スマホを手に取る回数が、恋をしてから明らかに増えた。
画面を見るたびに「新着メッセージなし」の文字。時計を確認して、最後の連絡からどれくらい時間が経ったかを計算する。
また今日も、彼からの連絡を待つだけの一日が始まる。
なぜ私からは送れないのだろう
頭では分かっている。現代の恋愛において、女性から連絡することは全く普通のことだと。
でも、指がうまく動かない。
「しつこいと思われたらどうしよう」
「重いと思われたらどうしよう」
「まだ早すぎるかもしれない」
「彼が忙しいかもしれない」
そんな考えがぐるぐると頭の中を回って、結局何も送れずに終わる。そして後になって「送っておけばよかった」と後悔する。
この繰り返しが、もう何度も続いている。
待つことで感じる安全感
実は、待っているときには特別な安全感がある。
自分から行動しなければ、拒絶される可能性もない。相手のペースに合わせていれば、少なくとも「うっとうしい」と思われることはない。
私も昔、積極的にアプローチして痛い目に遭ったことがある。「ガツガツしている」と言われて、深く傷ついた。それ以来、自分から連絡することが怖くなった。
でも、この安全感には代償がある。受け身でいることで、関係の主導権を完全に相手に渡してしまうこと。
連絡頻度で愛情を測ってしまう
待つ時間が長くなると、連絡の頻度や速さで彼の気持ちを測ってしまう。
「返事が早い=私に興味がある」 「返事が遅い=私への関心が薄れている」 「連絡が来ない=もう終わり」
でも実際は、連絡頻度と愛情の深さは必ずしも比例しない。仕事が忙しい人もいるし、連絡をまめにするのが苦手な人もいる。彼なりの愛情表現があるかもしれない。
それでも、待っている間はそんなことを考える余裕がない。ただただ不安で、スマホを握りしめている。
「追いかけられたい」という願望
正直に言えば、心のどこかで「追いかけられたい」という願望がある。
自分から積極的に行動するよりも、相手から求められる方が特別感がある。愛されている実感も強い。
これは決して悪いことではない。追いかけられることで感じる喜びは、とても自然な感情。
でも、それだけに頼っていると、関係が一方的になってしまうリスクもある。
大学で学んだこと、現実で感じたこと
私がコミュニケーション学を学んでいたとき、「相互作用」の重要性について学んだ。良い関係は、一方的ではなく双方向のやり取りから生まれる。
でも実際の恋愛では、理論通りにいかないことが多い。感情が入ると、学んだことなんて頭から飛んでしまう。
特に好きな人が相手だと、普段の自分ではいられなくなる。もっと慎重になり、もっと受け身になってしまう。
小さな一歩から始める
でも、完全に受け身でいる必要はないかもしれない。
いきなり積極的になる必要はないけれど、小さな一歩なら踏み出せるかも。
彼が送ってくれた写真に対して、少し詳しく感想を伝えてみる。 彼が話していた出来事について、後日「あれはどうでしたか?」と聞いてみる。 何気ない日常の出来事を、軽い気持ちでシェアしてみる。
これらは「連絡を取る」というより「会話を続ける」という感覚。相手も返しやすいし、自然な流れを作ることができる。
彼のペースを理解しようとする
待つことが辛いのは、彼のコミュニケーションスタイルが見えないから。
でも少し観察してみると、彼なりのパターンが見えてくる。
平日は忙しくて連絡が少ないけれど、休日はゆっくり話してくれる人。 短文が多いけれど、会うときはたくさん話してくれる人。 連絡頻度は少ないけれど、内容がとても温かい人。
そのパターンが分かると、待つ時間も少し楽になる。彼が連絡をくれないのは、私への関心がないからではなく、彼なりの事情があるのだと理解できるから。
待つ時間を自分のために使う
連絡を待っている時間を、ただ不安に過ごすのはもったいない。
その時間を自分磨きの時間にしてみよう。本を読んだり、運動したり、友達と過ごしたり。自分の時間を充実させることで、心の余裕も生まれる。
そうやって自分を大切にしていると、相手にとってもより魅力的に映る。そして何より、恋愛以外のことでも満たされていると、連絡を待つ不安も和らぐ。
あなたの優しさは素晴らしい
男性からの連絡を待ってしまうのは、あなたが相手を思いやっているから。
相手のペースを尊重し、負担をかけたくないと思う優しい心の表れ。
その優しさは、きっと彼にも伝わっている。そして、そんなあなたの気遣いを大切に思ってくれている。
バランスを見つけること
受け身すぎるのも、積極的すぎるのも、どちらも極端。
大切なのは、あなたらしいバランスを見つけること。
あなたの優しさと思いやりは保ちながら、時には小さな勇気を出してみる。彼のペースを尊重しながら、あなたの気持ちも少しずつ表現してみる。
完璧なバランスを求める必要はない。少しずつ、あなたなりのコミュニケーションスタイルを見つけていけばいい。
今日も連絡を待っているあなたへ。
その優しい心を大切にしながら、でも時には小さな一歩を踏み出してみて。きっと素敵な関係が築けるはず。