友達から結婚の報告を受けた。LINEには幸せそうな笑顔の写真と「ついに結婚することになりました!」という文字。
「おめでとう!」と返信する。でも、スマホを置いた後、なんだか胸がもやもやする。
心から祝福したい。本当にそう思っている。なのに、なぜかすっきりしない気持ちが残る。
そんな自分が嫌になる。
素直に喜べない自分への罪悪感
友達の幸せを喜べない自分は、なんて小さい人間なんだろう。
そう思って自分を責めてしまう。友達は大切な人なのに、どうして心から「よかったね」と言えないのだろう。
でも、この気持ちは決して珍しいものではない。むしろ、とても人間らしい、自然な感情。
私も大学時代、友達が次々と恋人を作り、充実した日々を送っているのを見て、同じような気持ちになったことがある。表面では笑顔で祝福していたけれど、心の奥底では「なんで私だけ…」という気持ちがあった。
その時の自分を責める必要はない。そして今のあなたも、責める必要はない。
比較してしまう心の仕組み
人間は比較する生き物だ。
友達の幸せを見て、自分の現状と比べてしまうのは、脳の自然な働き。それは生存本能の一部でもある。
「みんなは幸せなのに、私だけが取り残されている」
そんな気持ちになるのは、あなたが冷たい人だからではない。あなたが人として当たり前の感情を持っているから。
私がコミュニケーション学を学んでいた時、社会的比較理論というものを知った。人は自分の価値や位置を理解するために、他者と比較することが避けられないのだという。
つまり、比較してしまう自分を責めるよりも、その感情とどう付き合うかを考える方が建設的。
嫉妬の奥にある本当の気持ち
友達の幸せに対するもやもやした気持ちの正体は何だろう。
それは純粋な嫉妬ではないかもしれない。むしろ、「私も幸せになりたい」という切実な願いの表れ。
友達が手に入れたものを見て、自分も同じように愛されたい、大切にされたい、幸せになりたいと思う。それは決して悪い感情ではない。
むしろ、あなたの中にある「幸せへの渇望」が、友達の幸せをきっかけに顔を出しただけ。
友達の幸せから学ぶこと
友達の幸せを見ることで、自分が本当に求めているものが見えてくることがある。
「ああ、私もこんな風に大切にされたい」 「私もこんな風に輝いていたい」 「私もこんな安心感が欲しい」
友達の幸せは、あなたの心の奥にある願いを教えてくれる鏡のような存在。
そう考えると、もやもやした気持ちも、あなたにとって大切なメッセージを含んでいる。
完璧に祝福できなくても大丈夫
「心から祝福したい」と思うあなたの気持ちは、とても優しくて素敵。
でも、完璧に祝福できなくても、それで友情が台無しになるわけではない。
大切なのは、表面的にでも「おめでとう」と言葉にできること。そして、複雑な気持ちを抱く自分を否定しないこと。
私も今でも、友達の幸せを聞いて、100%純粋に喜べないことがある。でもそれと同時に、友達の笑顔を見て嬉しい気持ちになることも確かにある。
人の心は複雑で、一つの感情だけで成り立っているわけではない。
自分の幸せを見つめ直すきっかけ
友達の幸せを見て複雑な気持ちになった時こそ、自分の幸せについて考えるチャンス。
今の自分は本当に不幸なのだろうか。 友達と同じ形の幸せを求める必要があるのだろうか。 自分なりの幸せの形はないのだろうか。
一人の時間が好きなあなたには、一人の時間という幸せがある。 本を読むのが好きなあなたには、物語に浸る幸せがある。 静かな場所が好きなあなたには、静寂の中にいる幸せがある。
友達の幸せと比較するのではなく、自分なりの幸せを大切にしよう。
時間が解決してくれること
今は複雑な気持ちでも、時間が経てば必ず変わる。
友達の幸せに慣れてくると、もやもやした気持ちも薄れていく。そして、自分にも良いことが起きた時、きっと心から喜び合えるようになる。
人生は長い。今この瞬間の感情がすべてではない。
あなたなりの祝福の仕方
心から祝福したいという気持ちがあるなら、それで十分。
完璧に喜べなくても、「おめでとう」という言葉をかけることができれば、それは立派な祝福。
時には少し距離を置いて、自分の気持ちを整理する時間を作ってもいい。そうやって自分を労わることも、友情を大切にすることの一つ。
自分の番がきっと来る
友達の幸せを見て、「私の番はいつ来るんだろう」と思ってしまうこともある。
でも、幸せに順番はない。友達が幸せになったからといって、あなたの分の幸せが減るわけではない。
きっとあなたにも、あなたなりの幸せな瞬間が訪れる。その時、今の複雑な気持ちも、良い思い出に変わるかもしれない。
今日のあなたへ
友達の幸せを心から祝福したいと思うあなたは、とても優しい人。
その気持ちがあるだけで、あなたは十分に良い友達。完璧である必要はない。
複雑な感情を抱く自分も、丸ごと受け入れてあげよう。そんなあなたも、愛される価値のある大切な人だから。
今日もお疲れさま。明日は今日よりもきっと、穏やかな気持ちで過ごせるはず。