愛されるより愛したいのに、その機会がない

愛されるより愛したいのに、その機会がない

誰かを愛したいという純粋な気持ちを持ちながら、その相手に出会えない切なさについて

読了時間: 4分

夜中に目が覚めて、ふと思う。

私は愛されたいのではなく、愛したいのだ。

誰かのことを心から大切に思い、その人の幸せを願い、その人のために何かをしてあげたい。そんな純粋な気持ちが胸の奥にあるのに、その相手がいない。

この想いを注ぐ場所がない切なさ。

愛する気持ちが溢れている

私の中には、たくさんの愛がある。

家族や友人に向ける愛もあるけれど、それとは違う、特別な誰かに注ぎたい愛がある。

朝起きたとき、その人のことを最初に考えたい。 お疲れ様の一言を伝えたい。 美味しいものを見つけたとき、一緒に食べたいと思いたい。 その人が落ち込んでいるときは、そっと支えてあげたい。

そんな日常の小さな愛情を、誰かと分かち合いたい。

でも、その「誰か」がいない。

愛することの喜びを知っている

昔、深く愛した人がいた。その関係は上手くいかなかったけれど、愛することの素晴らしさは知っている。

愛するということは、決して苦しいことばかりではない。むしろ、人生を豊かにしてくれる。相手のことを思うだけで温かい気持ちになり、何でもない日常が特別な意味を持つようになる。

愛されることも嬉しいけれど、愛することの方がもっと能動的で、もっと自分らしい。

大学でコミュニケーション学を学んでいたとき、「愛とは与えることである」という言葉に出会った。愛は受け取るものではなく、与えるもの。その時、深く納得した。

出会いの場がない現実

でも現実は厳しい。

職場は女性ばかりで、新しい出会いはほとんどない。 友人の紹介も、なんとなく気の合う人がいない。 街で素敵な人を見かけても、話しかける勇気がない。 マッチングアプリは試してみたけれど、なんだか薄っぺらく感じてしまう。

私が求めているのは、軽い出会いではなく、深くつながれる関係。でも、そんな出会いはそう簡単には見つからない。

日常に埋もれてしまう

特に在宅ワークが増えてから、人との接点がさらに減った。

家と近所のカフェとスーパーの往復。時々友人と会うけれど、新しい出会いにつながることは稀。

気がつけば、同じような毎日の繰り返し。安全で安心できる日常だけれど、心の奥で何かが足りないと感じている。

それは、愛する相手がいないという寂しさ。

愛したい気持ちの行き場

愛したい気持ちがあるのに、その行き場がない。

時々、道で見かける老夫婦が手をつないで歩いている姿を見ると、胸がきゅっとなる。あんな風に、誰かと一緒に年を重ねていきたい。

映画で恋人同士が支え合っている場面を見ると、涙が出そうになる。私も誰かを支えたい、誰かのために頑張りたい。

でも、現実に戻ると、また一人の部屋。溢れる愛情の行き場がない。

自分を愛することから始める

友人に相談すると、よく言われる。

「まず自分を愛しなさい」

確かにその通りだと思う。自分を大切にできない人が、他人を大切にできるはずがない。

だから今は、自分への愛情も育てている。好きな本を読み、好きな映画を見て、好きな場所に出かける。自分の心と向き合い、自分らしさを大切にする。

でも、それでも誰かを愛したい気持ちは消えない。

待つ時間も愛の練習

もしかしたら、今は愛する相手を待つ時間なのかもしれない。

この期間は、愛する準備をする時間。自分の心を豊かにし、相手を受け入れる器を大きくし、愛情を注ぐ技術を磨く時間。

一人の時間が長いからこそ、人の気持ちがよく分かるようになった。 様々な経験をしたからこそ、相手の悩みに共感できるようになった。 本をたくさん読んだからこそ、深い会話ができるようになった。

今の私は、昔の私よりもずっと誰かを愛する準備ができている。

小さな愛を見つける

愛する相手がいない今でも、小さな愛を見つけることはできる。

コンビニの店員さんに心からお礼を言う。 友人の話を真剣に聞く。 道で困っている人に声をかける。 植物を大切に育てる。

これらも全て、愛の表れ。大きな愛を注ぐ相手がいなくても、日常の中で愛を実践することはできる。

その日は必ず来る

愛したい気持ちが強い人は、きっと愛される人でもある。

なぜなら、愛することを知っている人の温かさは、必ず誰かに伝わるから。愛情深い人の周りには、自然と人が集まってくる。

今はまだその時ではないかもしれない。でも、愛したい気持ちを大切に育て続けていれば、きっとその相手に出会える日が来る。

そして、その時がきたら、今まで溜めてきた愛情を思いっきり注げばいい。

愛する準備は整っている

愛されるより愛したいという気持ちは、とても美しい。

その純粋な想いは、きっと誰かの心に響く。あなたの愛を受け取りたいと思っている人が、どこかにいる。

だから今日も、その日を信じて過ごそう。愛する心を大切に持ち続けて、準備を整えながら。

あなたの愛を待っている人が、必ずいる。