋愛も大切だけれど、私にはそれ以上に大切にしたいものがある。
でも、そんな自分が冷たいのかな、変なのかな、と不安になることもある。
恋愛が全てじゃない、という罪悪感
この社会では、恋愛を最優先にしない女性は、どこか「足りない」人として見られがち。
「恋愛に興味がない」と言えば、「何か問題があるのでは」と心配される。 「仕事を優先したい」と言えば、「女らしくない」と言われる。 「一人の時間が好き」と言えば、「本当はさみしいのでしょう」と決めつけられる。
でも、本当にそうなのだろうか。
私が大学でコミュニケーション学を学んでいた時、多様な価値観に触れる機会があった。そこで気づいたのは、人生における優先順位は人それぞれだということ。恋愛を最優先にする人もいれば、そうでない人もいる。どちらも正しい生き方なのだ。
私の大切な価値観
私には、恋愛よりも大切にしたい価値観がある。
知的好奇心を満たすこと。本を読み、新しいことを学び、自分の世界を広げること。
創作活動や趣味に没頭する時間。誰にも邪魔されず、自分の内側と向き合う静かな時間。
家族や友人との深いつながり。恋愛関係ほど情熱的ではないけれど、長く続く安定した絆。
社会に何らかの形で貢献すること。仕事を通じて、誰かの役に立つこと。
これらの価値観は、私にとって恋愛と同じか、時にはそれ以上に重要。だから恋愛のために、これらを犠牲にするのは考えられない。
「普通」への疑問
社会が描く「普通の女性像」に、時々息苦しさを感じる。
20代で恋人を作り、30歳前後で結婚し、子どもを産み、家庭を築く。それが「幸せな人生」の標準とされている。
でも、その道筋が合わない人もいる。私もその一人。
恋愛に全エネルギーを注ぐよりも、自分の興味のあることに時間を使いたい。誰かのために自分を変えるよりも、自分らしくいたい。安定した関係よりも、自由で柔軟な関係を好む。
これらの感覚は、間違っているのだろうか。
恋愛と価値観の両立の難しさ
恋愛を否定しているわけではない。
素敵な出会いがあれば嬉しいし、深いつながりを持てる相手がいればそれも素晴らしい。
でも、恋愛のために自分の価値観を曲げることはできない。そして残念ながら、私の価値観を理解してくれる相手との出会いは、そう簡単ではない。
「仕事が好きすぎる」と言われたことがある。 「もっと女性らしくして」と求められたこともある。 「俺のことを最優先にしてほしい」と言われて、関係が終わったこともある。
その度に、自分が間違っているのかと悩んだ。でも今は思う。価値観を曲げてまで得る恋愛に、本当の意味があるのだろうか。
一人でいることの豊かさ
恋愛をしていない時間を「空白の時間」と考える人もいる。
でも私にとって、その時間こそが最も豊かな時間。
好きな本を何時間でも読める。 興味のある講座に自由に参加できる。 突然思い立って旅行に行ける。 深夜まで創作活動に没頭できる。
これらの体験が、私を私らしくしている。恋愛でしか得られない経験もあるけれど、一人でしか得られない経験もある。
理解してくれる人もいる
幸い、私の価値観を理解してくれる友人もいる。
恋愛話で盛り上がることもあるけれど、それ以外の話題でも深く語り合える友人たち。お互いの選択を尊重し合える関係。
そんな友人たちとの時間は、恋愛関係にも引けを取らないほど大切で、充実している。
自分らしい恋愛の可能性
もしかしたら、いつか自分の価値観を理解してくれる人と出会うかもしれない。
お互いの個性を尊重し合い、一緒にいてもそれぞれの価値観を大切にできる関係。束縛し合うのではなく、支え合える関係。
そんな相手となら、恋愛も素晴らしいものになるだろう。でも、そうでない相手と無理に関係を築く必要はない。
価値観を大切にする勇気
恋愛より大切にしたい価値観があることを、恥じる必要はない。
それは、あなたが自分自身を深く理解し、大切にしている証拠。自分らしく生きる勇気を持っている証拠。
周りの目や社会の期待に流されず、自分の心の声に耳を傾けることの方が、よっぽど難しく、そして価値のあること。
今を大切に生きる
恋愛をしていない時間も、人生の大切な一部。
その時間に培った経験や知識、価値観は、きっと将来の自分を豊かにしてくれる。もし恋愛をするときがきても、その経験が深い関係性の基盤になるはず。
だから今は、自分の価値観を大切にして、自分らしく生きよう。恋愛は人生の一部であって、すべてではない。
あなたの価値観は、あなたの個性。それを大切にしている今の自分を、誇りに思っていい。
そして、もしいつか同じ価値観を持つ人と出会えたなら、それはきっと今まで経験したことのない、深く美しい関係になるはず。
焦らず、自分らしく。あなたの価値観を大切にしながら、今日という日を丁寧に生きていこう。