最後に家族以外の人と会話をしたのは、いつだっただろう。
コンビニの店員さんに「ありがとうございました」と言ったのが、もう何週間も前。配達員さんに「お疲れさまです」と言ったのも、随分昔の話。
それなのに、心の中では恋愛への憧れがふつふつと湧いている。矛盾しているのは分かってる。でも、この気持ちはどうしようもなく本物。
恋への憧れは自然なもの
まず、この気持ちを恥じることはない。
人とのつながりや恋愛への憧れは、人間として自然な感情。たとえ今、家族以外との接点がなくても、その気持ちを持っていることは何も間違っていない。
私も大学を出てから、しばらくは同じような状況だった。在宅の仕事を始めて、気がつけば母親としか話していない日が続く。でも、ドラマを見たり、小説を読んだり、SNSを眺めたりしているうちに、「私も恋愛してみたい」という気持ちが芽生えていた。
この気持ちは、あなたがまだ諦めていない証拠。まだ希望を持っている証拠。それは大切にしたい気持ち。
理想の恋愛像を描く時間があった
実は、家族以外と話していない時間にも、大きな価値がある。
その間、あなたは本を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いたり、一人で考えたりする時間があった。その時間で培われた感性や価値観は、きっとあなただけのもの。
私も一人の時間が長かったからこそ、自分がどんな人を好きになりそうか、どんな関係を築きたいか、じっくりと考えることができた。世間の「モテる」「モテない」に惑わされず、自分の本当の気持ちと向き合えた。
外の世界との接点が少ないからこそ、純粋な恋愛観を持っているのかもしれない。
小さな一歩から始めよう
「恋したい」と思うなら、まずは人との小さな接点から作っていこう。
いきなり恋愛相手を見つけようとする必要はない。まずは「人と話すこと」に慣れることから。
例えば:
- コンビニで買い物をするときに、店員さんに「ありがとうございます」を言ってみる
- 図書館で本を借りるときに、司書さんに「この本面白そうですね」と一言言ってみる
- 散歩のときに、犬を連れている人に「可愛いですね」と声をかけてみる
これらは恋愛とは程遠いかもしれない。でも、人との会話のリハビリとして大切な第一歩。
オンラインから始める方法もある
直接会って話すのがまだ難しいなら、オンラインから始めるのも一つの方法。
趣味のコミュニティやSNSで、同じ興味を持つ人とやり取りをしてみる。最初は文字だけのコミュニケーションでも、人とのつながりを感じられる。
私も最初はオンラインの読書コミュニティから始めた。好きな本について語り合うことで、少しずつ人との会話に慣れていった。顔が見えない分、リラックスして自分らしくいられた。
家族との会話も練習になる
実は、家族との会話も立派なコミュニケーション練習。
家族だからこそ話しやすいこともあるけれど、逆に家族だからこそ遠慮なく言い合えることもある。その関係性を大切にしながら、会話のスキルを磨くことができる。
今度家族と話すときは、少し意識してみて。相手の話をよく聞いて、共感を示して、自分の気持ちも伝えてみる。これらは恋愛関係でも重要なスキル。
恋愛は特別なスキルではない
恋愛って、特別で難しいもののように感じるかもしれない。でも本質的には、人と人とのコミュニケーション。
相手を思いやり、自分の気持ちを伝え、一緒に時間を過ごすこと。これは決して高度なスキルではない。あなたが家族に対して自然にしていることと、根本的には同じ。
違いは、相手が家族ではないということ、そして恋愛感情が加わるということだけ。
一人の時間の経験を活かそう
一人の時間が長かったからこそ、あなたには他の人にない強みがある。
- 自分と向き合う力
- 一人の時間を楽しむ力
- 相手に依存しすぎない健全な距離感
- 内面の豊かさ
これらはすべて、良い恋愛関係を築くために重要な要素。
焦らずに、でも諦めずに
「家族以外と話してない」という状況から「恋愛」までは、確かに距離がある。でも、その距離を一気に縮める必要はない。
一歩ずつ、あなたのペースで進んでいけばいい。今日は家族と少し長く話してみる。明日はコンビニで店員さんと目を合わせてみる。来週はどこかに出かけてみる。
小さな積み重ねが、いつか大きな変化につながる。
あなたの恋愛も始まる
今は想像できないかもしれないけれど、あなたにも恋愛の時期はやってくる。
その時、一人で過ごした時間や、家族との関係で学んだことが、きっと役に立つ。純粋な気持ちで人を好きになり、自然体で接することができる。
恋愛経験が少ないことを劣等感に思う必要はない。むしろ、真っ白なキャンバスに美しい絵を描くように、あなたらしい恋愛を築いていける。
今日から小さく始めよう
「恋したい」という気持ちがあるなら、今日から小さく始めよう。
家族との会話を少し意識してみる。外出したときに、周りの人をそっと観察してみる。好きなタイプの人がどんな人かを考えてみる。
それだけでも、恋愛への第一歩。
あなたの「恋したい」という気持ちは、きっと叶う。時間はかかるかもしれないけれど、その分大切にできる関係に出会える。
家族以外と話していなくても、恋への憧れを持っているあなたは、もう歩き始めている。その一歩一歩を大切に、自分らしいペースで進んでいこう。