毎日遅くまで仕事をして、休日も自分磨きを欠かさない。友達の相談には夜中でも付き合うし、家族のことも大切にしている。
こんなに頑張っているのに。
なぜか周りの人には、その努力が見えていないみたい。時には「余裕そうでいいね」なんて言われることもある。
心の中で叫びたくなる。こんなに頑張ってるのに、なんで伝わらないの？
努力の見せ方がわからない
私たちは小さい頃から「努力は美徳」と教えられて育った。
でも、努力をどう「見せる」かについては、誰も教えてくれなかった。むしろ「努力は人に見せびらかすものではない」と言われることの方が多かった。
だから私たちは、黙々と頑張り続ける。誰にも言わずに、一人でできることを精一杯やり続ける。
でも人は、見えないものは理解できない。言葉にされないことは、伝わらない。
私も大学時代、授業の準備や課題に人一倍時間をかけていた。でもそれを友達に話すことはなかった。だから周りからは「要領がいい」「天才肌」と思われていた。本当は人の何倍も時間をかけていたのに。
頑張りすぎる人の特徴
頑張りすぎてしまう人には、共通する特徴がある。
完璧主義で、自分に厳しい。他人の期待に応えようとするあまり、自分の限界を超えてしまう。そして何より、「頑張っている自分」でいないと価値がないと思い込んでいる。
でも皮肉なことに、そうやって頑張りすぎる人ほど、その努力が見えにくくなる。なぜなら、いつも完璧にこなしているから、それが当たり前に見えてしまうから。
「この人はいつも余裕そう」 「きっと器用なんだろう」 「特に苦労してないんだろうな」
そんな風に誤解されてしまう。
伝える努力も必要
努力することと、その努力を伝えることは、別のスキル。
私たちは前者は得意でも、後者はとても苦手。なぜなら「自分のことを語る」のが恥ずかしいし、「自慢しているみたい」に感じてしまうから。
でも、大切な人に自分のことを理解してもらいたいなら、時には勇気を出して話してみることも必要。
「実は昨日、遅くまで資料作成してたんだ」 「この料理、新しいレシピに挑戦してみたの」 「最近、○○の勉強を頑張ってるんだ」
こんな小さなことでも、相手はあなたの努力に気づいてくれる。
頑張る理由を見つめ直す
でも時には、立ち止まって考えてみることも大切。
なぜこんなに頑張っているのだろう。誰のために、何のために。
もしその答えが「認められたいから」「愛されたいから」だとしたら、少し方向を変えてみてもいいかもしれない。
努力で愛を買うことはできない。頑張りで認められる愛は、本当の愛ではない。
本当の愛は、あなたが何もしなくても、ただそこにいるだけで与えられるもの。
完璧でない自分も受け入れる
私は長い間、「頑張っている自分」しか愛してもらえないと思っていた。
だから少しでも手を抜いたり、弱音を吐いたりすることが怖かった。そんな自分を見せたら、きっと嫌われる。そう信じていた。
でも実際に親しい友達に本音を話してみると、意外な反応が返ってきた。
「そんなに頑張ってたんだね、知らなかった」 「もっと早く言ってくれればよかったのに」 「完璧じゃない○○も素敵だよ」
人は、完璧な人よりも、不完璧で人間らしい人に親しみを感じる。あなたの弱さや悩みも含めて、あなたらしさなのだから。
小さな達成感を大切に
努力が伝わらない時、私たちは「無意味だった」と感じてしまいがち。
でも、そんなことはない。その努力によって、確実にあなたは成長している。誰も見ていなくても、あなた自身が変わっている。
昨日の自分より、少しだけ強くなった。 昨日の自分より、少しだけ優しくなった。 昨日の自分より、少しだけ賢くなった。
それだけでも十分素晴らしいこと。
適度な力の抜き方
頑張ることは大切。でも、頑張りすぎて自分を壊してしまっては意味がない。
時には肩の力を抜いて、「今日はこれで十分」と言えることも大切。完璧でない自分を許すことも、成長の一部。
私も最近、少しずつ力を抜くことを覚えた。すべてを完璧にこなそうとしなくても、大切な人は変わらず私を愛してくれるということがわかった。
あなたの努力は無駄ではない
たとえ今、その努力が誰にも伝わらなくても。 たとえ今、その頑張りが認められなくても。
その努力は、確実にあなたの中に積み重なっている。そしていつか、必ず花を咲かせる時が来る。
あなたが積み重ねてきたもの、培ってきたもの、育ててきたもの。それらはすべて、あなたという人間の深みとなり、魅力となって、誰かの心に響く日が来る。
だから今日も、自分のペースで。無理をしすぎず、でも諦めることなく。
あなたの努力を、まずはあなた自身が認めてあげよう。そして時には、その頑張りを大切な人に話してみよう。
あなたの努力は、決して無駄ではない。きっと、いつか伝わる日が来るから。